BLACK
By 茶会幽亮様
第12話 THE DUEL__(後半編)
南東側のフロア、スプリッツァーvs黒羽快斗・・・ すでに一触即発の状態だった。両者は左右の古びた壁の影に隠れ、チャンスを窺っていた。 スプリッツァー「(クソッ、すばしこい奴め。)」 スプリッツァーは先ほど、快斗の後ろを取ることが出来たのだが素早い動きでなかなか弾が当たらず、以前の状態に戻ってしまっていたのだ。 快斗「ふぅ〜、間一髪・・・助かったぜ。」 快斗は額から出てきた冷や汗を拭いた。 快斗「(そういえば、スコット捜査官って・・・。)」 ジョニー達が公園に行っている間、快斗達は小田切が組織を追っている理由・つまりスコット捜査官について聞いていたのだ。その時に見せてもらった写真にスプリッツァーが若干似ていたのだ。 快斗「(わざとやっているのか・・・、あるいは・・・。)」 快斗はこう推測した。 組織に潜入したスコット捜査官だったが、そこで志保のように記憶操作されたのではないか、と。仮にそうだとすれば、彼が裁判にかけられれば本来は死刑は確実だが、元々の組織に入った理由や後の不慮の事故、つまり強制的な記憶操作をさせられたので減刑の余地はある。 快斗「(・・・だとすると、・・・やっぱあれしかないか・・・。)」 快斗は壁からスプリッツァーの方を向いた。が、そこには奴の顔はなかった。驚いた快斗はあたりを見回すが...どこにもいない。 だが次の瞬間... スプリッツァー「悪いが、ここらでゲームセットだ。」
バーン!!
銃声が一発放たれた後に一人が倒れた。 少し後に、上からスプリッツァーがロープで降りてきた。 倒れた人間は頭に銃弾を受けており、どうやら即死のようだ。 スプリッツァーはその人間の脈を確認した。10年以上にわたって暗殺業をやってきたためか、いつしかこんな癖までついてしまっていたのだろう。 案の定、脈はなかった。 だが次の瞬間、その人間から突然煙が出てきた。 スプリッツァー「!!?な、なんだ!?」 その光景を見てスプリッツァーは後ろへたじろいだ。 すると...スプリッツァーは自分の頭に何か棒状の物が当たったことに気づいた。 後ろには...なんと、頭を撃たれていたはずの快斗がいた。 快斗「商売柄、こういうことは慣れてるんで...。」 快斗がそういった瞬間!!!
バーン!!!
快斗の空気銃が火を噴いた。スプリッツァーは30メートルほど吹っ飛んだ。 快斗「とはいっても、もう足は洗いましたけどね。」 一体どうして快斗はスプリッツァーにばれることなく隠れることが出来たのだろうか?? 実は、快斗は撃たれる直前に人形とすり替え、サッとスプリッツァーの後ろに隠れていたのだ。快斗の天性のマジシャンだからこそできることである。
快斗は銃をしまい、スプリッツァーに駆け寄った。 いや、そこにはもう『スプリッツァー』という男は存在しなかった。 ??「うぅ、私は...。」 快斗「あなたはスコット・クロスフォードさんですか??」 快斗はその男に尋ねた。 スコット「...そうだが、ここは???」 やはり快斗の推測どおりだった。 快斗「それよりまず話さなくてはいけないことがあります。」 快斗はスコットに、自分が知っているスコットについてのことを話し始めた。
北西側のフロア、キュラソーvs白馬探・・・ 激しい白兵戦が続いていた。 探はキュラソーの猛攻にただ避けたりするばかりだった。 キュラソー「ふふっ、さっきは威勢良く突っ込んできたのにそんな程度?」 探「クッ!!」 完璧に劣勢だった。徐々に探は壁に近づき、そして背中が壁についてしまった。 キュラソー「これでお終いよ。」 キュラソーは剣で突いて来た。間一髪探は避けられた。だがその瞬間、剣から電流が壁から放たれた。壁には剣が刺さった跡とこげた跡がついていた。 探はその光景を呆然と見ていた。 キュラソー「じきにあんたもこうなるのよ?楽しみにしてなさい。」 キュラソーは薄ら笑みを浮かべた。 しかし...探まで笑っていた。 キュラソー「??死ぬことに怖気づいちゃった???」 探「いえ、あなたが本当におかしくね。」 この言葉にキュラソーは呆れかえっていた。 キュラソー「何それ??あなたこそおかしくなったんじゃない???死ぬ前に笑っている人なんて今まで見たことがないわよ。」 探「ええ、そうかもしれませんね。」 探がそう言った瞬間...探が突然消えた。 キュラソー「えっ!?」 キュラソーは慌てて、あたりを見回した。すると、出口の方に歩いていく探を見つけた。 キュラソー「なんだ、ただの見掛け倒しみたいね。覚悟しなさい!!!」 キュラソーは探の方へ突っ込んでいった。だが... 探「僕は見掛け倒しなことはしませんよ。」 探が微笑むとキュラソーが持っていた剣が突然、縦に真っ二つに割れた。 キュラソー「な、なん・・・で...。」 そして、キュラソーは前に倒れこんだ。 探「少し眠っていてください。直にお迎えが来ますよ。」 探はそう言うと、出口の方へ歩いていった。
西側のフロア、ウォッカvs京極真・・・ 両者は3,4メートルほど間隔を開けて立っていた。 ウォッカ「今のうちに逃げたほうが良いんじゃねーか?」 真「逃げるなら最初からここには来ませんよ。それに・・・僕は貴方達みたいな人は放っておけない性質なんで。」 ウォッカ「ケッ、なめやがって。」 ウォッカは拳銃からマシンガンに持ち替えた。 ウォッカ「こいつで蜂の巣にしてやるぜ!!」 ウォッカは引き金を引いた。ものすごいスピードで銃弾が真のほうへ飛んだ。だが・・・ 真「無駄です・・・。」 真はサッと弾を避けた。 ウォッカ「な、何!?」 ウォッカは驚愕した。今までに銃弾をいとも簡単に避けつづける人間など見たことがなかったからだ。 真「(このヘッドバンド、かなり使えますね・・・)」 次々に飛んでくる銃弾を避けながら真は呟いていた。 なんと、真には飛んでくる弾が止まって見えていたのだ。 徐々に真とウォッカの距離は近づいていた。そして・・・ 真は銃弾から少し横にずれるとすぐにウォッカの後ろへついた。 ウォッカ「なっ!?」 そして・・・ 真「ふんっ!!!」 真の渾身の飛び回し蹴りがウォッカの後頭部に直撃し、ウォッカは2,3メートル吹っ飛んだ。 真「悪く思わないでくださいよ。」 真はそういい残し、その場を後にした。
南側のフロア、ビフィーターvs工藤新一・・・ ビフィーター「工藤新一と言ったな。俺は選択肢にないことを言い出す奴が大嫌いなんでな・・・。そんなうわ言を言わずにさっさとどっちか選んじまえな。」 ビフィーターは持っていたタバコを口に含んだ。 新一「・・・んだと!?俺は嘘も冗談も言ってねー!!!『生きて、蘭を助ける』それが俺の答えだ!!!」 新一はビフィーターを真っ直ぐに見ながら、いや...睨みながら答えた。 ビフィーターはそんなことに動じず、頭をくしゃくしゃにしてこう言った。 ビフィーター「やれやれ、ここまで馬鹿な奴だとはな・・・。まぁいい、俺を見てきた奴は全員死んでいったからな。てめぇもすぐ楽にしてやるよ!!!」 新一「返り討ちにしてやらぁ!!!」 2人は互いの方へ突っ込んでいった。
その頃、舞台の廃工場前では... ジョニーに溝内を受けて気絶していた志保が目を覚ました。 志保「うぅ。...わ、私は...。」 志保は持っていた腕時計を見た。時刻はすでに9時を回っていた。 志保「...とにかく行かなきゃ。...うっ!!!」 志保は立ち上がろうとしたが、腹に激痛が走った。ジョニーの溝内がまだ残っていたのだろう。しかし、なんとか立ち上がって工場のほうへ歩いていった。 志保「ダメよ、ジョニーさん。彼には...勝てないわ。」
果たして、志保の言葉の意味とは......???
第13話に続く
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