夏の陽射し
byドミ
(おまけの新蘭・真園篇)
「さて、京極さん。申し訳ないですが、今晩俺を瓦屋旅館の方に泊めて頂けませんか」
平次を見送った後、新一がそう切り出した。
「新一?」
蘭の声に、新一が答える。
「しゃあねーだろ、4人でこの部屋で寝る訳にもいかねーしよ」
園子が口を挟む。
「うん、だからね、もう1部屋とろうかと思ってたんだけど・・・。いきなりでも、スイートルームとかは大抵空いてるものだし」
新一が呆れたように言う。
「バーロ。園子・・・いや、園子さん、鈴木財閥のコネなんか使ってみろ、あとでおめーの親父さんに何言われるかわかんねーぞ」
真も口を挟む。
「そうですよ、園子さん。私の実家の方なら大丈夫です。いつどんな時でも、私の友人が訪ねてきたら、歓迎してくれますから」
「てー事で、この部屋は蘭達が使ってくれ」
そう言って荷物を持って出ようとする新一を制して、真は言った。
「では、園子さん、まいりましょう」
園子は、えっ、わたし?と言って真っ赤になる。
「ホテルの部屋は、セキュリティが万全ですから、皆で泊まるのは私の実家よりここが良いかと思っていたのですが、園子さん、あなたお1人でしたら、確実に私がお守りしますから。私の実家、瓦屋旅館においで頂けますか?」
「わたしは嬉しいけど、・・・いきなりこんな時間にご迷惑なんじゃ?」
「私の大切な人を泊めるのですから、迷惑な筈がないでしょう」
蘭と新一は、そのやり取りを聞いて、目が点になっていた。
「では、明日の朝10時にロビーで集合ですね」
そう言いおいて、真は園子を連れて出て行った。
後に取り残される新一と蘭。
「まさか、京極さんがあんな大胆なことをするとは思わなかったな」
「ええ、そうね」
2人ともしばらく固まっていた。
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