その2 服部家の場合。
「平次、何やねんな?こんな処にあたしを連れ込んで?!(ま、まさかとは思うけどアタシを襲う気なんやろか?)」
平次もまた酔っ払った両親の追求を逃れ会場の片隅に和葉を連れ込んでいた…。
「和葉はイヤやないんか?あんな酔っ払いを相手にするんは?」
「酔っ払いって…、平次のお父ちゃんとお母ちゃんやん…。」
「せやけど、今の2人は単なる酔っ払いやで?」
「せやな…。」
この時、しばしの沈黙が2人を支配した…。
そして、その沈黙を破ったのは平次であった…。
「和葉、済まんけど暫らく一人にさせてくれへんか?」
「平次…?!」
「和葉…、お前のオカンがお前のオヤジを迎えに行ってしもうたのは知っとる…。せやから今、お前を一人にさせたら、又オヤジとオカンから色々言われるやろ…。それでも俺は今一人になりたいねん…。」
和葉ですらみた事の無い程落ち込んだ平次を見て。和葉はある決意をした。
「平次、アタシの胸で良かったら幾等でも貸したるさかい、泣いたらエエやん…。(工藤君にまた負けたんがホンマに悔しかったんやな…。)」
「アホ、そんな格好悪い事出来るかい…。」
「今更何格好つけてんねん。」
そう言われた平次は少しむっとした顔になり、和葉の両手首を掴んで抱きしめた。
そうなると和葉は当然真っ赤になり、うろたえた。
「へ、平次!!」(/////)
「暴れんなや。幾等お前が如何言おうとも、恥ずかしい事に変りはないんや。ちょお耳塞がせてもらうで。」
そう言って平次は和葉の頭を自分の胸に押し当て、掴んだ両手を強引に彼女の耳に押し当てさせた。
だが、彼女は如何しても平次の叫びを聞きたいと言う誘惑に負け、こっそりと唯一自由に動く手(手首から先)を動かし聞き耳を立てた。
平次はその事に全く気付かないまま話を続けた。
「和葉にこんな事聴かれたらホンマに恥ずかしいからな…。」
(へ、平次?!ま、まさかホンマに告白ぅ?!?!?!)(←ちょっと期待している)
その時、平次は大きく深呼吸すると、おもむろに…、
「工藤ぉ!!快ぃ!!何時か必ずお前等を超えたるさかいなぁ!!!!」
と叫んだ。
なお、それを聞いた和葉が完全に脱力し、それを見た平次が“ん?和葉、どないしたんや?”と言ったのは言うまでも無いだろう…。
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