名探偵コナンAND・NOWシリーズ


第11話 結婚式協奏曲


3通目 中森青子×黒羽快斗&4通目 白馬 探×…?


平次が和葉にプロポーズをした同じ頃、江古田高校の青子達の教室では…。


「はぁ…。」

青子は朝から元気が無く、ため息ばかりついていた…。

「どうしたのよ?青子?」
「恵子、あのね…。」

青子は園子の名前で来た招待状の事を話した。

「良いじゃないの?受けたら…。」
「うん、お父さんはそのつもりなんだけど…。」
「でしょうね…。これだけのイベント、ましてやそこにキッド様が喜びそうな獲物、世界最大級のアクアマリン“人魚の瞳”が掛かっているんだから…。青子のお父さん飛びつくわよね…。」
「うん…。でも…。」
「あ、もしかして相手が居ないって悩んでいるの?!黒羽君に相手役を断られたんだ!!」
「ち、違うよ恵子!!快斗には未だ話してもいないんだから!!!」
「どうして?黒羽君の性格から言って2つ返事で引きうけそうじゃない!!」
「相手が青子でも?!こんなお子様なのに…。」

それにこれ以上、快斗にキッドをやって欲しく無い…。青子はその言葉を飲み込んでいた…。

「な〜にばかな事言ってるの?!申し込んでもいないのに、そんな事判る訳ないじゃない!!どーんと当って砕けてみなさいよ!!!」
「何で青子が俺に当って砕けるんだ?!」
「か、か、か、快斗!!!!」
「お、脅かさないでよ!!!」

真っ赤になって驚く二人に思わず快斗は首を傾げながら呟いた。

「人聞きの悪い事言うなよ。オメーら…。さっきから何度も挨拶してるのに無視しやがって…。」
「い、いつからここに居たのよ?!」
「何時からって、オメーらがこれを見ながら相手役がどうのとか言ってたから…。」

そう言って快斗は何時の間にか青子から掏り取った招待状を手にしていた。
それを見た青子は…、

「ああっ!!!見ちゃ駄目ぇ〜!!」

そう叫びながら取り戻そうとするが、快斗はそんな青子の行動パターンを知り尽くしていたのであっさりと交わし、読み始めた。

「えーっと、招待状?!誰からだ…?鈴木財閥のお嬢さんから?」

ヨミヨミヨミヨミヨミよみよみよみよみよみ読み読み読み読み読み黄泉黄泉黄泉黄泉黄泉黄泉…。

「快斗…?」
「段々雰囲気が険悪になっているわね、彼…。(ポーカーフェイスの達人とまで言われたキッドとは思えないぐらい判りやすいわね…。)」

何時の間にか、高みの見物を決め込んでいた紅子までもが会話に参加していた…。

「快斗君って以外と判り易いのね…。」
「ほぇ?!何で快斗の雰囲気が険悪にならなきゃいけないの…?」
「青子、アンタ判らないの?!」
「中森さん、そんなんだから彼から“お子様”って言われちゃうのよ…。」
「何よ〜!恵子も紅子さんもそんな言い方しなくても良いじゃないの〜!!」

青子はそんな2人の言葉にむっとしながら答えているといきなり後ろから手が伸びてきて青子を強引に振り向かせた。

「青子…。」
「か、快斗…?ど、どうしたの…?(な、何で?キッドモード全開になってるの…??)」
「黒羽君も以外と独占欲が強いのね…。」
「ホント、以外だわ…。(普段からそう言う雰囲気を出していれば変な痴話喧嘩もしなくて済むのに…。)」

そう言いながら、完全に高みの見物モードに入る二人の女性…。

「で、どんな男性と偽りの誓いを告げるつもりで…?」
「へ?い、偽りって???」
「本気で挙式を挙げるつもりがないなら、例えどんな男性が相手でも偽りになるでしょう…?」
「そ、そうだけど…。」
「どんな男性ですか…?」

どす黒いオーラを噴出しながら尋ねる快斗…。
事と次第によってはその相手を抹殺しそうな雰囲気だ…。

「だ、だからっ!!ま、未だ誰にも言ってないもんっ!!」
「本当ですか…?」
「う、嘘言ってどうするのよ!!!」
「では、私がそのお相手をいたしましょう…。」

そう言って快斗は青子を抱きしめた…。

「なっ!(//////)」

そのまま青子は頭から湯気を噴出し、硬直した…。



  ☆☆☆ 



その日の昼休み、江子田高校の屋上にて…。



紅子は悲しげに佇んでいた…。

(ばっかみたい…。天下に名だたる怪盗キッドもあの子の前ではああなるなんて…。)

そう想いながら佇んでいると不意に後ろから声が掛かった。

「紅子さん…。」
「へ?!は、白馬君…?!何時日本に戻って来たの…?」
「つい先日ですよ…。このような招待状をもらったのでね…。」

そう言って、探も青子と同じ招待状を見せた。

「それで…?」
「是非、私めのご招待を受けてもらいたいと思いまして…。」
「何故、私なの?」
「理由は有りませんが…。いけませんか…?」
「いえ、受けさせて頂きますわ…。」
「そうですか…。それは良かった…。」

探はそう言うと、少し嬉しそうな顔で立ち去った。
後に残された紅子は不敵な顔で呟いていた…。

「ふふっ、今回は完全に傍観者になってあげるわ…。多くの観衆と真実を見抜く力を持つ者の前でどんなマジックを披露してもらえるのかしら…。とても楽しみだわ…。」



「オマケの一般参加。」に続く。