除夜の鐘



By なかはらゆう様



ゴォーン ゴォーン

「コレ聞くと、ホントに今年も終わりなんだな〜って感じるね」

コタツに入って、除夜の鐘のTV中継を見ながら、青子が言う。

「賑やかなカウントダウンもいいけど、こーゆーのも悪くないよな」
「ん〜、でも快斗には物足りないんじゃない? マジックのショーが出来ないもの」
「ま、確かに除夜の鐘バックに派手なショーは無理だよな。でもさ」
「なぁに?」
「今日は青子だけのショーだから、たまにはいーんじゃねーか」

鐘の音に合わせて、花を一輪ずつ出して行く。

ゴォーン ポンッ!

ゴォーン ポンッ!

ゴォーン ポンッ!

「うわぁ〜vv」

あっという間にコタツの回りは花畑。

鐘の音が終わりに近づいた頃。
目をキラキラと輝かせて一面の花に見入ってる青子を引き寄せて。

「ほら、これがラスト♪」

開いた目を更に大きくする、その様を微笑ましく見つめる。

108つ目の鐘の音と0時ジャストの時計の音をバックに。

互いの口の中で新年の挨拶を交わした。


A HAPPY NEW YEAR!



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