C-K Generations Alpha to Ωmega
By 東海帝皇(制作協力 ドミ)
第一部 勇者誕生編
Vol.2 出会いと予兆
「おーい青子ーっ、早くこっちに来…い……え゛!?」
女性達に向かって手を振っていた快斗であったが、その女性の傍らにいる少年達を見たとき、急に手を振るのを止めて、更に青ざめた。
(ゲッ!?あ、あの子よく見たら、毛利蘭じゃねーか!しかも江戸川コナン、いや、工藤新一まで一緒だなんて!?おまけに服部平次や鈴木園子まで居やがる!!くーっ!!よりによって、とんでもねー奴らと出会うなんて……!!)
今日の運勢の悪さを嘆く快斗であった。
が、その直後、それに輪をかける事態が!!
「あっ、いたいた。快斗ーっ。」
そこへ、快斗に向かって呼びかける少女――本物の青子の声が。
「あ、青子!」
「いやー、遅くなってごめんね。今しがた風吹ちゃんに会って色々と話をしてたもんで。」
「え、風吹と?」
「やあ、お早うでござる、快斗殿。」
ショートヘアで背が青子よりも高い少女が快斗に挨拶した。
「その呼び名はやめろっつーんだよ。」
「まあ、良いではござらんか。拙者達は友達なんでござるから。」
「ちょっと待て。俺はオメーの友達になった覚えなんてねーぞ。」
「いやいや、拙者は青子殿の友達でござるから、そのボーイフレンドの快斗殿も拙者の友達でござるよ。」
「何じゃそりゃ……。」
あきれる快斗。
「……ねえ、蘭。あの子、あんたに似てない?」
園子は、新一似の少年――快斗と話をする少女――青子を指し示す。
「そう言えばよう似とるねえ。」
和葉も、蘭と青子を見比べる。
「けどあの二人、どっかで見た事あるような……。」
じっと快斗達を見る蘭。
その傍らでコナンは、
(おいおい、ジョーダンじゃねーぞ。朝っぱらから怪盗キッドとご対面なんて、今日はどういう日なんだよ……。)
心の中であきれ返っていた。
<なおコナンは、対黒尽くめの組織戦の際に、キッドの正体が快斗だと言う事を知ったのだが、これについても数多くの語り部達が語っているので、ここでは触れない。>
その時、
「ん?」
風吹がコナン達に気付いて、彼等の方を見た。
「なあ、快斗殿。あっちで拙者達を見ている娘、何だか青子殿に似てはござらんか?」
「え?」
風吹に言われて青子は、蘭達の方を見た。
「あれ〜〜〜?そう言われて見れば確かに……。」
青子は遠巻きに蘭を見つめた。
「ああ、あの子は『眠りの小五郎』こと毛利小五郎探偵の娘で蘭って言うんだ。」
「おお、あの女子高校空手チャンピオンの!」
納得したように手をぽんと叩く風吹。
「え?じゃあ、その隣にいる男の子って、お父さんが言ってたあの少年探偵の江戸川コナン君?」
「と言う事は、怪盗キッドの好敵手でござるな。」
(その言い方もやめろってーの……!)
心の中で毒づく快斗。
その時、
「青子、ちょっと挨拶してくるね。」
青子がコナン達のもとへと駆け出した。
「あっ、ちょっと待てよ!」
快斗も後に続く。
「あ、どうも初めまして。」
青子は蘭に近づくなり、ぺこりと挨拶を交わした。
「あ、あのー、あなたは?」
「私、警視庁捜査二課の中森銀三警部の娘の青子といいます。」
「え!?あの中森警部の娘さん!?」
驚く園子。
「はい。」
「そして、彼の名は黒羽快斗。うちの高校のマジックの天才でござるよ。」
風吹が紹介する。
「いやあ、別にそれほどでも……。」
謙遜する快斗。
「んー、何か黒羽君と青子ちゃんの二人って、新一君と蘭の姿を見てるようだわ。」
「そうやねえ。」
「けど、よう見ると、さすがにちょっと違うけどなあ。」
と平次。
そこへ、
「なあ、あんた達が言ってる工藤って、もしかしてあの高校生探偵の工藤新一の事か?」
快斗が尋ねる。
「それ以外誰がおんねや?」
「こら、平次!初対面の人にいきなりタメ口はないやろ!」
注意する和葉。
「あ、そうそう。アタシは改方学園2年の遠山和葉。で、コイツは……。」
「知ってるぜ。西の名探偵の服部平次だろ?」
「ほう、オレのことを知っとるとは、光栄やな。」
「そりゃそーさ。あの工藤新一に次ぐ名探偵だって評判だからな。」
「な゛っ、ちょ、ちょい待てえ!その言い方は聞き捨てならんで!何でオレが工藤に『次ぐ』なんや!?工藤『以上』とまでは言わんが、工藤と『同じくらい』の名探偵や!!」
エキサイトする平次。
その時、
スコーーーーン!
「ぶふっっ!」
和葉が平次に拳骨を一発。
「何そないな事でムキになってんねや……。」
「うぷぷぷ……。」
和葉の鉄拳で地に伏す平次。
「ハハハハ、アホだねー……。」
コナンもあきれ返っていた。
☆☆☆
「まあ、それにしても……。」
快斗は、蘭と青子を見比べ始めた。
「ちょっと快斗!あんた何やってんのよ!?」
「いやー、顔が同じでも、蘭ちゃんの方がお前よりも大人の色香を漂わせて………。」
ぶわきっ!!
「ぶふあっ!?」
青子、快斗に鉄拳制裁!!
「あんたって、ホントーにスケベねっ!!しかもいきなり『蘭ちゃん』だなんて、なれなれしいにも程があるわよっ!!」
(こいつ、ホントにロクでもねー奴だな。###)
怒筋をおっ立てるコナン。
「ごめんね、蘭ちゃん。快斗がこんなケダモノで。」
「誰がケダモノじゃい、誰が!?」
「あんた。」
「く〜〜〜っ!!」
「まーまー。」
二人を宥める蘭。
「しかし、黒羽君って、ホンマ工藤君そっくりやけど、品性に関しちゃ、天と地程の差やな。」
「ぐさっっ!!」
「まあ、黒羽君には悪いけど、確かに和葉ちゃんのいうとおり…………だったかしら?」
突然何かを思い出したような表情になる蘭。
「ら、蘭姉ちゃん?」
コナンもまた、何かを思い出したようにあせりだす。
「あーーーっ、そういえば新一、露天風呂で私の裸を見たわね!!?」
「いいっ!!?」
蘭の絶叫に驚くコナン。
「え゛っ、新一君がそんな事を!?」
「ホンマかいな、それ!?」
驚愕する園子と和葉。
「あの工藤さんがそんな事を!?」
「うそー、信じられない!!」
「?」
少年探偵団も何やら信じられないような顔つきになる。
「そっ、それに一緒に寝たりもしたし、あとそれから……。」
「らっ、蘭ねえちゃん、そっそっそれは……。」
蘭の言葉にますます慌てふためくコナン。
「し、新一君たら、いくら蘭以外の女性に興味がないからって、そんなに手が早かったとは……。」
「何か幻滅やわー。」
呆れる園子と和葉。
「ほーっ、それは初耳だなあ。」
「うっそーーーっっ。」
「これは意外でござるな……。」
にやける快斗に、驚く青子と風吹。
これに対し、
「そ、そ、そんな事無いよ。新一兄ちゃん、かなりマジメな人だよ。ホントに。」
必死に弁明するコナンだが、
「あら、そうかしら……?」
「う゛……。」
蘭に強烈なジト目で見られてたじろぐコナン。
「ほー、それは意外やったなあ。」
「あなたってそう言う人だったのね。」
と言って、これまたジト目でコナンを見る平次と哀。
「お、お前ら……。」
「まあ平次も、黒羽君や工藤君程やあらへんけど、ちょっとスケベなとこがあるなあ。」
「ぶっ!!!!な、な、なんつー事ゆーんじゃ、お前は!?」
「だって、真っ白い実話やん。」
「ちゃーう!!オレは断じて工藤のよーな超ドスケベやあらへーん!!」
(こっ、こいつは……!)
こめかみをぴくつかせるコナン。
「あーゆー大人にだけはなりたくないわね、元太君、光彦君……。」
「ホントだな……。」
「同感です……。」
少し離れた所から、呆れた顔つきで快斗や平次達を見る少年探偵団の三人であった……。
その時、
「あら、蘭ちゃんに園子。」
「「え?」」
と呼びかけられた二人は、声がした方を向いた。
「やあ、おはよ。」
長い鹿毛色の髪の、プロポーション抜群の少女が二人に挨拶をした。
「んっ、アイツは!?」
「あら、舞ちゃん!」
「まあ、舞!」
「こんなトコで二人に会えるなんて奇遇ね。お買い物にでも来たの?」
「ええ、コナン君達と一緒に。」
「舞は?」
「私?私は王子様とデートする為にここに。」
「王子様?」
「デート!?」
「そ。」
と、そこへ、
「ほう、それは偶然でござるなあ、舞殿。」
「え゛っ、ふ、風吹さん!?」
風吹が舞に話しかけてきて、彼女が驚いた。
「な、何で風吹さんもここに!?」
「決まってるではござらんか。拙者も主(あるじ)殿と『でえと』をする為でござるよ。」
「デ、デート〜〜〜〜〜っっっ!!?」
風吹の話を聞いて、絶叫する舞。
「なあ、蘭ちゃん。あの髪の長い子、一体誰や?」
「彼女は私達の同級生で、焔野舞って言うの。実家である迦具土(かぐつち)大社の神子さんなの。」
「ほーっ、神子さんとは随分変わっとるなあ。」
「んで、あの子と話しているのが、俺達のクラスメートの雪野風吹。白馬の父方の親戚で、伊賀忍者でもあるんだ。」
解説する快斗。
「えっ、白馬君のいとこって事は、あの白馬警視総監のご親戚!?」
「しかも伊賀忍者って、何それ!?」
「そう言えばあの人、語尾に『ござる』って、やけに古風な話し方をしてるけど。」
とコナン。
「まあ、育ちが育ちなだけにしょうがねーけどな。」
「青子達の学校でもああいったしゃべり方をするんだけど、授業態度がとてもまじめなんで、先生達は別に誰も咎めないんだよね。」
「しかも、それをそしる生徒達には影で密かに何かやってるって『噂』もあるとかで、生徒達もそれについては何もいわねーのさ。」
「おいおい……。」
「まあそれにしても、『王子様』とか、『主殿』とか、あの二人の相手って、間違いなく同じ相手やろな。」
「まず間違いないわね。」
園子の目が興味深そうにキュピーンと光った。
「しっかし、あれだけの美人の心をつかむ男って、一体何モンなんや……ん!?」
平次は、何かに気付いたような顔をした。
「どしたん、平次?」
「なあ、和葉。あいつ、東京のどこ行く言うてた?」
「あいつって?」
「御剣の事や。」
「ああ、スミレちゃんね。あの子、新宿で『ダーリン』とデートするって言って…………ちょ、ちょい待ちいや、平次。」
「ん、どうしたの、和葉ちゃん?」
「い、いやあ、アタシ達のクラスメートも一緒にこの東京に来たってなあ。」
「そいつがこの新宿でデートする言うてたんやけど。」
「え゛っ、も、もしかして、その子のデートの相手って……。」
と青子が言った時、
「あ!へーたんに和葉ちゃーん!!」
平次と和葉を元気に呼ぶ声が。
「あちゃー……。」
思わず頭を抱える平次。
「ん!?」
二人に近寄ってきた菫が、舞と風吹の姿を認めた時、
「あら、舞ちゃんに風吹はんやないの。こないなトコでどーしたん?」
「そういう菫ちゃんもどうしたの?」
「ウチ?ウチはこれからダーリンとデートに。」
「え゛ーーーーーっっっ!!?」
絶叫する舞。
「おやおや、これまた偶然でござるなあ。実は拙者等も主殿と『でえと』に。」
「え゛?」
風吹の一言に凍りつく菫。
「な、何やそれーーーーーっっっ!!?そないな話、聞いとらへんで!!!?」
「それはこっちの台詞よ!大体王子様と最初にデートする約束をしたのは私なんだから!」
「いやいや、それは拙者に先約が……。」
「それはちゃうで!先にデートの約束をしたのはウチや!」
エキサイトして、口論を始める三人。
「おいおい、知らんぞ俺は……。」
「同じく……。」
「下手にこないなのに突っ込んだら、命がなんぼあっても足らへんわ……。」
思いっきり呆れるコナンと快斗、平次。
「あ、そう言えば、あの和葉ちゃんの同級生と言う子、誰?」
「あいつの名は御剣菫。オレ等と同じ改方学園2年生や。」
「そして、アタシ等の学校が誇る、女子剣道界最強の剣士や。」
「へー、一見するとそんな風には見えねーけどな。」
「何か青子達と同じ女子高生って感じがするね。」
「普段のあいつはいつもああやけど、剣を構えた途端に目つきがモロに変わるねん。」
「ハハハ、それも何だか凄そうだな……。」
「それにね、スミレちゃんのお父ちゃん、大阪府警の生活安全部の部長さんなんよ。」
「それって、和葉ちゃんのお父さんと同格って事じゃない。」
「かなり凄いトコの娘さんなのね。」
改めて菫を見る一同。
「それにしても、あの三人とトリプルデートをしようとした人って、一体どんな人なのかしら?」
との蘭の疑問に対して、
「少なくともロクな人じゃなさそうね。」
と答える哀。
「けど、一体どうやって収拾をつけるのかしら?」
「こればかりはアタシ等でもどーにもならへんなあ。」
匙を投げる和葉。
その時、
ピッピッピッ!(×3)
「「「え?」」」
口論をしていた三人のケータイに、メールの着信音が鳴り響く。
「何かしら?」
「誰でござろう……。」
「何やろ?」
口論をやめて、同時にケータイを取り出す三人。
「まあ、王子様からだわ!」
「主殿でござったか。」
「ダーリンからメールなんて、どーしたんやろ?」
一斉にメールチェックを入れる三人。
直後、
ずーーーーーーーーーーーーん…………。(×3)
「あの三人、メールを見た途端重くなったみたいだけど……。」
「何があったんや?」
「あの様子だと、相当ショッキングな内容のようだな。」
コナン達がケータイを持ったまま沈んでいる三人を見ていた時、突然三人が、
「ふえ〜〜〜〜ん、蘭ちゃ〜〜〜ん、園子〜〜〜〜っ!!!」
「青子殿に快斗殿〜〜〜〜っっ!!!」
「和葉ちゃ〜〜〜ん、へ〜〜た〜〜ん〜〜〜!!!」
泣きながら駆け寄ってきた。
「ななっ、ど、どうしたの、舞ちゃん!?」
「これ見て、これ!」
血相を変えて蘭にスマホを見せる舞。
それに続くかのように、紅葉や菫もケータイを開く。
「何々、『今日は大変な事態が起きたので、会合はキャンセルする。本当に御免。 Byゴールデンイーグル』だって。」
と舞宛のメールを読む園子。
「風吹のも同じ文だな。」
「御剣のもや。」
「へー、舞ちゃん達の彼氏って、ゴールデンイーグルって言うのね。」
「まあ、本名やない事だけは確かやね。」
「あうう〜〜〜っ、デートがキャンセルになっちゃったよ〜〜〜〜っっ。」
「せっかくお洒落をしたのが無駄になったでござるぅ〜〜〜。」
「バス代がパーになってもーたあ〜〜〜〜っっ。」
嘆きまくる舞、風吹、菫。
そこへコナンが一言。
「けど、メールを見た限りじゃ、『会合』って書いてあって、『デート』とは何処にも書いてないけど。」
「「「ぴしっっ……!!」」」
コナンに自分達の幻想を思いっきり突かれた三人は、ショックで石化してしまう。
「江戸川君って、意外と残酷なのね。」
「まあ、あんなの今に始まった事やないけどな。」
「そーそー。ホントは判ってても、そう夢見ていたい乙女心を打ち砕くなんて、相変わらず無粋な奴だなあ。」
との快斗の一言に、
「黒羽君って、コナン君の事良く知ってるのね。どっかであった事があるの?」
蘭が聞く。
「えっ、い、いや、その、あの……。(ハハハ、コイツには色んなトコであってるからなあ……。)」
慌てふためく快斗。
「それにしても江戸川君たら、こんな時ぐらいは真実を追究しなくったっていいのに。」
と哀が突っ込む。
「全くやで。」
相槌を入れる平次。
「オイオイ……。」
「あうう〜〜〜〜っっ。」
コナンの一言で止めを刺されて立ち直る気配がない舞に対して、蘭が、
「あっ、そうだ!ねえ、舞ちゃん。もし良かったら、気晴らしに私達と高島屋に一緒に行かない?」
と誘いをかける。
「あ、それいいわね。どう、舞?」
「蘭ちゃん、園子……。」
「風吹ちゃんも青子達と一緒に行こうよ。ね、快斗?」
「ああ、いいぜ。」
「青子殿、快斗殿……。」
「スミレちゃんも、な?」
「そやで、御剣。嫌な事はパーッと忘れてまえ。」
「和葉ちゃん、へーたん……。」
「コナン君達もいいよね?」
「うん、いいよ。」
「あたしも。」
「俺も。」
「僕もいいですよ。」
「私も。」
「じゃあ、そういう訳で、みんな行きましょうか。」
「「「「「「「「「「「おーっ!!」」」」」」」」」」」
「ハハハ………。もう立ち直ってやがる……。」
呆れた顔で舞達を見るコナン。
「クスッ。」
このコナンの様子を見た哀もかすかに微笑む。
☆☆☆
午後三時……。
「んあーっ、芝生の上で横になるっちゅーのはホンマにエエもんやなあーっ。」
「でしょでしょ?」
コナン達一行は、買い物を済ませた後、快斗や青子に案内されて、新宿駅の東にある新宿御苑にいた。
「しかし、新宿とゆーたら、ビルがいっぱい立ち並ぶコンクリートジャングルやと思うとったら、こないに木々が多いトコもあるんやねえ。」
「まあ、さすがに今は冬やから、青々としているとは言えへんけどねー。」
「正に都会のオアシスね。」
「そうだね、蘭姉ちゃん。」
「やっぱそう思うか?」
「いやあ、やっぱり芝生の上はいいですね。」
「何か気持ちいー。」
「部屋の床とは違う雰囲気だぜ。」
思い思いに寛ぐ一同。
「まあ、それにしても、元気になって良かったわね、舞ちゃん。」
「いやいや、これも蘭ちゃん達のお陰よ。」
「そうでござるな。」
「やはり和葉ちゃんが普段から言うてた通り、蘭ちゃんって素敵な娘やねー。」
「そやろ?」
「全く、褒める事ばかりやのーて、自分も少しは蘭ねーちゃんの事を見習うたらどや?」
と平次が言った途端、
ぶぁきっっっっ!!
「ほぶっっっ!」
和葉の裏拳が平次に炸裂!
「何か言うたか……?」
怒筋をおっ立てる和葉。
「あーあー、へーたんたら相変わらずやねえ。」
「全く、工藤よりも遥かにデリカシーがねえ奴だな。」
「ちょ、ちょい待てえ、黒羽!それどーゆー意味や!?」
起き上がって抗議する平次。
「どーゆーもこーゆーも、俺は真実を言ったまでだぜ。」
「なっ、何が真実や!?オレは……。」
平次が言いかけた時、
ドゴーーーン!
「え?」
突然天より何かが落ちてきたような轟音と振動を感じたコナン達は、その方向を向いた。
すると、
「ブウォォォォン……。」
爆煙の中から何か目が光るようなのが見え、
「グルルルルルル……。」
不気味な唸り声が聞こえだした。
「な、何あれ……?」
「あの煙の中に何かいるの?」
不安になりだす青子と園子。
菫はその爆煙を見て、ロングケースから、何かを取り出した。
そして、
「へーたん、和葉ちゃん、この場から離れて……!」
と二人に言いながら、ロングケースから取り出した物――真剣の日本刀を構えた。
同時に舞も、
「蘭ちゃんに園子、ここは危険よ……!」
と言いながら身構えた。
更に風吹も、
「快斗殿に青子殿、下がるでござる……!」
二人をかばう様に立ちながら、ショルダーバックから懐剣のようなものを取り出して、身構えた。
「な、何だよ、一体……!」
「あの煙の中に何が……!?」
快斗とコナンが思った時、
ブワッッッッ……!
突風が吹き出し、その煙を吹き飛ばしていった。
その瞬間、
「グルルルルル……。」
「シャキッ!シャキッッ!!」
「フゥゥゥゥゥゥ……!」
巨大な一本角を持った大型のサイのような怪物と、全身花びらのような巨大なカマキリ、そして、大きな斧を構えたミノタウロスのようなモンスターが姿を現した。
to be continued…….
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