夢の続き



By えいも様



青子はベッドに横たわった。
宿題を終え、明日の準備もこなしてあとはもう寝るだけだ。

「明日は快斗と久しぶりにお出かけだ!」
そう、明日は久しぶりに青子の幼馴染である黒羽快斗と出かける。
そのために服の選びや小物のセットに時間をかけ、こんな時間までかかったのだ。

「疲れたし、寝ようかな…」
青子は夢の中へと旅立った。



青子が目を覚めると、月光に照らされた庭が目の前にあった。
青子はその風景に見覚えがあった。
「あのときの…」

そう、青子が以前、夢でみた庭だ。
「どうして…」
青子が戸惑っていると、後ろから誰かに声をかけられた。
「青子嬢…」
青子が恐る恐る、後ろを振り向くと白のシルクハット、モノクル、白のスーツにい身をまとった怪盗キッドがいた。

「キッド…」
青子は身を構えるが、なぜか恐怖心を感じない。
「あなたに会いたかった…」
キッドの口からは、青子の心を溶かすような言葉が出ていた。
「なんで…」
青子が涙を浮かべ、キッドを見上げ見つめた。
「私はここでずっと、あなたを待っていましたよ。」
キッドの悲しそうな笑顔を見て、青子がキッドの胸の顔を埋めた。
「ずっと、ここで青子を待っていたの…?」
キッドはそんな青子を抱きしめた。
「ええ…それに」
キッドは青子に顔を近づけ、唇を青子の唇に重ねた。
「あなたがこの夢から覚めるまでずっといます」
青子は顔を赤くしながら、うなずき、キッドは青子を押し倒した…。




朝になり青子は目を覚めた。
ベッドから起き上がり、部屋を見渡すと確かに青子の部屋だった。
「あんな夢を見るなんて、青子もおかしいよね」
泣きそうになり、パジャマのボタンをはずずと、青子の胸元や鎖骨などにキスマークのような痣が出来ていた。


青子は夢か現かわからない出来事に混乱しながらも、確かにキッドの腕で抱かれている時は嫌な感情を芽生えなかった。
むしろ青子を見上げ、笑みを浮かべているキッドに、愛しさを感じたのだ。
シルクハットをかぶっていない彼の髪を撫でながら、彼の額にキスをするほどに…。


青子はこの出来事を、父も幼馴染もいないでおこうと決めた。




FIN…….



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