兄ちゃんはパパ!?〜授業参観編〜



By 大井彩花様




帝丹小学校1年B組ー。

「皆さーんよく聞いてくださいねー!今日は、一日を使って授業参観の作文を作ります。」
「はーい!!」
「皆さんの、家族についての作文を作ってもらいます。お父さんとお母さん、皆さんのパパやママについて書きましょう!

担任、白鳥澄子(旧姓小林)は、工藤優一の担任でした。

(パパやママ?じゃあ、あの人たちのことを書くか!)



帝丹大学ー。

「「ハックション!!!」」

別々の学部で、ほぼ同時にくしゃみをした若い夫婦ー工藤新一と蘭ーは首を傾げていた。

「「風でも引いたかしら?(のか?)」」



帝丹小学校では、優一少年が作文を書いていた。

(よーし、これで完成!)
「せんせー!僕できました!」
「ちょっと見せてね、優一君?………………ゆ、優一君のお家は随分パパとママが仲良しなのね?」
「うん、すっごい仲良しなんだよ!」

白鳥先生は、赤面しながら優一と話をしていた。キーンコーンカーンコーン!とチャイムが鳴ったので、そこで授業は終了となった。



次の日ーー。

「ったく、なんで俺が授業参観なんて見に行かなきゃいけないんだよ?しかも、弟のだぜ、弟!」
「まあ、いいじゃない新一。………将来の練習にもなるし……。」

赤面しながらそう言う蘭に、思わず照れる新一。

「それでは、授業参観をはじめます。礼!」
『お願いします!!』

そうやって授業参観は始まりました。
順調に進み、最後は優一の番です。

「僕のパパとママ。僕には、パパとママがいます。パパとママはいっつも仲良しです。母さんが、よくパパとママのことをラブラブねー。と言ってからかいます。パパとママは同じ大学なので、ご飯も仲良しで食べます。一回パパとママと大学で一緒にご飯を食べました。すごく美味しかったです。パパとママはいっつもお休みのチューをして、一緒に寝ています。」

真っ赤になった新一が、思わず優一の作文の朗読を止めてしまいました。

「優一!お前、それ、授業参観で言う内容じゃねーだろ!」
「優一君の御両親、若いのね。ってあれ?蘭さんと新一さんじゃない?」

白鳥先生が蘭達に声をかけました。

「「白鳥先生!ち、違います!誤解です、誤解!」」
「俺と蘭は、優一の兄と姉です!優一、何で父さんと母さんの事書かなかったんだよ?」
「コホン。新一!授業参観よ、話し合いなら家でやって!父兄の皆様に迷惑でしょう?」
「あ。すみません。」


キーンコーンカーンコーン!チャイムが鳴りました。

「気を付け、礼!ありがとうございました!」
「あ、新一。ネクタイ曲がってるわよ?」

新一のネクタイを直す蘭。

「あ、わりい、蘭。」
「ああー!パパママ、またイチャイチャしてる!」
「優一!お前どこでそんな言葉覚えてくるんだよ!?」

帝丹小学校に、親子?喧嘩の声が響いていましたーーー。

「もぉー!ここでケンカしないで!」

蘭の怒鳴り声も又、響いていましたーーーーー。



end.




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