名探偵コナンAND・NOWシリーズ


高校生クイズスペシャル(3)




二日目。



日売テレビ内の特設スタジオにて。



「高校生諸君、お早う。昨日は良く眠れたかい?」

福沢のその声に参加者達は“はぁ…。”と少し眠たげに答えた。
その中にはかなり眠そうにしている平次と佐伯(昨日あまり眠れなかったようだ…。)と園子がいた。

園子はもっと眠そうにしている筈の新一が意外と元気そうなのを見て疑問に思い話しかけた。

「新一君、昨日あんなに悶々としていたのに、随分元気そうじゃない?」
「誰のせいだと思ってやがる…。」
「あら?私は真実を言ったまでよ?」
「あのな…。」
「そんな事より教えてくれたって良いじゃない?」
「るせぇ、オメーのような奴には教えねーよ!」
「な、なによそれ?!感じわるー!」
「フン!テメーのに言われたかぁねー!」







新一の回想、その後…。



新一は暫く悶々としていたが、今日の一回戦が終わった後福沢から言われた事を思い出しハッとした。

“勝ち残った諸君、明日は一気に準決勝終了までロケを行うので今日はしっかりと眠っておいた方が良いぞ。”

「明日は一気にサスペンスクイズまで行くのか…。だったら寝ておいた方が賢明だな…。」

新一はそう呟くと腕にしていた時計を外し、スイッチを入れた。
それはかつてコナンだった時に使った腕時計型麻酔銃兼ライト。
もちろん新一の腕はコナンよりも大きくなっているので、博士に頼んで灰原の麻酔銃を作る時のついでとして新しく作り直してもらっていた。

「まさか自分に向けて撃つ事になるとはな…。」

そう自嘲気味に呟くと自らに向けて麻酔銃を撃ち、眠りに付いた。



未だブツブツ文句を言ってる園子をジト目で睨みながら新一は昨日の事を思い出していた。

(こんなこっぱずかしい事人に言えるかってんだ…。)

そう思いながら。







新一がそんな事を考えていた時、福沢が2回戦のルール説明に入っていた。

「2回戦は題して“グループ対抗パスワード推理クイズ”と銘打って行います。諸君、あれを見よ!!!」

そう言われた参加者達がスタジオを見ると今まで薄暗かったスタジオに明かりが灯り、一気に明るくなった。

参加者達はその眩しさに一瞬目を細めたが少して目が慣れてくるとスタジオの中を見回した。

そこには“A”と大きく書かれた回答席と同じくそれに向かい合う様に“B”と書かれた回答席がそれぞれ10個ずつ置かれていた。

「これから各チームは“A”“B”それぞれの即席グループに分かれてもらいます。各チームは協力して相手グループに自分のグループのパスワードを推理されないように気をつけながら、相手グループのパスワードを推理してもらいます。勝ち残れるのは勝利したグループ10チームのみです。」

その時スタッフが、片手がスッポリ入るぐらいの大きさの箱を運んできた。
その箱には前面に高校生クイズのロゴマークが入っており、片手を入れると思われる穴が上に開いていた。

「グループ分けですが、この箱の中に“A”“B”と書かれたボールが10個ずつ有るので各チームの代表者に取ってもらいます。では、1回戦で1位通過したチームからどうぞ。」

そう福沢に言われたそれぞれのチームの代表者は、次々にボールを取っていった。



そうこうしている内に改方学園の順番になった。
他のチームは今まで以上に興味津々に固唾を呑んで見つめていた。
無理もない、このクイズの特性から言って西の高校生探偵である平次が居る改方を味方に付けた方が俄然有利になる事に気付いていたからだ。

「続いて大阪代表改方学園。代表者は前に出て抽選を行って下さい。」

福沢に促され、平次達は早速誰が前に出るのか相談し始めた。

「佐伯、いちようお前の名前で応募したんやから、お前がいけや。」
「あいよ。」

平次にそう促され、佐伯が前に出て抽選を始めた。

既に抽選を終えたチームは祈るような想いで自分のグループに来る事を祈っていた。

そして…、

「“B”や。」

佐伯は“B”と書かれたボールを見ながら呟いた。
そして、福沢はそのボールを佐伯から受け取り、高々と掲げながら宣言した。

「改方学園は“B”グループに決まりました!!」

その宣言に既に“B”に決まっているチームは勝ち残ったかの様に喜び、“A”に決まっていたチームは敗退したかの様に項垂れた。


さらに抽選が続き“B”を引いたチームは喜び、“A”を引いたチームは悲しげにうつむいて行った…。




そうこうしている内に今度は帝丹高校の順番になった。

「続いて東京代表帝丹高校。代表者は前に出て抽選を行って下さい。」

福沢に促され、新一達も誰が前に出るのか相談し始めた。

「園子、オメーの名前で応募したんだからお前が行けよ。」
「はいはい。」

園子は新一にそう促され前に出て抽選を始めた。

(ここで工藤と決着を付けるのも悪ぅないな…。)

そう思いながら抽選を見つめる平次。

(今の内に服部達に消えてもらった方が良いかもしれねーな…。)

奇しくも平次とほぼ同じ事を考えている新一。

そして、もう頼れるのは東の高校生探偵にして日本警察の救世主とまで言われた新一の居る帝丹しか居ないと思っている“A”グループのチームはもうこれ以上ないぐらいの真剣な面持ちで同じ事を祈った。

だが…、

「あ、“B”だ。」

園子は少し驚いたような顔で“B”と書かれたボールを見つめながら呟いた。

そして、そのボールを受け取り、高々と掲げながら福沢が宣言した。

「帝丹高校は“B”グループに決まりました!!!」

この瞬間、このクイズは企画倒れじゃないか?と思われるぐらい面白みの無いものになった。

それも当然だろう。

このクイズの勝敗を喫したのが実質最初のくじ引きで決まった様なものだからだ。

もちろんどっちが勝ったのかはあえて説明するまでも無いだろう…。



  ☆☆☆



3回戦。



敗退した10チームが次々と特設スタジオを後にして行き、勝ち残った10チームだけが残った。
そして、セットの模様替えを兼ねた休憩を挟んで3回戦が行われた。

そして勝ち残った10チームが再び集められた。

集まった所で再び福沢が進行を始めた。

「3回戦は題して“バトルロワイヤル環状線通過クイズ”!!!!!参加者諸君、あれを見よ!!」

そう言われた参加者達がスタジオを見ると回答席が円形に並べてあり、その中心に司会者席ともう一つの解答席が配置してあった。

「ルールを説明しよう。先ず、全体に対して早押しクイズを出題します。正解すると1ポイント貰えます。お手つき誤答はマイナスポイントにはなりませんが、その問題の回答権を失います。3ポイント先取でセンターの通過席に進めます。そして、通過クイズこそこの3回戦の目玉“バトルロワイヤル環状線クイズ”なのだ!!」

(バトルロワイヤル環状線クイズって一体何なんだ…?)

参加者達の心の疑問に答える様に福沢が説明を続ける…。

「そして、そのバトルロワイヤル環状線クイズのルールですが、先ず通過クイズに進出したチャレンジャーがそれ以外の妨害者に向かって一問多答環状線クイズを出してもらいます。一問多答環状線クイズとはその名の通り問題を出したチームから右回り又は左回りで順々に解答してもらいます。右回りか左回りを決めるのは、問題を出す時にチャレンジャーが選択できます。妨害者はなるべく多く解答して行き、チャレンジャーの出した問題の答えを出し切るか、問題を出したチームが答える事が出来なければ妨害成功となりチャレンジャーチームは再び0ポイントに戻って全体に対する早押しクイズを再開します。逆に全ての妨害者が解答出来なくなった後、最後にチャレンジャーチームが解答する事が出来れば準決勝進出が決定します。チャレンジャーチームは基本的に一問多答クイズであればどんな問題を出しても構いませんが、妨害者が一問以上答えられない問題を出した場合、問題不成立としてチャレンジャーチーム失格、0ポイントに戻ってやり直しになるので注意して下さい。」

つまり、内輪ネタ(他のチームが絶対に知らない事)や超難問を出す事は出来ないと言う事だ。

「では、早速3回戦を始めよう!!先ず、全体に対しての早押しクイズを出題します。」

その言葉に全員が緊張した。



それから、暫くして…。


新一と平次はイライラを募らせていた。

(アカン、やっぱ押し負けとる…。)
(クソッ、問題を読む推理力も反射神経も奴らに負けねー自信が有るのにそれだけじゃ駄目って事かよ。)

2人は中々解答権が得られない事にイライラしていた。

2人とも問題の先を読む推理力、そしてボタンを押す(新一は超高校生級と言われたサッカーの素質、平次は同じく剣道の素質を生かせた)反射神経も常人以上であったが、それでも早押しクイズに関しては全くの素人であった為にほんのタッチの差であっても押し負けていたのだ。
その為、二つのチームは中々ポイントが貯まらない状態が続いた。
ちなみに、新一・平次以外の4人はほとんどまともに参加していなかった…。
だが、それでも常人以上(蘭と和葉に言わせればそれこそどうでも良い事まで知っている)と言う雑学の知識で環状線通過クイズに進出したチームを妨害していた。

そして、ようやく帝丹と改方がリーチ(2ポイント獲得した状態)まで漕ぎ付けた。

ところが、他のチームもこの時新一と平次の弱点に気が付いたのだ。

それは…、

「モーニング娘、結成時から現在までの全メンバー!既に脱退した人間も含む。但しフルネームで!」
「はぁ?!(なんやそれ?!全然解らんわ?!!!)」
「あにぃ?!(んなの全然知らねーぞ?!?!)」

さらに…、

「沖野ヨーコのシングルタイトル!!」
「はぁっ?!(ちょー待てぇ!こいつ等まさか?!)」
「なんだって?!(ま、まさかこいつ等俺達の弱点を?!)」

そう、彼等は2人の苦手にしている芸能・音楽(新一は特に音楽、平次は特に芸能)の問題を出して来たのだ。

実は昨日のサドンデスペーパーテストにおいて1回目で満点を取れたのは難易度が高く設定しあった為、芸能・音楽の問題が一問も出題されて無かったおかげだったのだ。

それでもミーハーな蘭や園子や和葉、そしてそういった方面のみ平次以上であった佐伯の手を借りて乗り切ったのだ。



そして、ついに帝丹高校にビッグチャンスがやって来たのだ。

「問題、コナン・ドイルの代表作名探偵ホームズ。ドイルが最初に…。」

ポーン!!!

新一、会心の(不敵な)笑み。

「帝丹高校!!!!」
「シェリング・フォード!!!」

ピポピポーン!!

「正解!!流石は自他とも認める有名なシャーロキアンだ!!問題は“コナン・ドイルの代表作名探偵ホームズ。ドイルが最初に主人公に付けようとした名前は?”と言う問題で、正解はもちろんシェリング・フォードだ。」

この時、蘭と園子と平次は一様に同じ思いを抱いたのだ。

(((流石〔は〕、ホームズオタク〔やな〕…。)))(注:〔〕内は平次)

「帝丹高校はここで始めて通過クイズに挑戦します。帝丹高校は前の通過席へ。」

そう福沢に促され、3人は通過席に進んだ。

「では早速通過クイズを始めよう!!帝丹高校の皆さんは環状線クイズの問題を出題して下さい。」

そう言われて早速3人はどんな問題を出すか相談しようとした。

だが…、

「新一君、任せるわ。」
「はぁっ?!」
「新一、お願いっ!!」
「おいおい、蘭も園子も俺に任せきって良いのかよ?」
「そんな事言ったって、新一以上を誇れる分野なんて思いつかないんだもん。」
「あのな…。」

新一は呆れたが、確かに自分以上にマニアックな事をこの2人が知っているとはとても思えなかったのだ。

「帝丹高校、そろそろお題を決めてもらおうか?」

福沢に促され、新一は考えた。

(ここで失敗するとまた0ポイントに戻って全体の早押しクイズか…。そうなれば、ただでさえ早押しで押し負けているのにそんな事になればジリ貧になるのが目に見えてるな…。よし!!)

新一はここで勝負に出ることにした。

「では、お題をどうぞ!!」
「シャーロック・ホームズシリーズに出て来るキャラクター!!!フルネームでなくても良い。但しコナン・ドイルの原作に出ている人間に限る。」
「おおっと!!帝丹高校はここで最も自信の有るホームズネタで勝負にでたぞぉ!!!では、解答の順番を決めてもらおうか?」

新一はそう言われ、チラッと平次の方を見て、考えた。

(この手の問題で一番の強敵は服部だな…。なら順番は決まりだな。)



一方、新一の視線を一瞬感じた改方学園の3人は…。

「工藤君、今さっきこっちの方を見た様な気がするんやけど、気のせいやろか?」
「和葉、気のせいやあらへんで。工藤は俺を意識しとるんや。」
「なんでや?(まさか服部の奴、噂通り両刀使いなんか…?)」
「簡単な理屈や。この手の問題で俺が一番の脅威になる事が解りきっているからや!!」
「ほんなら平次、工藤君がアタシ等を見た理由って…?」
「俺等の順番が後になる様に順番を決める為や!!」

そして、新一は平次の推理通りの順番で環状線クイズを始めた。



そして、環状線クイズが始まった。

最初こそホームズやDrワトソンなどメジャーなキャラクターが出て来たが、段々とマニアックになって行き、事件の依頼人や犯人、果ては本編に一回しか出てこない超マイナーキャラクターまで飛び交った。

だが、所詮筋金入りのシャーロキアンである新一に適う訳もなく、最後まで頑張った平次が力尽きた瞬間帝丹高校の準決勝進出が決まった…。

「帝丹高校準決勝進出決定!!!!」

その福沢の声に喜びを爆発させる3人。

(工藤相手にホームズネタで張り合ってもしゃあないな…。やっぱり工藤とは準決勝で決着をつけるしかあらへんな…。)

平次はそう思いながらその光景を見ていた。







なお、この戦いを本放送で見た白馬が、

「残念ですね…。この場に僕が居ればもっと高レベルな戦いが出来たというのに…。」

と残念がり、それを聞いた快斗が、

「やっぱ予選落ちしてよかったぜ…。ったく、何が悲しくて苦手な紅子と一緒にどっちがより凄いホームズオタクか?って戦いを見なきゃいけねーんだ…。」

と胸を撫で下ろしていたそうな…。







その後、平次率いる改方学園チームがエラリー・クイーンネタで準決勝進出を果たしたのは言うまでもない…。



  ☆☆☆



準決勝…。



(火曜サスペンス劇場のテーマソングを口ずさみながらお読み下さい。)

「高校生クイズサスペンス劇場。」

(↑副音声で聞こえるナレーションの声を思い浮かべて下さい。)

(間奏)

「雨が降りしきる中、事件はある洋館で起こった。」

(間奏)

「事件の容疑者として3人の男女が浮かび上がった。」

(間奏)

「だが、事件の時は3人とも被害者本人によって密室に閉じ込められ、殺害は不可能であった。」

(間奏)

「高校生探偵諸君は逆密室と完全なアリバイを暴けるのか?東西の高校生探偵が今激突する。」

(間奏)



資産家夫人殺人事件。
 激突!東西の高校生名探偵。



福沢は金田一耕介の格好をして、進行を始めた。

「準決勝は恒例、サスペンスクイズです!」

そう言うと早速ルール説明に入った。

「ルールは簡単です。これから皆さんはある洋館で起きた殺人事件の犯人、凶器、そしてアリバイトリックを暴いて下さい。ここを通過して栄えある決勝戦に進めるのは3チームか4チームです。」
「3チームか4チームぅ?!」
「そう3チームか4チーム。どう言う事かと言うと、あれを見よ!!!」

福沢が指し示した方向に、“ラッキー!!敗者復活!”と書かれたタスキをかけた3人の女性が現れた。

「彼女達こそ2回戦と3回戦の敗者で行われた“敗者復活!大ビンゴゲーム”の栄えある勝者です。」

そう紹介され彼女達は少し照れくさそうにしていた。

「文字通り運だけで復活した彼女達も含めた5チームで準決勝を行います。」

この時、スタッフが2回戦で使った抽選箱を持ってきた。

「ですが、運だけで2回戦と3回戦をすり抜けた彼女達は、もちろん準決勝も運だけで勝ち残ってもらいます。題して“運命共同、コバンザメサポーター”!!」
「運命共同、コバンザメサポーターって何ですか?」
「簡単な事だ。これから君達3人の代表者にこのくじを引いてもらう。このくじには勝ち残った4チーム名が書かれており、くじで引いたチームが君達の命運を握るチームとなるのだ。」

簡単に言えば、彼女達が引いたくじに書かれた学校のチームが勝ち残れば、そのチームと一緒に決勝進出ができるが、敗退すれば一緒に敗者となって帰らなければならないのだ。
つまり彼女達が勝ち残る為にはこの準決勝を確実に通過しそうな学校を引かなければならないのだ。

「それやったら、名探偵服部平次のおる改方学園を引かなあかんな。」
「そやな、未来の大阪府警を背負って立つとまで言われた服部君がおるんやからな…。」

彼女達の会話と言葉を聴いてお判りだろうと思うが、彼女達は兵庫県の代表だったのだ。

なお、この時の改方学園の3人の反応は…、

(流石に関西では工藤より俺の方が上やな…。)(←不敵な顔でカッコつけている。)
(何カッコつけてねん…。アホとちゃうか…?)(←ジェラシー全開のジト目で睨んでいる。)
(コイツ、何時かホンマに罰が当たるで…。)
(↑和葉と言う彼女が居るのに何考えているんだと言わんばかりに呆れている。)

だがこの時、最後に残った一人が異を唱えた。

「何言ってるのよ。確かに神戸や大阪じゃ服部君の方が有名だけど、私が以前住んでいた東京じゃあ帝丹が誇る名探偵工藤新一君の方が有名なのよ。」
「そういや水城は東京から転校して来たんやったな…。」
「確かに一時どっちが探偵として上かってスポーツ新聞で特集を組んでたぐらいやから、凄いんやろな…。」
「そうよ。日本警察の救世主なんだから!!!」

そう言いながら、口々に帝丹が良い、改方が良いと言い合う3人…。

それを傍で聞いている帝丹の3人は…、

(ま、当然だよな…。)(←平次に負けないぐらいの不敵な笑みでカッコつけている。)
(何カッコつけてるのよ…。)(←和葉に負けないぐらいのジト目で睨んでいる。)
(こやつ等絶対同類よね…。)(←佐伯以上に呆れた顔で新一と平次を睨んでいる。)

3人はなおも言い合っていたが、福沢の声で我に返った。

「何時までも言い合っていないで、さっさとくじを引いてくれないかなぁ。」

3人はそう言われ、チームリーダーの女の子がくじの中に手を入れた。

この時、残りの2人は…、

「改方。改方!!」
「帝丹。帝丹!!」

と口々に祈っていた。

が、彼女達の運は敗者復活のビンゴゲームで使い切っていたらしく…、

「げ。」

くじを引いた子が文字通り固まった。

固まっている彼女の手からくじを受け取った福沢はそれを高々と掲げ、

「兵庫代表聖マリアンヌ女学校は茨城代表○△高校のサポートをする事に決まりました!!!」
「「エエーッ?!?!」」

明らかに嫌そうにしている2人を○△高校の3人は、

(そんな嫌そうな顔しなくても…。)

と呆れていた…。

「嫌だろうが、嫌じゃなかろうが君達の命運は彼等が握っているんだから、何か言ってあげたらどうだい?」

福沢にそう言われた彼女達は彼等にこう言った。

「あ、あの、とりあえず3位狙いで頑張って下さい。」
「あ、はい…。」

彼女達がこう言うのもしかたないだろう…。
このクイズに関して1位・2位を取るのは絶望に近いからだ…。
そう。帝丹と改方以外の2チームは何とか3位に滑り込むか、2人が争っている所を文字通りトンビに油揚げを取るかのようにすり抜けるしかないからだ…。



  ☆☆☆



(作者注:《》内は本放送で入るナレーションです)


そして、ついに準決勝が始まった。

「では、早速準決勝を始めよう!なお、3時間経つとヒントの間が開くので、どうしても解らなければ訪れると良いぞ。」
「工藤、解らんのやったら遠慮のぉ行きや。」
「バーロォ、俺を誰だと思ってやがる!!」

2人がそんな話しをしている中、福沢は4チームに調書を手渡した。
新一と平次は完全無欠の探偵モードでそれに目を通していた。
なお、それ以外の者達(特に帝丹と改方いがいの2チーム)は完全に傍観者に徹していた。
それも当然だろう。
こう言う事で彼等と張り合っても勝ち目が無い事は良く解っているからだ…。

「では、早速スタート!!!」
「和葉ぁ!!行くでぇ!!!」
「へ、平次、ちょお待ってぇな!!」
「蘭!!早くしろよ!!!」
「ち、ちょっと新一!!」

福沢の号令と同時に新一と平次は蘭と和葉の手を引き駆け出した。

《おおっとぉ!いち早く飛び出したのはやはり東西の高校生探偵だぁ!!しかも彼女を引きつれて凄まじいスピード走っているぞぉ!!このまま彼女と手に手を取って駆け落ちする気かぁ?!》

なお、この時完全に忘れ去られた2人は…、

「ち、ちょっとアンタ達!私の事完全に忘れてるでしょ〜!!!」
「お、お前等ホンマにただの幼馴染かい!!!」

と怒りながら後を追うように走っていた。

さらにその後を残りの2チームが追い駆けるように走って行った…。



  ☆☆☆



そして、洋館の玄関先で…。

2人は幼馴染(本人談)を連れたまま玄関先の地面を調べ始めた。

(足跡は無いか…。調書どおりやな…。)
(土の湿り具合からいっても犯行中に雨が降ってたのは間違いなさそうだな…。となると…、)

この時、2人とも同じ推理にたどり着いていた。

(犯行時、外部から入って来た人間はおろか…、)
(中の容疑者も外に出とらんちゅう事か…。)

そして2人はお互いを見つめ合い、同じ思いを抱いた。

(あの様子だと服部も気付いたようだな…。)
(となると、工藤は当然…、)

「蘭、行くぞ!!」
「和葉、行くで!!!」

そう言い残し、二人は幼馴染(しつこいようだが本人談)を引っ張るように洋館に入って行った…。

そして、またもや取り残された2人は…、

「あ、アンタ達、この大会は3人グループだって忘れてるでしょ?!」
「お、お前等、これでもまだ唯の幼馴染って言い切るんかい…。」

肩で息をしながらなおも後を追い駆けて行った…。

残り2チームと共に…。



  ☆☆☆



そして、犯行現場にて…。



4人はいち早くここに来ていた。
既に死体は警察によって片付けられ、白い線だけがその名残として残っていた…。
そして、机には遺産配分の遺書があり、そこにはダイニングメッセージらしく“へ”と書いてあった…。
2人は早速捜査を始めたが…、

「めっちゃ可笑しいな。」
「ああ…。」

2人は犯行現場の有様に呆れていた。

「遺書を書いてる最中に襲われたんやったらこんな形でダイニングメッセージを残すかい…。」
「しかも大きく“へ”なんて残すかよ…。」
「第一、“へ”で始まる容疑者おらんやんか…。」

容疑者として、“知子”(ともこ)、“力”(つとむ)、“良夫”(よしお)の3兄弟が上がっていた…。

「だよな…。」

2人はそう愚痴りながらも捜査を続けていた…。
そして、現場に残された緑色の物体を手に取りながら和葉と蘭が2人に尋ねた。

「平次、この緑のネバネバしたん何やろ?血?」
「アホ。宇宙人やないんやから血なわけ有るかい…。」
「じゃあ何?」
「血じゃなかったら答えは一つだぜ?蘭。」

(そう、調書には鈍器による撲殺…。)
(しかも、今現在も見つかっとらん…。ちゅう事は…、)
(トリックの初歩の初歩…、)
(それであのダイニングメッセージかい…。)
(となれば、犯人の部屋にはアレが有るはず…。)
(勝負は先にこれを見つけた方の勝ちやな…。)

2人はそう思うと、早速幼馴染(本人達以外はそう思ってないが…。)を連れて3人の容疑者が閉じ込められた2階へと上がって行った…。



  ☆☆☆



その後、2階に有る知子の部屋にて…。



知子は知力をもじって名づけられたらしく、参考書やパソコンといった物が整然と片付けられていた。
平次と連れてこられた和葉は早速この部屋を調べ始めた。

「犯行状況から言うても多分犯人は男やと思うんやけど、万が一って事も有り得るさかいな…。」
「何で男やと思うん?」
「ホンマの事件ならいざ知らず、これはサスペンスクイズやからな。アガサ・クリスティーの昔より女は毒殺と言うのが一般的なんや。」
「そんなん、偏見やんか。」
「俺もそう思うたさかい、こうして調べとるんや。俺等の裏を書いとる事も有り得るさかいな…。」

そう言いながら、平次は部屋中を物色していたが…、

「和葉!!行くで!!!」
「はぁ?!突然どないしたん?」
「犯人は知子ハンやないのが解ったんや!!!」
「へ、平次?!?!?」

未だ状況を把握し切れてない和葉を引き連れ、平次は部屋を後にした。



  ☆☆☆



同じ頃、同じ階にある良夫の部屋…。



良夫は運の良さと言う意味らしく、パチンコ攻略雑誌、競馬新聞、スポーツ新聞(競艇やオートレースの記事のみ切り抜かれている。)、電話線が繋がったパソコン(インターネットでそれらの情報を集めていると思われる。)が乱雑に散乱していた。
新一と連れてこられた蘭は早速この部屋を調べ始めた。

「こう言う事は得てしてオーソドックスなんだ…。」
「新一、どう言う事?」
「服部の奴はかなり深読みしていきなり知子の部屋に行ったが、撲殺なんて荒っぽいやり方は男の犯行と相場が決まってんだよ。」
「そうなの?」
「実際の事件は知らねーが、推理小説ではある程度イメージってものを尊重するもんなんだよ。」
「無駄に毎日推理小説ばっか読んでる訳じゃないのね…。」
「悪かったな…。」

そう言いながら、新一は部屋中を物色していたが…、

「蘭!!行くぞ!!!」
「えっ?!突然どうしたの?!」
「犯人は多分力さんだ!!!」
「ええっ?!」

《おおっと!!さすがは東西の高校生名探偵!!あっという間に犯人と凶器の答えにたどり着いた様だ!!しかも、噂によれば2人共かなりもてるらしいが彼女以外完全に眼中になさそうだぞぉ!!》

未だ状況を把握しきれていない蘭を引き連れ、新一は急いでその部屋を後にした。



  ☆☆☆



その直後2階の廊下にて…。



園子と佐伯、そして残りの2チームはあえぎながらようやくここまで上ってきた…。
無理もない、彼等にとっては何の意味もなくあちこち走り回されたのだから当然だろう…。
だが、彼等がようやく2階の廊下まで上りきった時、突然二つの扉が廊下側に開け放たれた。
そして、そこから顔を出した新一と平次は扉の陰で呆然としている8人に全く気付かず、お互いを見つめあった。

(工藤のあの様子から言うて…、)
(やっぱり犯人は力さんか…。)

2人は目を合わせただけで瞬時にそう推理し、8人に全く気付く事なく先を争うように残った力の部屋に向かった…。

そして、もう完全に存在を忘れ去れた2人は…、

「あ、アンタ達、これが全国ネットのテレビだって忘れてるわね…。知らないわよ、2学期どうなっても…。」
「もうええわ…。勝手にされせ…。お前等2学期どんなにからかわれても俺の責任やないで…。」

《ああっと!!ついにチームメイトからサジを投げられてしまったぞぉ!!彼等が2学期以降ずっとからかわれ続ける事になるのは間違いなさそうだ!!!》

最早完全に諦め、呆れた顔でその場を後にした…。

そして、全く違う理由で残った2チームもその場を後にした…。
そう。彼等は何とか2人に付いて行き、彼等の導き出した答えを盗もうとしたのだ…。
だが、彼等の導き出した答えはもちろん、捜査風景(もちろんそれが大きなヒントになるのは間違いない。)でさえ見る事無くあちこち振り回され、何のヒントも得る事なく体力だけを消耗させられたのだ。
彼等はこれ以上の無意味な消耗を避け、諦めて自力で解く事(つまり3位狙い)にしたのだ。



  ☆☆☆



一方、残った力の部屋では…。



新一達はそんな外の状況に全く気付く事なく捜査を続けていた。
力の部屋は彼が体力をもじっているだけに、鉄アレイ、ダンベル、エキスパンダー、そして各種栄養ドリンク剤の空き瓶と未だ中身の残っている物を保存するための小さな冷蔵庫(もちろん冷凍庫付き)が乱雑に置かれていた。
新一と平次は部屋の中を見た瞬間、

(あったでぇ!!!)
(やっぱり犯人は力さんだったか!!!)

蘭と和葉を魅了するキラキラした笑顔で微笑む2人…。

そうなると当然2人の彼女(本人達以外談)は真っ赤になって見とれた…。
そうなると当然…、

《おや、おやぁ?!調査にかこつけて彼女を口説いているのかぁ?!》

このようなナレーションと共に告白現場を覗いているかのような隠し撮り映像が全国ネットで流れる事になった…。



そんな事になっているとは露ほどにも考えていない2人は…、

(後は密室トリックの謎だけやな…。)
(考えられるのは、扉と窓だけだが…。)

3人の容疑者が閉じ込められた部屋にある扉の鍵は中と外、両方から掛けられる様になっており、その鍵は被害者本人が所有していた。
もちろん、鍵自体が複製の難しい特別製になっており、警察の捜査でも複製が作られた形跡を見つける事が出来なかった…。
当然の事ながら、その鍵の複製が最初からあったと言う事も無く、鍵はこの世にたった1つしか存在していなかった…。
そして、扉自体も鍵をこじ開けたり、鍵を壊された形跡も無く、扉をどうこうして犯人が外に出たとは考えられない状態であった。
もちろん、壁自体にこれといった仕掛けが施されている訳が無く、犯人が外に出るには窓を出て1階の屋根伝いに廊下の窓から侵入するか、そのまま下に飛び降り1階の窓を開けるしか無いと思われた。



新一は扉を、平次は窓を徹底的に調査していた…。

「平次、やっぱり犯人は窓から外に出たんやろか?」
「それが一番考えられるんやけどな…。せやけど、犯行時雨が降っとった事、2階の廊下の何処にも濡れた形跡がないちゅう事は違うんやろな…。」
「何で?下に飛び降りてって事も考えられるやん。」
「確かに、力という兄ぃちゃんがどんな人か知らんけど、部屋の様子から言うてかなり鍛えてる事は間違いないやろ…。」
「せやったら…、」
「そやさかい、俺と工藤は真っ先に玄関先を調べたんや。」
「あっ!!そうか!!下に飛び降りたらその跡がしっかりと残ってる筈やもんな…。」
「それ以上に一階の現場に泥が残ってる筈や!犯行時雨が降っとって地面がぬかるんでいるんやからな!!」



  ☆☆☆



同じ頃…。



「ねぇ、新一。」
「ん?あんだよ?」
「扉の鍵は壊された形跡や、こじ開けられた形跡が無いんだったら、私達も服部君みたいに窓の辺りを調べた方が良いんじゃ…。」
「確かに鍵に細工された形跡はねーよ…。でもな蘭、“全ての可能性の中から絶対に有り得ない事柄を消去して行った時、残ったものがどんなにありえそうに無くてもそれが真実だ。”ってな事をホームズが言ってたんだ。」
「ふーん、それで?」
「そこでだ、先ず鍵に細工された形跡は無い、窓から出たとも考えられない…、」
「何で窓から出てないって言いきれるの?」
「犯行時間に雨が降ってたのは間違いないからな、窓から出たならこの部屋はもちろん、外から忍び込んだ形跡も残ってしまう筈なんだ。」
「そっか、雨が降っているから窓を開けたら絶対雨の跡が残るもんね。」
「だろ?だから窓も無い、もちろん壁をどうこうした訳でも無い…。」
「じゃあ?」
「そう。この扉自体に何かしらのトリックが有る筈なんだ…。」
「それは解るけど、こんな所に何時までも居ると頭をぶつけるわよ。」
「あん?なんでだよ?」
「だって、誰かが新一がここに居るとも気付かずにいきなり扉を開けるかもしれないじゃない。」
「そりゃそうかも知れねーけど、頭はぶつけないと思うぜ?」
「えっ?!どうして?」
「だって、ここの扉は全部外開きだろ?」
「えっ?!新一もしかして気付いてないの?!ここの扉は内開きだよ?」
「なんだって?!」
「な、なに驚いているのよ?さっき服部君と争う様に自分で開けてたじゃない。」
「そうだっけ…。」
「“そうだっけ”って、あんたねぇ…。」
「いや、悪い。推理に夢中で全然意識してなかった…。」
「はぁ…。新一ってホント、大馬鹿推理之介ね…。」
「悪かったな…。だけど蘭、オメーよく覚えていたな?んな事。」
「覚えてないわよ。」
「へ?!じゃあ、何で…?」
「だって、“蝶番がこっちに付いてるからてっきりこっち側に開くはずなのになぁ?”って思ったから…。」
「何だって?!そ、それ本当か?!」
「“本当か?”って見たら解るでしょ?」

そう言って蘭は扉の開く方の反対側を指差した。
新一はその方向を見てこう言った。

「本当だ…。」
「でしょ?」

蘭はそう言ったが、新一は全く聞いていなかった…。
何故なら既に完全な推理モードに突入していたからだ。

(妙だな…?何でこの扉だけ内開きなんだ…?全部外開きでも良い筈だよな…。)

「新一?(もしかして聴いてない?)」(←ちょっと怪訝そうな顔になってる。)

(普通の家ならともかく、ここはサスペンスクイズの為に作られたセットだよな…。だったらこの扉の開き方が違うって言うのも意味が有るはずだよな…。)

「し、新一ぃ…。」(←推理している時の顔に見とれている。)

(内開きの扉…。その違いは…。)

その時、新一の頭脳に光がよぎった。

(そうか!!!だから蝶番がこっちについているのか!!!)

「し…。」

その時、蘭の口を新一が塞いだ。

「しっ!服部の奴はこっちに気付いてねーみたいだから、こっそり行くぞ。」
「う、うん…。」(////////)

そう言って新一は真っ赤になった蘭を連れてこっそりと外へ出て行った…。



  ☆☆☆



その時、平次と和葉は…。



「なぁ、平次。」
「あん?何やねん…。」
「工藤君、蘭ちゃん連れてこっそりと抜け出して行ったけど解ったんやろか?」
「なんやてぇ!!!」
「ち、ちょっと平次!びっくりするやん。」

和葉はそう文句を言ったが平次はその事に全く気付かずに扉の方に走って行った。

「何処や?!和葉、工藤は何処を見て解ったんや?!」
「何処っていわれても…。工藤君は蝶番の方をずっと見とったのを見ただけやさかい…。」
「蝶番?!(蝶番に何が有るんや?せやけど工藤はここを見とったんやし…。何か有るのは間違いない筈や…。)」
「へ、平次…。」(←平次の探偵モードの顔に見とれている。)

(蝶番がこっちにある…。そうか!!!!!)

「平次…?」
「和葉ぁ!!行くでぇ!!!」
「へ?!」
「“へ?”やない!!!このままやと工藤に負けてまう!!!」

平次はそう言って和葉を連れて走り出した。



その後、2階の廊下の突き当たりにて…。



平次と連れられた和葉は大急ぎでここまで来ていた。
だが、その足音に気付いた新一は蘭を引き連れ走り出していた。
それを見た平次は連れている和葉を急がせた。

「和葉ぁ!何してんねん!!!」
「そ、そんな事言うたかて…。」
「アカン!工藤の奴もう下まで行っとる!!こうなったらしゃあない!最後の手段や!!!!」

そう言うと、おもむろに和葉を(お姫様抱っこで)抱き上げた。

「へ、平次…。」(///////)
「黙ってぇ!舌咬むで!!!」

そう言うと、おもむろに平次は和葉を抱き抱えたまま階段の上から飛び降りた。



その時、下では…。



新一と蘭は突然上から和葉を抱いたまま平次が降って来たので驚き、思わず硬直してしまった…。

「くうーーーっ!」

平次は着地の衝撃で足がしびれ、硬直してしまった。(ちなみに和葉は真っ赤になっていた。)

4人はその状態でしばし固まっていたが…。

「く、工藤ぉ、未だ勝負はついてへんで…。」

そう言いながら平次は和葉を抱えたまま歩き出した。(流石に走るのは無理だったらしい…。)
それを見た新一は…、

「くそっ!服部の奴…!!(不味いな…。このまま蘭を連れて走っても今はともかく服部の足が回復したら負けちまうな…。よし!!!)」

「新一…?」

蘭が新一の顔色が変わったのを不思議そうに見つめていると、突然抱き抱えられた。(もちろんお姫様抱っこで。)

「し、新一!!」(///////)
「走るぞ!!蘭!!!」

《おおっと!!最早推理クイズではなくて彼女強奪ゲームと化しているぞぉ!!果たしてあの二人は彼女の親御さんから了承は得ているんだろうか?心配になって来たぞぉ!!!》

その後、2人は彼女を抱き抱えたまま1位争いをしたが、やはり2階から飛び降りたダメージが残っていたのか、新一が勝ちを収めた。(もちろん正解だった。)



また、翌日行われた決勝戦は、前日のショックから抜けきれてない平次相手に蘭が絡むとその能力が200万倍に出来る男がその力を十二分に引き出して(よーするに楽勝で)帝丹高校が優勝を収め、アメリカ西海岸旅行をゲットしたそうな・・・。



AND・NOW特別編…終わり。