お買い物に行こう!!


By 佐倉井梢様


快斗は道を歩いていた。
紙を見ながらブツブツ言っていた。
どうやらお買い物を頼まれたようだ・・・。
機嫌が凄く悪そうだった・・・。
(なんでオレが買い物に行かなきゃいけねーんだよ・・・)
雪の中マフラーを巻いて歩いていた。
そんなとき向こうの方から忙しそうに走ってくる女の子の姿があった。
息を切らしながら走っていた。
「青子!?なに急いでんだよ?」
「はにゃ?快斗!?こそどうして・・?」
青子は快斗を見て驚いた。
「オレは、母さんに頼まれて買い物を・・。オメーは?」
「青子も買い物なんだけど・・・行くお店がみんな閉まっていて・・・どうしようか
な〜って・・」
「まぁーこの時期だし・・・無理もないか・・」
今の時期はお正月が終わってから何日かした時期だった。
「どうしよぉ〜・・・」
青子はへこんでしまった。
顔を下にむけながら・・・・。
快斗はニヤっと笑って青子に話しかけた。
「オレが一緒に探してやるよ!!行こうーぜ?」
「一緒に探してくれるの?」
「そうだよ、この優しい快斗様が付き合ってやるっていってんだからよ〜」
「なによぉ〜!!“様”なんて・・」
「いいじゃん♪」
快斗は青子に手を伸ばして手を握った。
青子は笑った。
なんていってもお正月はあまり会っていないようだ・・・・。
そのせいで会えて嬉しかった・・。

幼き二人は手を繋ぎながら歩き始めた。
「おばさん〜、これどこに売ってるかわかる?」
「あら快ちゃんに青ちゃんお買いのも?」
「そうだよ、青子の買い物の手伝いしてんだ〜♪」
「あら?流石男の子ねvvvでもそれなら隣のおじさんに聞いた方がいいかもよ?」
「ありがと!!青子行こうぜ?」
「うん!!」
そう言いながら走っていった。
「きっと快ちゃんはいいお婿さんになるわvvv」
「青ちゃんもいい花嫁さんになるよ」
隣にいたおばさんの旦那さんのおじさんがいった。

そしてあちこち聞いているが全く見つからない。
「快斗・・・ごめんね・・・迷惑かけちゃって・・・」
「バーロ。んなこと謝らなくていいんだよ〜。オレも買い物あったし〜・・」
「ありがとうね・・。」
そんな青子の手を引きながらまた歩き始めた・・。

「見つかんねーな・・・青子・・・」
「・・・・うん・・」
公園のブランコに腰掛けて話す快斗くん。
それを静かに頷く青子・・。
「どうする・・、あきらめるか?」
「え・・でも・・」
「だってもーこんな時間だし・・」
「でもお父さんが欲しがってるし・・・・」
「時間ねーけどいいのかよ・・?」
「・・・・」
なにも言わなくなってしまった。
「しかたがねぇーな〜、頑張ろうぜ最後まで!!」
「あ・・・うん!!!」
下をむいていた青子は笑顔取り戻し快斗に笑いかけた。
そして快斗に飛びついた。
「快斗は優しいねvvv」
「あ、あおこ〜!!飛びつくなよ!!!」
顔を赤面状態にして照れながら言った。

1時間後・・・・・。

「やった〜!!快斗ありがとう〜!!!買うことできたよ!!」
「よかったな!!」
「うん!!」
笑って買った物をしっかり抱きしめていた。
「ところで快斗・・?」
「あんだ?」
「快斗のお買い物はどうするの?」
「え・・・・あーーーー忘れてた〜〜〜!!!」
「え・・・」
驚いて口を開けたままの青子。
あまりにも声が大きかったためである・・・。
「う〜・・・まずい・・・。母さんになんて言われるだろうか・・・」
「なにを頼まれたの?」
「確か・・・、マグロの切り身を・・・」
「じゃぁ、快斗のお家は今日はお刺身なんだね!!」
「え・・・・刺身・・?」
「え、違うの・・?」
マグロ→刺身→“お魚”・・・・。
快斗は頭の中で思い浮かべた・・・。
「オレそのまま帰る!!」
「だめだよぉ〜!!!いくらお魚が嫌いだからって!!!」
「嫌いなものは嫌いなの!!!」
「だめなよぉ〜・・・」
そんな快斗の後を追いかける青子・・。
快斗は少し急ぎ足・・。





それから年月が経ち・・・・。


「快斗〜!!お買いのもついてきて〜!!」
「どこに行くんだ?」
「実はね、とっても可愛いペンダントがあったの〜vvvv」
「どんなやつ?」
「イルカのペンダントだよvvv」
「ふ〜ん・・・」
「だからついてきて!!」
ソファーに座っていた快斗に強請るように抱きついてきた。
そこで新聞を読みながら“コクン、コクン”と頷く・・・。
「快斗、大好きvvvv」
甘くて愛しい言葉・・・・。
ずっと聞いていたい・・・。
ずっとオレだけの傍でその言葉を・・・。
快斗は立ち上がり青子を抱きかかえた。
「え・・・?ち、ちょっと〜/////恥ずかしい〜・・」
「何いってんだ〜?これが?」
「う〜・・・」
赤く染めた顔は少し下をむいてしまった。
「可愛いな〜青子はvvv」
「か、からかわないでよ〜!!!」
「からかってなんていねぇーよ・・オレはいつだって本気だよvv」
そう言いながら暴れる青子抱きながら外の方へと歩き始めた。

愛しき人を抱きどれだけの幸せを感じることができるだろ・・・。
きっと満ち溢れてしまうかもしれない・・・。
ホントはそれを残さず抱きしめていた・・。
必ず・・・。
約束するよ・・・。
一人にはさせない・・・。
オレがずっと傍にいるから・・・・。
一緒に出かけよう・・・外の旅に・・・!!



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