Top secret



By 大井彩花様



-園子の場合-



「新一君!今日こそは話してもらうわよ?休学中のこと!」
「ーーーーッ!わりーけど、園子には言えねー。」
新一君が口ごもった。やましいことでもあるんじゃないの、と思わず疑ってしまう。
顔まで歪めちゃって!相当おっきなこと、隠してるのね?ポーカーフェースも崩れてるし。
「なんでよ!?蘭にも、なの?」
「ああ。あいつにも言えねーよ。」
「ねぇ!蘭は、あんたがいない間ずーっと泣いて、あんたを待ち続けててたのよ!?
……ヒック、し、新一君はぁ、そ、それ知ってるの?」
泣きながら訴えてみる。ちょっと卑怯だと思ったけども、仕方ない。
あの時の蘭は健気だった。痛々しい笑顔を見せて。私だって、あの笑顔が見たいもの。いいわよね。
「ああ。コナンの奴に聞いた。でも、言えない。」
「っ。なんで、なんでなのよ!蘭が、あ、あんなに、大変な思いしてたのにいっ!」
私は号泣しながら新一君に詰め寄った。その時、新一君が寄っかかっていた机がひっくり返った。
「うわッ!」
転びそうになって、受け身をとったみたい。じゃあ、大丈夫ねと思ったけど、いっこうに起き上がらない新一君がちょっと心配になって来た。顔を覗いてみる。
「新一君!?大丈夫!?」
新一君が額に脂汗を浮かべて苦しそうにしている。
「っ、そこのっ、青い、防犯ブザー、みたいなの、とって、く…っ!」
バッグの中から青い、防犯ブザーみたいなのを言われた通り出す。
新一君は、せんを思いっきり引っ張って、ゼェハアと苦しげにしている。顔が真っ青だ。
すると。
「工藤君!?あなた、どうしたの!?」
転校してきて一週間ぐらいしか経っていない、宮野さんが焦った顔してやって来た。
え?なんでこのふたりが知り合いなの?
「灰原、発作が、ひどく、なって、きて、る。っ…。今のでっ、二回、目だ。」
「なんで言わなかったのよ!?…………酷いわね。はっきり言って。」
え?なんか、灰原って聞いたことあるような。
宮野さんが薬らしき物が言った便を取り出して、大きくため息をつく。
「とりあえず、痛み止め。発作もすぐ収まるわ。収まるまでじっとしてなさい。」
「??」
ふ、ふたりの会話についていけない。なにを話してるんだろう。
「ーーで、鈴木さん。今まで、なにがあったのか説明してくれない?」
「あ、はい。」
私は、今までのことをかいつまんで話した。
「ーーーーーー。そう。わかったわ。とりあえず、彼を運ぶの、手伝ってくれないかしら。」
「あ、はい。」
宮野さんはクスリと笑って、
「ありがとう。ごめんなさいね、こんなことに付き合わせちゃって。まぁ、あと2ヶ月ぐらいだから.何かあったら協力してくれない?」
「っ、俺は、認めねぇからな。お前は、被害者だ。」
「なにいってるのかしら。どう考えったって加害者よ。被害者は目の前にいるし。平成のホームズ君がね。」
「被験者だ。自業自得だよ。」
「同じことよ。……さ、鈴木さん」
「逃げるなよ。運命から、逃げんじゃねーぞ。」
「ケリは付けるわ。幕も下ろす。これで満足?………鈴木さん。行きましょう。」
「え、あ、はい。」
駐車場に着いて一台のベンツが目に入る。そのまま乗り込んで。外車を運転しだした宮野さんにちょっと驚く。
「宮野さんって免許持ってたんですね。」
「ええ。まぁ、一応。」
「!」
(これって、ガキンチョと哀ちゃん、そしておチビちゃん達じゃない。どうしてここに………?)
頭にはてなマークが浮かびまくる。なんで、どうしてここにーーー?その時そのふと宮野さんの声が聞こえてきた。頭がパニックになりながら考えてたから聞こえなかったんだ。
「ねえ、工藤君。……付き合って、くれない?」
「!!」
告白!?宮野さん、新一君の事、好きなんだ!でも、新一君には蘭がいるもの。断るに決まってるわよね。
「俺でいいのか?」
え!?う、浮気?
「貴方だから言ってるのよ。」
「……わかった。明日7:00にうちに来てくれ。蘭には秘密だからな?」
「ええ。ありがとう。」
「!?」
やっぱり浮気!新一君、サイッテー!こうなったら、尻尾つかんで見せるから、覚悟しなさいよ〜新一君!
そう思った私は、新一君を鏡ごしににらんだ。



To be countinued…….





 に続く。