サンタさんは、ぜったい、いるよ



byドミ



ふゆやすみのにっき

1ねんAくみ もうりらん


12月24日


わたしは、サンタさんは、ぜったいいると、おもいます。
でも、クラスのおともだちも、サンタさんはいないって人、おおいよね。

せんせいは、どっちがほんとだと、おもいますか?


あのね、せんせい。

今日、クリスマスイブに、とってもすてきなことが、あったのよ。
せんせいにだけ、おしえてあげる。

やっぱり、サンタさんは、ほんとうにいたの。


わたしは、クリスマスイブの日、しんいちのいえに、とまりにいきました。
そしたら、しんいちのお母さんが、クリスマスケーキとごちそうを、つくってくれました。

しんいちのお母さんは、りょうりじょうずで、らんにもいろいろ、おしえてくれます。
ことしのケーキ、わたしもちょっぴり、手つだいました。


よる、しんいちのいえの、大きなおへやで、ぱーていをしていました。
そしたらね。
だんろのなかから、サンタさんが、出てきたの。


サンタさんなんかいないっていってる、お友だちも、しんいちのいえにいっしょにいたら、きっと、サンタさんは、ほんとうにいるって、いったとおもいます。



「ステキステキ!しんいち、サンタさんって、やっぱりいたんだね!」
「ああ。そうだね、らん」
「よかったわね、らんちゃん」


しんいちも、しんいちのお母さんも、ニコニコわらっていました。
サンタさんは、しんいちとわたしに、プレゼントをくれました。

「でも、サンタさん。わたしのおうちには、エントツがないから、きてくれないの?」

「ハッハッハ。いやいやらんちゃん、サンタクロースは、まほうがつかえるんだ。えんとつがなくても、かぎあなだってすりぬけて、入ってくることができるのだよ。そして今日は、らんちゃんが、このいえにあそびにきていることも、ちゃ〜んとサンタクロースにはわかっていたんだ」

サンタさんが、まほうがつかえるってこと、はじめてしりました。
でも、そりでそらをとぶんですものね。まほうくらい、つかえるわよね。

「ええ?サンタさん、まほうもつかえるの?」
「ああ、そうだよ」

サンタさんは、ニコニコわらって、いいました。
でね、しんいちが、いったの。

「らん。でもな、みんなは、サンタさんって、えんとつから入ってくるって、しんじてるだろ?だから、これはひみつにしとこうぜ」
「うん、わかった!サンタさんとしんいちと、ゆきこおばさんと、わたしだけの、ひみつだね」

サンタさんは、大きくうなずいて、わたしのあたまを、なでてくれました。

「さて、サンタクロースはいそがしい。また、つぎのこどもたちのところに、いかねばならん。プレゼントをこっそり、おいてかえるはずだったのに、こうやってみつかってしまうのは、大しっぱいなのだよ。だからこれも、ひみつにしておいてくれるかい?」

サンタさんって、いがいと、ドジなんだね。

「うん!みんなには、だまっておくね。でも、お友だちには、サンタさんなんかいないっていう子もいるの。どうしたらいいかな?」

ねえ、せんせい。
うそはついちゃ、だめだよね。
でも、やくそくも、まもらなきゃ、だめだよね。
うそをつかずに、ひみつをまもるって、どうしたらいいのかなって、おもってたけど。
サンタさんは、とってもあたまがいいの。

「うそをつきたくないけれど、はなせばうそになってしまうときは。だまっていれば、いいのだよ」
「だまっているの?」
「ああ。だまっていれば、うそをつくことにはならないからね」

サンタさんって、あたまがいいね。
まるで、しんいちみたいだなっておもったよ。

しんいちにそういったら、しんいちは、なんだかへんなかおを、してたけど。


みんなには、ひみつにしておくってやくそくしたから、せんせいにだけ、こっそりおしえるね。

せんせいは、とくべつだから、はなしても、サンタさんは、おこらないよね。


しんいちって、とってもあたまがよくて、いろいろなことをしってて。

「おばけなんか、いるわけねーだろ」

って、いつも、らんのこと、ばかにするけど。

でもね、しんいち、サンタクロースのことは、バカにしないで、らんのはなし、きいてくれたの。
クラスの子が、サンタさんなんかいないって、バカにしてわらったとき、しんいちは、らんのまえに立って、その子たちにもんくをいって、わたしをかばってくれたの。

そしてね。
サンタさんはほんとうにいたって、わかったとき、しんいちも、いっしょに、よろこんでくれたの。

しんいちって、ときどき、いじわるだけど、でも、とってもやさしいんだよ。


わたしね、しんいちが大すき!
でもこれ、しんいちにはないしょにしてね。
せんせいとわたしだけの、ひみつだよ。


おしまい


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<後書き>

これは元々、チビフェスタ企画様に進呈したお話です。
クリスマスのお話なので、今回、アップしてみました。

当時、お気づきの方がいらっしゃったかどうか分かりませんが、これは、「THE SALAD DAYs」番外編「サンタが家にやって来た」の、蘭ちゃん回想部分を、チビ日記にアレンジし直したものでした。
今回、少しばかり手直ししています。当時見直す時間がなくて、漢字がもっと多かったのを、かなり平仮名に直しています。
小学校1年12月時点で、平均的にどの程度の漢字が書けるものか、よく分かりませんが。
読めるのと書けるのとではまた違いますから、このようにしました。

ただ、本当は、「普通の小学校1年生だったら絶対書けないだろう」と思われる文章が、随所にあります。
分かっていてあえて書いている部分が、沢山ありますので、その辺はご容赦を。
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