nightmare



By なかはらゆう様



「────っ!」

まただ、またあの夢。
悪夢としか言いようがない、息が止まりそうな夢。
現実で、一番欲しかった宝石を手に入れた反動か。
青子が・・・、青子がヤツらの手にかかって、息絶える夢。

「ん? 快斗? どうしたの?」

荒い息をしていたせいで、青子が目を覚ます。

「いや、何でもねぇ・・・」

ショッキンクすぎる夢故に、ポーカーフェィスが出来たかどうか。
顔色の悪い俺に気付いたのか、青子が体を起こす。
月灯りに反射する、白い肌、赤い花。

「また夢を見たんだね。快斗、気付いてた? 青子を抱いた日はいっつもそうだよ? 何か不安?」

不安? 俺が不安を抱えてる? 
そんな筈は・・・、いや、あるのかもしれねーな。
手に入れてしまった為に、巻きこんでしまうであろう事に。

「・・・・・・」

無言の回答を、どう受けとめたのか。

「快斗? 大丈夫だよ、青子はここにいるよ。絶対に死んだりしないよ」
「青・・・子・・・」
「青子、言ったよね。快斗が全部話してくれた時、生きるも死ぬも一緒だって。快斗が死なない限り、青子も死んだりしないよ。青子を信じて?」

体の中を、電流が・・・走った。
明日も確実に生きていられる保証なんてない時代、そして我が身。
何の根拠もないのは判っているのに、青子の言葉が嬉しい。
どうしようもない程の愛しさと、感謝の気持ちと、照れくささを共にして、再び青子の体に沈み込んだ。



Fin…….




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