To be with you・・・一緒にいたい・・・・



By 佐倉井梢様



日本中の女の子がこの日を待ちわびている。
大好きな人のために送る・・・最高のチョコレート・・・
甘くて溶けてしまいそうなチョコを・・・



なにやらどこかの家から女の子の笑い声が聞こえてくる
それは楽しそうだった。



「いっつもそうなの!!!」
「本気じゃないよ」
「せや?本気でどないするん?愛情表現やv」
「それほど彼が夢中だということよ」



ここは工藤邸・・・・。
この家の主・・・工藤新一は今は出かけていない。
事件のため警察に呼び出されているのだ。
そのため蘭はひとりだった。
なので新一から許しをもらい、友人たちを呼んで話し込んでいる。



まずは和葉に電話してみるとどうやら和葉の彼も出かけていないらしい。
なので「今すぐそっち行くから待ってて!!蘭ちゃん!」と言われた。
そして次に青子に電話してみるとこちらも同じである。
「蘭ちゃんーー!!青子の愚痴聞いてっ!!!」と青子から返ってきた。
そこには紅子もいるので一緒にくるという。
蘭は紅子に一度も会ったことはなかった。
青子の話を聞く限りだとかなりの美人らしい・・・
「志保さんぐらいかなぁ〜?」
志保とは阿笠博士と一緒に住んでいる女性である。
凄く大人っぽくて綺麗である。
蘭は楽しみだった。
園子に電話すると今は忙しく手が離せないという・・・



なので今回のメンバーは和葉と青子と紅子だった。



さっきまでは青子の愚痴を聞いていた。
快斗が青子のことを子供扱いするので怒っていた。
からかって楽しんでいると・・・
でもみなはそうではないという。
愛されている証拠だと。



青子だけではなかった。
和葉も蘭も意外に紅子も・・・彼についていっていた。



「今年のチョコどうしよう・・・」
ふ〜っとため息をついて青子がいった。
「どうしよう・・・・」
「チョコってなかなか上手くいかんわ・・・。手強いわ・・・」
「案外難しいもんね?」
「そうそう・・・」
う〜・・・と悩む女の子たち・・・・
でも好きな彼だからこそ・・・上手く作りたい・・・
美味しいと言ってほしいから・・・
この言葉はどんな女の子でも望むことだから・・・



外に出かけている男たちはというと・・・・
「なんか街中騒がしいなぁ〜」
「まぁーな。バレンタインだからな〜・・・」
二人仲良く歩いているのは新一と快斗・・・。
はじめからこんな風に仲良く歩いていたわけではない。
帰りに会ったのだ。
会ったときはお互いに悲鳴をあげた。
お互い会いたくない奴同士だった。
周りからみれば二人は双子に見えるが・・・性格や好みはまるで違う。
むしろ正反対である。
「なー新一」
「あ?」
「新一の家に青子いるんだろ?」
「あんで俺がそんなところまで知ってんだよっ!!!」
「多分・・・家にいないと思うから・・・蘭ちゃんと一緒かなぁ〜って」
「あっそ・・・・」
そっけない新一だった。
(俺は・・・蘭と一緒に居たいんだよぉ!!!!)
本音はこれだった。



「なんや工藤やん!!!」
ハッと顔を上げると・・・平次がこちらに向かって走ってくる。
その後ろから白馬も歩いていた。
どうやらそっちはそっちで会ったらしい・・・。
「おー平ちゃん!」
「よぉー快ちゃん!元気しとったか?」
「おー!!バリバリ!!」
後ろからゆっくり歩いてくる白馬に話かける。
「白馬は、服部と会ったのか?」
「ええ、たまたまバッタリと・・・。これからあなたの家に行くというのでついて来たんです。」
白馬の話を聞きはぁ!?っと叫んだ。
「コラぁぁっ!!!服部!!!おめぇーもひとんちにくんのかよ!!!」
「和葉がおるやろ?」
「・・・多分な・・・」
「だから行くんやv」
ニヤッと笑って快斗との話に戻った。
(こ、こいつら・・・)
いつの間にか新一の周りは集団になっていた。
名探偵が3人、大怪盗が一人。
だれもがみても凄い集団である。



「ただいま〜・・・」
玄関から声が聞こえ蘭は走っていった。
「お帰りなさいvあら?」
新一の後ろから顔を出す3人。
「よぉーねぇーちゃん久しぶりやな!」
「蘭ちゃん元気?」
「どうも」
この集団をみて蘭もびっくり。
凄い集団・・・・。
なにやら玄関が騒がしくなっていたのでリビングで話していた女の子たちもやってきた。
「あ、平次!!!」
「快斗!?」
「・・・白馬・・・くん?」
ご対面・・・・。



彼女と再会した彼はそれぞれの彼女を連れて工藤邸を去っていった。



やっと静かになった家の中。
「クスvご苦労様だったわね」
「全くだぜ・・・。いい迷惑だよぉ・・・」
締めていたネクタイを解き、背広を脱いだ。
「こっちはこっちで大変だったのよ」
「なに・・・喧嘩?」
「違うわよ。もっと重要な悩み・・・」
フッといってキッチンへと蘭は消えていった。
(どうやったらあなたが喜んでくれるか・・・・。それが今の私の最大の悩みよ・・・)
そんな蘭をみて?が頭に浮かんだ。



どうやって彼を喜ばせよう・・・
悩む彼女達の思いは届くのだろうか?






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