C-K Generations Alpha to Ωmega



By 東海帝皇(制作協力 ドミ)



第一部 勇者誕生編



Vol.1 新たな冒険の始まり



200X年1月19日木曜日の午後の毛利探偵事務所………。



「はい、一番乗りね。」
「ちっ、やられたー。」
「灰原さん、すごーい。」
「さすがですね。」
「ハハハ………。」

七並べで盛り上がる江戸川コナン達少年探偵団の面々。
そこへ事務所の主・毛利小五郎探偵の娘の蘭が現れる。

「ねえ、コナン君。」
「なあに、蘭姉ちゃん?」
「明日さあ、園子と新宿へお買い物にいくんだけど、コナン君も一緒に行かない?もちろんみんなを連れて。」
「えっ、ホントに!?」
「いいの、蘭姉ちゃん?」
「ホントにいいんですか!?」
「ええ。お買い物はみんなで行った方が楽しいし。」
「えー、僕遠慮しとくよ。明日は阿笠博士の所に行くから。(ハハハハ、女の買い物になんて付き合ってられっかよ……。)」
「あら、そう?」

残念そうな蘭。
そこへ、

「俺、行きまーす!」
「あたしも!」
「僕も行きます!」

小嶋元太・吉田歩美・円谷光彦等少年探偵団の三人が名乗りを上げた。

「おいおい、オメーら……。」

呆れるコナン。
その時、

「私も行くわ。たまには息抜きしたいし。」
「い゛っ!?」

名乗りを上げた灰原哀にどビックリのコナン。

「灰原さんも行くんですか、それは良かった。」

大喜びの光彦。

「それじゃあ、みんなで明日は楽しみましょうね。」

そういいながらさり気なくコナンに視線を向ける蘭。
それを見たコナンは、

「…………じゃ、僕も行くよ。」

しぶしぶ同意した。

「そう、それは良かった。じゃ、明日の朝、ここに集合よ。」
「「「はーい!!」」」
(トホホ………。)
「クスス……。」



  ☆☆☆



同じ頃、黒羽快斗の自宅では………。



「ふーっ、これで今日の宿題、全部終わったな。」
「ありがと、快斗。手伝ってくれて。」
「いやいや、どーいたしまして。」

中森青子に向かって返礼する快斗。

「ねえ、快斗。」
「何だ、青子?」
「明日、ヒマ?」
「んー、そうだな、何の予定もねーし。」
「じゃあさ、明日青子とお買い物に行かない?」
「はあ?」
「ねえー、行こーよー。もう宿題全部終わった事だしー。」
「うーん、そーだなー……。よし、行こうか。」
「えっ、ホント!?やったぁーっ!!」
「アハハ……。で、何処行くんだ?」
「あのね、今新宿高島屋タイムズスクエアで面白い催し物やってんの。だからそこ行こ。」
「新宿か……。よし、わかった。」
「じゃ、明日そこの正面玄関に午前10時ねー。」
「ああ。また明日なー。」




青子が帰った後、快斗はベッドの上に横たわった。

「ふう………。青子とデート………、じゃなくて、買い物か、何か久しぶりだな………。」

天井に視線を向ける快斗。

「ま、たまには息抜きもしねーとな。フアア………。」

大あくびする快斗。
そして、

「スー、スー………。」

いつのまにか、眠りについてしまっていた。



  ☆☆☆



同じ頃、大阪の改方学園では………。


「てやぁーーーっっ!!」
「とおーーーっっ!!」

バシイッ!
バシイッ!!

高校の剣道場に響き渡る竹刀と竹刀がぶつかり合う音。
そこでは、本戦と見紛わんばかりの激しい打ち合い稽古が行われていた。

「うおりゃーーーっっ!!」
「ぬうんっ!!」

白い剣道具の部員に猛烈に打ちかかる紺色の剣道具の部員。
それに対し、白い剣道具の部員は一歩も引かずに相手の竹刀を自らの竹刀で防ぎ止める。

「……それにしても、平次相手によーやるモンやなあ、スミレちゃんも……。」

紺色の剣道具の部員――服部平次と互角の大戦を繰り広げる白い剣道具の部員の力量に感心する少女――遠山和葉。

「そらそーやろ。この学園であの御剣とサシの練習出来る部員は女子剣道部にはおらへんし、しかも、男子剣道部の中でも服部だけやしなあ。」

剣道部員が白い剣道具の部員――御剣菫を見て、ため息をつく。

「しかも、あの京都泉心高の沖田とも引き分けた事があるくらいやし。」
「噂では、神鳴流っつー剣の流派の奥義を極めてるっつー話もあるみたいやからなあ。」

練習試合を見ている部員の口から彼女に関する話題が次々と飛び出してくる。




「礼!」

練習試合を終えた平次と菫が、和葉の元にやってくる。

「いやあ、ご苦労やったなあ、平次、スミレちゃん。」
「ありがと、和葉ちゃん。」
「いやいや、こいつホンマに強えーわなあ。」

と言いながら面を外す平次。

「何言うとるん、へーたん。アンタかて強いやんか。」

そういいながら菫も面を外す。

「そのへーたんっつーの、やめんかい。」
「まあまあ、えーやんか、平次。」
「ぷはっ……。」

面と手拭を外した彼女は、栗毛色のツインテールの髪をたなびかせた。

「しっかし、こんな可愛い顔しとって、よくもあんだけの力出せるもんやなあ。一瞬でも気ぃ抜いたら、オレ間違いなくやられとったわ。」
「そらしゃーないやん。ウチは剣を持つと、一瞬の内にバトルモードになってまうんやから。」
「自分で言うなや、自分で……。」

呆れる平次。

「まーまー、えーやんか、へーたん。自覚出来とるだけ遥かにマシなんやし。」
「そ、そらそやな、ハハハ……。」

和葉も思わず苦笑い。

「さてと、ウチこれで失礼するわ。」
「ん、もう下がるんか、御剣?」
「うん。ウチ、明日東京のほう行くんで、その準備せなあかんからね。」
「ほう、奇遇やな。オレ等も東京行くんや。」
「あら、ホンマやねえ。」
「なあ、スミレちゃん。アンタ東京に何しに行くん?」
「そら決まっとるやん。ウチと冥府魔道を歩んでくれるダーリンに久しぶりに会いに行くんや。」
「め、冥府魔道って……。」
「スミレちゃん、ホンマに子連れ狼が好きなんやなあ……。」
「つーか、ダーリンって、お前彼氏がおったんかい!?」
「ああ、そやで。ただ、ダーリンには、他にもべっぴんハンがおるよって、ウチもうかうかとはしてられへんのや。」
「べ、べっぴんはんって……。」
「お前の彼氏、他にも女がおるんかい……。」

更に呆れる和葉と平次。

「そうなんや。だから、他んモンに目ぇくれずに互いを見とるアンタ等がホンマに羨ましゅーてなあ。」
「〜〜〜〜〜。」
「なっ、そ、そんな事あらへんわい!!」

菫の指摘に頬を染める和葉と、激昂して顔を真っ赤にする平次。

「おーおー、へーたんたら、むきになってもーて。」

からかう菫。

「オマエ、そないなでたらめな事言うて、人をからかって何が面白い……ぶふっっ!!?」
「何言うとるんや、アンタは……。」

和葉が額に怒筋を立てながら平次に裏拳をぶちかます。

「ハハハハ、やっぱオモロい夫婦やな、アンタ等。」
「スッ、スミレちゃん!」
「ぶふ……。」

真っ赤になっている和葉の足元で、裏拳を喰らった平次がピクついていた。



  ☆☆☆



その夜……。


「ふう……。」

何気にため息をつくコナン。

「あら、どうしたの、新一。」

コナンに語りかける蘭。

「おい、蘭。この場でオレを新一と呼ぶのはまずいんじゃねーのか?」
「あら、いいじゃないの。お父さんは今調査で留守なんだし。」
「そらそーだけどよ。」
「で、何でため息をついてたの?」
「いやさ、せっかく組織を倒して、工藤新一としてオメーのとこに戻れると思ってたら、肝心の元に戻る薬がまだ完成しねえからよ。それでついついため息が出ちまって。」

ぼやくコナン。
実は蘭は、コナンと黒尽くめの組織の最終決戦の時に彼の正体をしり、彼とともに組織を滅ぼすのに一役買ったのである。
そしてその後、お互いの気持ちを告げて、今に至っている。
(なお、コナン達が組織を倒した話については、数多くの語り手達によって語られている為、ここでは触れない。)

「あーあ、早く元に戻りてーなあー。」

その時、

「な゛っ、ら、蘭!!?」

蘭に後ろから抱きつかれて、コナンは顔を赤らめながら慌てふためく。

「そう焦らないで、新一。『急いては事を仕損じる』と言うでしょ?」
「そらそーだけどよ。」
「それに、この方が堂々とあなたと一緒にいられるんだから。」

蘭は微笑みながら、コナンを抱きしめる腕に力を込める。

「わわわわっ、お、お〜い。」

コナンは背中に当たっている蘭の胸の感触を感じて、更に真っ赤になる。

『うう、この体でこうされると嬉しいような地獄なような……、蘭にその男心にわかってもらうのは無理だって事、分かってっけどよ……。』

コナンの苦悩の日々はまだまだ続きそうである。
合掌。



  ☆☆☆



同じ頃……。



「なあ、平次。東京駅行きのバス、そこでええんか?」
「ああ、そうや。」

大阪駅桜橋口のTR西日本高速バス乗り場に向かう平次と和葉。
その時、

「ん?」
「何や、どした?」
「平次、あれ……。」

和葉が、バス停にいる一人の女性を指差した。

「あれ……御剣ちゃうか?」
「うん、そうやね。」
「けど、何でアイツがここにおるんやろ?」

平次がそう考えている時、

「あっ、へーたん、和葉ちゃん!」

バス停の少女が二人に向けて手を振った。

「やっぱり……。」
「スミレちゃん!」

呆れる平次をよそに、和葉は菫の元へと駆け寄った。

「奇遇やねえ、二人とも。アンタ等もバス乗るん?」
「うん、東京駅まで。」
「えっ!これまた奇遇やなあ。ウチも東京駅まで乗ってくんよ。」
「「えっ!?」」

あまりの奇遇ぶりに驚く平次と和葉。

「明日は何かええ事あるかなー。」
「ハハハ……、ここまで奇遇が続くと、明日は何かとんでもない事が起こるやもしれへんな……。」
「そーやね……。」

ノー天気な菫に対し、平次と和葉は汗をたらしていた……。








深夜、或る洋館にて………。



「ウフフフフ……。さあ、魔法の玉よ、答えなさい。この地球上で一番美しい女は誰?」
「それは紅子様、あなた様でございます。(但し、あなた様に並ぶ美貌の方ならおりますが。)」
「ホーッホッホッホッ………。」

ご存知赤魔法の継承者・小泉紅子は、相も変わらず魔法の玉相手に己の美しさを誇示していた。
但し、魔法の玉の内心の呟きには気付かなかったようだ。

「世界中の男たちは全てあなた様の虜でございます。ただし……。」
「何、また『黒羽快斗以外は』とでも言うつもり!?」
「いえ、それが………。」
「それが、何?答えなさい。」
「でも……。」
「いーから答えなさいっっっ!!!」
「はっ、はい!!では……。えー、黒羽快斗と他四名を除いては………」
「は?…………今なんて言ったのかしら?」
「えー、ですから黒羽快斗と他四名を除いて……。」
「何ですって?もーいっぺん言ってご覧なさい。」
「だから、黒羽快斗と他四名……。」
「他四名?この世界に黒羽君以外に、私の虜にならない男があと四人もいると言うの?」
「ええ、まあ………。」
「……………………フッ、フフフフ…………。」
「あ、あの……、紅子様………?」
「ハハハハハ………。アーッハッハッハッ………。」
「あの…………。」
「バカな事ほざいてんじゃないわよォ!!!!この私の虜にならない男が更に四人もいるですってェ!?ふざけんじゃないわよォ!!そんなの絶対に認められないわ!!一体何処の大ダコよ、そいつらはァ!!?」

紅子、完全にブチ切れる。
その姿にお嬢様の欠片もなかった。

「まあ、落ち着いてくんなまし、紅子様。」
「ジョーダンじゃないわ!!これが落ち着いてられるもんですかァ!!さあ、早く答えなさい!!!」
「はっ、はい!で、では……。まずはこ奴めにございます。」

そう言うと魔法の玉は、ある男を映し出した。

「誰、この色黒の男?」
「彼の名は服部平次。『西の名探偵』として、数多くの難事件を解決した男ざます。」
「えっ!?この男が!?フン!私の美貌も解らないような輩がよくもまあ『西の名探偵』なんて偉そうな称号を平気で名のれたものね。全く信じらんないわ!!で、次はどいつなの!?」
「は、はい〜〜〜。二人目はこ奴です。」

魔法の玉は、二人目の色黒な男を映し出した。

「彼の名は京極真。杯土高校二年生で、『蹴撃の貴公子』をとる高校空手界のチャンピオンだぎゃあ。」
「うーん……、何か純朴すぎて、あまりアクが感じられないわね……。」
「で、三人目がこ奴でござる。」

魔法の玉は三人目を映し出す。

「何これ!?何て冴えない男なの?」
「彼奴は警視庁刑事部捜査一課巡査長、高木ワタル刑事でござる。」
「フッ、こんな男など私の趣味じゃありませんわ。」
「はあ……。ただ、問題は次の男だす。」
「次の男?」
「はい。はっきり言ってこ奴はあの黒羽快斗よりも遥かに手ごわい男におじゃりまする。」
「えっ!?黒羽君よりも手ごわい男!?」
「では、ご覧下せー。」

そう言うと、魔法の玉は、あるもう一人の男を映し出した。

「なっ、く、黒羽君!?………じゃないわね。あっ!彼は確か!?」
「はい、『東の名探偵、工藤新一』でおます。」
「工藤新一……、かの時計台の事件でキッドを追い詰めた探偵ね。そして、変な薬の為に小学生となって、江戸川コナンとして幾度と無くキッドと渡り合った男……。なるほど……、確かに手ごわい相手と言えるわね……。」

紅子は魔法の玉が交互に映し出す新一とコナンの映像を見つつ、納得していた。

「まあ、私に惚れない男が五人いても別におかしくはないわね。それらを除けば、星の数ほどの男が私の虜になるのだから。オーッホッホッホ……。」
「それは負け惜しみですかいな?」

ピクッ!

「何ですって……、もういっぺん言ってごらんなさい……。」

紅子は、魔法の玉めがけてハンマーを振り下ろそうとした。

「わーっ、わーっ、今のは聞かなかった事にして下せえ!!!」

魔法の玉はたまらず紅子に許しを請う。
その時、

ピカアーーーッッ!!

魔法の玉が突如変色を始めた。

「ど、どうしたの、一体!?」

魔法の玉の突然の変化に紅子はハンマーを振り下ろす。

「そ、それが何やらとてつもないモノを感じまして……。」
「とてつもないもの!?そ、それは一体!?」
「今映し出すでごわす。」

魔法の玉は、自身が感じ取った何かを映し出した。
それを見た瞬間、

「な、こ、これは……!?」

紅子は絶句した。








翌金曜日20日の朝、毛利探偵事務所前…………。



「おはよー、コナン君、蘭お姉さん、園子お姉さん!」
「おはようございます、コナン君、蘭さん、園子さん!」
「おっはよーっ!!」
「おはよう、江戸川君、蘭さん、園子さん。」
「やあ、おはよう。(ハハハ………。)」
「よく来たわね、おちびちゃん達。」
「おはよう、みんな。よく来てくれたわね。」
「そりゃ蘭さん達のせっかくのお誘いですから、行かなきゃもったいないですからね。」
「そーよねー。」
「そーそー。」
「円谷君の言う通りだわ。」

(おいおい、お世辞が過ぎるぞ、光彦。)

「じゃあ、全員揃ったことだし、そろそろ行きましょうか。」
「「「おーっ!!」」」
「ウフ、みんな元気みたいね。」
「ホント……。」

と、出かけようとしたその時、

「あっ、蘭ちゃーん。」
「「ん?」」

呼び声に反応して振り向く蘭と園子。

「えへへ……。久しぶりやね、蘭ちゃんに園子ちゃん。」
「あっ!か、和葉ちゃん!!」

(ゲッ!!何で和葉ちゃんが!?って事は………。)

「よー、くど……やのーて、コナンのボーズ、久しぶりやなぁ。」

(や、やっぱり………。)

呆れて右手で顔を覆うコナンを横目に哀は思った。

(ウフフ……。どうやら今日は退屈せずにすみそうね。)



  ☆☆☆



つもる話をかわす蘭や和葉、園子を後目に、平次と会話する少年探偵団の面々。

「よう、久しぶりやなあ、ボーズ達。」
「はっ、はい、平次師匠!」
「こんにちは、平次お兄さん、和葉お姉さん。」
「こんちわー。」
「あっ、そうや。なあ、ねーちゃん。あんた等どっか行くみたいやったけど、何処行くんや?」
「あ、そうそう。これから園子やこの子達と一緒に新宿の方にお買い物に。あっ、そうだ!良かったら、服部君や和葉ちゃんも一緒に行かない?」
「えっ、ホンマにええんか!?」
「ええ。大勢の方が楽しいし。」
「その話、オレも乗ったで!」
「じゃあ、まずは大きな荷物、事務所に置いて来なよ。それまで待ってるから。」
「すまんな、ねーちゃん。」
「蘭ちゃんに園子ちゃん、ホンマおおきに。」




「と、いうわけで、改めて出発しましょう。」

との呼びかけに対し、

「「「「「「おーっ!」」」」」」

元気に応える平次と和葉、園子に探偵団。

「ハハハ……、ホント、元気な奴ら。」
「あら、元気な事はいい事よ。」
「はいはい。」


  ☆☆☆



午前10時15分、新宿………。



「ふわあ……、おせーなー、青子の奴……。」

快斗は、青子との待ち合わせの場所、新宿高島屋タイムズスクエアの正面玄関の前にいた。

「つったく、人を誘っときながら、肝心の本人が遅刻するなんて。何考えてんだ、あいつは。」



  ☆☆☆



同じ頃、TR東日本新宿駅新南口では……。



「あっ、あれが新宿高島屋タイムズスクエアじゃないですか?」
「うわあー、でっかーい。」
「こいつぁすげーやァ!!」
「ホンマにすごいなァー!!」
「でしょ?」

蘭達一行は、今回の目的地に到着した。
それから、やや離れた所にコナン、哀、そして平次がいた。

「つったく……。何で俺が買い物に付き合わきゃなんねーんだよ。こーゆー日は家でゆっくりとしたいのによ。」
「あら、あなた今日は阿笠博士の所に行くんじゃなかったのかしら?」
「ほー、そーやったんかいな?」
「おい、あんましツッコむなよ、お前ら。」
「あらあら。でもたまにはいいじゃないの、工藤君。少しは事件を忘れて息抜きするのも大切よ。」
「そうやで、工藤。このねーちゃんのゆー通りや。」
「お前らなあ……。あ、でも灰原。お前が自分からこんなのに参加するなんて、ホントーに珍しいよな。こりゃ何かとんでもねー事が起きるかもしんねーな、きっと。」
「ま、あなたって結構失礼な人なのね。それじゃまるで私が息抜きしちゃいけないみたいじゃない。」
「べっ、別にそーゆーつもりじゃ……。」
「工藤、お前ホンマに失礼なやっちゃなー。女性の扱いっちゅーもんがぜんぜん解っとらんやんか。」

(なっ……!?おっ、お前が言うな、お前が!!)

顔がひきつるコナン。

「それに……。」
「それに、何だ、灰原?」
「例の薬の解毒法がまだ見つからなくて、ちょっぴりブルーになってたしね。」
「「!」」

途端に顔が引き締まるコナンと平次。

実はコナン達は、つい数週間前に例の黒ずくめの組織を滅ぼして、APTX4869を手に入れていたのだが、肝心の解毒法が見つからずに苦慮していたのだ。

「と言う訳で、黙って買い物につき合う事ね。じゃ、工藤君、お先にー。」
「お、おい!ちょっと待てよ、灰原!!」

大急ぎで後を追うコナン。
これを横目で見ていた平次は、心の中で呟いた。

(はー、ホンマに難儀なこっちゃなあ……。)

同情する平次。
しかしその一方で、

(あの灰原のねーちゃん、なんか工藤に気ぃある様に見えるけど、オレの勘違いやったらえーんやけど……。それにアイツは蘭ねーちゃんの事しか頭にあらへんから、一体どないなるんやろ?)

いらん勘繰りをする平次であった……。



  ☆☆☆



「青子のやろー、いったいいつになったら……、ん?」

何かに気付く快斗。

「あっ、あいつやっと来やがった。オーイ、青子ー。こっちだァーっ!」


「ん?今私に……、あっ!?」

蘭が何かに気付いた様だ。

「どしたの、蘭ちゃん?」
「あ、あれ……。」
「え?」
「何々?」

和葉と園子は蘭が指さした方向を見た。

「おーい、早くこーい!」

「え……?」
「く、工藤君……?」
「新一君……!?」

蘭を呼ぶ少年を見て驚く三人。

「どないしたんや、和葉?」
「あっ、平次!ちょっとアレ!!」
「ん?何や?」
「何だろ、一体?」
「何かしらね、江戸川君?」

「おーい!」

(な……?あ、あいつは……!?)

驚がくの表情を見せるコナン。

(うそ……!?)
(ん、んなアホな……!?工藤が二人……!?)

同様に驚く哀と平次。
そして更に、

(し、新一……?)

と、コナンとその少年――快斗を交互に見る蘭。

「どしたの、コナン君?」
「何かあったんですか?」
「灰原もどーしちまったんだ!?」

コナンと蘭、哀の態度の変化に戸惑う三人。


この出会いが、彼らに新たなる冒険の道を開く事になろうとは、この時点では誰も思わなかった。




to be continued…….






 Vol.2「出会いと予兆」に続く。