―――おまけ―――
ふと蘭は、前に感じた疑問を思い出し、訊いてみる。
「ねえ新一。新一は私とそのう、え、エッチしたいって思う事はないの?」
新一は思いっきりコーヒーを吹き出してむせた。
真っ赤になって怒鳴る。
「ららららら蘭、いきなり何を!」
「だって新一、そういったそぶり見せたことないし」
新一は下を向いて額に手をあて、はあと大きな溜め息をついた。
「蘭。おめー、そのつもりがあんのかよ」
「ば、馬鹿っ、そんなわけないでしょっ。た、ただ、私、そのう、魅力ないのかな、と思って」
最初は怒鳴り声だったのが、語尾が小さくなっていく。
新一はもう一度、更に深い溜め息をついた。
「蘭。おめーに、男の生理をわかれったって、無理なのはわかるけどよ。この年の男で、好きな女を抱きたくねー奴なんて、まず居ないぜ」
「・・・新一も、そうなの?」
「ったりめーだろ!ったく、こっちは必死で我慢してるっていうのによ」
「えー、だって、そんな風には見えないんだもん」
「バーロ。ちょっとでもそんなそぶりを見せたら、すぐ体を硬くする奴が、何を言うか」
蘭は今までの事を思い返す。
よーく考えてみると、流石に鈍い蘭でも、いくつも心当たりがあるような気がする。
「抱きたいって気持ちは、愛情に比例するけどな。大切にしたいって気持ちも、あるんだって事、わかれよ。まだおめー、その気になれねーだろ。おめーのために、待ってるんだからよ。求めないからって、愛情がないとか、魅力を感じてないとか、勘ぐるんじゃねーよ」
「新一・・・」
「まあ、できれば、高校卒業までは、我慢しようという気持ちもあるんだけどよ」
最近、ちょっと自信ねーな、と苦笑いしながら呟く。
蘭は嬉しくなって、新一にとびついた。
上目遣いで、新一を見上げながら言う。
「新一。大好きっ」
「だあああっ。だからっ、頼むからそんな目で見るなあ!その気がねーなら、俺の理性を焼ききるんじゃねえっっ!」
新一くんが、この先はたしてどこまで我慢できたかは、皆様の想像にお任せします。
本当にFin.
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後書き
とりあえず、新一くんのお誕生日記念に書いてみたお話です。
おっかしいなあ。
何でこんなに長くなってしまったんだろう。
何て事はない中身なのに。
台詞とモノローグがどんどん増えていく。
おまけに蘭ちゃんが予定と違う行動をとるし。
何とか予定通りのラストに収まったときは、心の底からほっとしました。
私が1番大好きな2人ですが、書くのはとても難しかったです。
3人称の蘭ちゃん視点。
なのに、蘭ちゃんの気持ちの動きが今いち掴めず、苦労しました。
新一くん視点は、敢えて書いてないのですが、無防備で自覚のない蘭ちゃん相手に苦悩していた筈です。
そこら辺は、はたしてうまく伝わったでしょうか。
おまけがなければ、少しはロマンチックな終わり方になった(多分)のに。
でも、どうしても書きたかったのは、実はおまけの部分という(ヲイ)
この話にお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
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