last night for my second life〜哀の心〜


By maria様


「・・・・・」

明日、完成した解毒剤を工藤君に渡しに行く。
そう、私と工藤君は小学生の姿からオサラバ・・・。
待ちくたびれていたこの日。
『江戸川コナン』は『工藤新一』に戻り・・・
蘭さんの所へ・・・―
でも・・・私はどうなるんだろう・・・
このまま博士の家に住むわけにも行かない。
組織に追われるし・・・
誰も、今までみたいに側にはいてくれない。
私は小学生をやめると独りぼっちなんだ・・・
フッ・・・・
独りぼっちなんて・・・慣れてるわ。
昔から独りぼっちだったもの・・・そう、慣れてる。
涙なんか流さないわ。
涙を流す私なんて最低・・・感情なんて表すものじゃないわ・・・
誰も気にかけることはないから、辛くなる・・・。
だから、私は感情を表すべきじゃない。


何もかも、忘れて・・・これから小学生やっていたらどんなに楽だろう。
何もかも、忘れて・・・工藤君と・・・・―
・・・・変ね、私。
工藤君にはちゃんと彼女がいるのよ。
私なんて、見てもらえない。
見て欲しいだなんて言えない。
痛いけど・・・いいの。
それが、私だから。
痛くても、苦しくても、辛くても・・・我慢してればいつか楽になる。
それが、私だから・・・―


涙が目からあふれ出る。
止まらない涙。
こんなに泣くなんて・・・今までなかったのに。
なぜ泣くの?元に戻ったら独りぼっちだから?
・・・・違う・・・きっと・・・―


・・・・・明日言おう。
薬を渡すとき。
あの人のまっすぐな目を見て。
大丈夫、言える。
最後にあの人に一言・・・・



『工藤君、私あなたのことが好きだったわ・・・』



Fin.


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