BLACK



By 茶会幽亮様



第11話 THE DUEL__(前半編)



北側のフロア、キャンティvsジョニー・ランバーソン・・・
すでに遠距離での一方的な銃撃戦となっていた。ジョニーは部屋の東側の隅に隠れ、キャンティは部屋の真ん中でライフルを乱射していた。
キャンティ「アハハハハ!!!出てきな、蜂の巣にしてやるよ!!!」
ジョニー「チッ!!!あれ、マジで狙撃手(スナイパー)か!?なんつうやりかただよ、全く!!」
ジョニーは銃を撃つチャンスを窺っていた。しかし、いっこうに弾の嵐は治まらなかった。
だが少しすると、銃弾の雨は止んだ。ジョニーが壁から片目で見てみるとキャンティは弾の補充に戸惑っていた。
キャンティ「ったく!!なんでこいつは弾を入れるのに時間がかかるんだよ!!!」
ジョニー「(よし、やってみるか・・・。)」
するとジョニーは突然キャンティの方へ突進していった。キャンティはすぐに気付き、すかさず左足につけた銃入れから小型銃を取り出し、ジョニーに向けた。
キャンティ「キャハハハハ、敵の隙を突こうとしたのは良かったけど、アタシはそんなに甘くはないんだよ!!!」
ジョニー「チッ!!」
瞬間、ジョニーはすぐに近くにあった木箱の影に隠れた。
キャンティ「ハッ!!それがあんたの最後の抵抗かい!?ざまあないね!!!」
キャンティは弾の補充を終えたライフルを木箱に向けて、連射を始めた。

ババババババババババババババ!!!!

フロア内に銃声が響いた。
キャンティは木箱が蜂の巣になっていくのを見てライフルの引き金を引くのをやめた。
キャンティ「さて、結構なイケメン君が蜂の巣になっているのを拝ませてもらいましょうか?」
そしてその木箱の後ろに行ってみると・・・
キャンティ「・・・なっ、どこに行った!?」
ジョニーの姿はおろか、血痕さえも残っていなかった。
キャンティは慌てて辺りを見回したが彼の姿は何処にもいなかった。
すると・・・
ジョニー「Good night,baby.」
キャンティ「!!!?」
キャンティは慌てて後ろに振り返ったが・・・時既に遅し。腹部を撃たれた。
キャンティは撃たれた直後、気を失った。
ジョニーはさきほど木箱の影に隠れていたのに、なぜ無傷でキャンティの後ろにつけたのだろうか?
実はジョニーは木箱の影に隠れたあと、その箱がジョニーの方から開けられることに気付きその中に入った。幸いなことにキャンティの方には鋼鉄版が貼り付けられており、ジョニーは無傷で助かったのである。そして、キャンティがこっちに近づいて調べようとした時、入口を閉めて鉄板の方から抜け出し彼女の後ろに立ったのである。
ジョニー「(やれやれ・・・志保の奴、なんつう劇薬を作ったんだよ?)」
ちなみにキャンティに撃った弾は志保の特製弾だった。ジョニーはその威力を確かめるために使ってみたのだが・・・あまりの効き目の早さに唖然としてしまった。
気を取り直したジョニーはマグナムをしまい、フロアを去っていこうとした際、一言。
ジョニー「あいにくだが、俺は悪運が強いんでな。」
そう言って平次がいる東側へ走り去っていった。


東側のフロア、バーボンvs服部平次・・・
こちらは二人が間合いを取り、剣道の試合をしているかのような展開になっていた。
両者はなかなか動かなかった。瞬きも呼吸も、何もかもが止まっていた。
平次「(この勝負...、先に動いた方が負ける。)」
平次はスタンガン性の日本刀を構えながら、思った。
すると、バーボンが先に前に出た。
バーボンは大きな日本刀を縦に振り下ろした!!が、平次は間一髪、左に避けた。
そして、隙が出来たバーボンに向かって一気に刀を振り下ろした。見事にバーボンの左肩に当たり、そこから一気に電流が発せられた。
ところが....
バーボン「どうした?そんなんでおしまいか?」
平次「なっ、なんやて!?」
バーボンの言葉に平次は驚きを隠せなかった。そして、一旦後ろへ退いた。
平次「ウソやろ!?電流にびくともせんやて!!?」
バーボン「ハッハッハッハ、俺にそんな小細工は通用しねーんだよ。」
平次「クッ!!!」
バーボン「俺もずいぶんとなめられたもんだな。覚悟しな!!!」
バーボンはすぐにまた、突進していった。
平次はそれを避けるか、守ることしか出来なかった。
だが、完全に避けきれるというわけではなかった。時間が経つに従い、平次の体のあちこちに傷が出来ていた。
そして、平時に疲労が見え始めた時・・・
バーボン「クソッたれが!!!」
バーボンは思いっきり刀を下から振り上げ、平次の持っていた刀を遠くへ飛ばした。平次も飛ばされ、壁にぶつかった。
平次「ハァ、ハァ、ハァ...。」
壁に激突した平次は、息が絶え絶えとしていた。
だが、満身創痍の平次にバーボンは容赦しなかった。
バーボン「こいつでとどめを刺してやる。」
バーボンは刀を振り上げ、一気に平次に振り下ろした。
平次「(すまん、和葉。約束・・・果たせん・・・で。)」
平次は諦めて、目を閉じた。

バーン!!!
聞きなれない音が平次の耳に入った。平次はもう一度目を開けた。
目の前にはバーボンがいた。しかし、全く動かない。そして、平次の右側に倒れた。
平次は突然倒れたバーボンに呆然としていたが、ふと見ると前にジョニーがマグナムを構えているのに気が付いた。
平次「ジョニーはん!!」
ジョニー「よう、無事で何よりだ。」
ジョニーは右の銃ポケットにマグナムをしまった。
平次「まさか、あのデッカイおっちゃんは・・・。」
ジョニー「違う違う、今のは志保からぶんどった麻酔弾だよ。奴を良く見てみな。」
そう言われて、平次はバーボンに寄った。バーボンは撃たれた肩から少量の血は出ていたものの、完全に眠っていた。
平次「た、確かに。」
しかし、銃声もそうだがその後すぐに奴は倒れたので、とんでもない効力なんだと平次は思った。
ジョニー「それより、お前大丈夫か?かなり傷ついてるじゃねーか。」
平次「へっ?ああ、心配あらへん。それより姉ちゃんの方が危ない。」
ジョニー「うむ、急ごう。」
ジョニーと平次は新一達がいる南の方へ走り去っていった。


戦局  
新一連合軍VS組織残党軍
6対4


第12話へ続く




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