コナンZERO



By トモ様



〜平次編・ACT2〜



「それにしても平ちゃん、えらい目に遭いましたなぁ」

大滝ハンが心配して東尻署まで来てくれた。
俺はあの爆発で全身スリ傷だらけ・・・まあ名誉の負傷っちゅうワケや♪

「それで平ちゃんが電話ボックスで見た怪しい男の特徴は解りますか?」
「あっそれやったらアタシも見てたし解んで」

和葉が隣からしゃしゃり出てきた。

「ごっついずうたいしっとって全身黒ずくめ服着てたで」

ったく、そんな証言小学生でも出来るわ。
俺はため息をつき和葉の証言を補足した。

「その男は自分の事をテキーラってゆうとったけど外見は日本人、しかも関西弁をしゃべっとった・・・顔は帽子を深く被ってたから詳しゅーは見えんかったけど髭を生やしとったんは見えたで」

大滝ハンは俺の証言をメモしてる。

俺はテキーラと名乗っていた男の事を思い出してみた。
真昼間の公園で爆弾を使い、人を殺そうなんてええ根性しとるのぉ。

俺が物思いにふけっていると、殺されかけた女から事情を聞いていた坂田ハンがやってきた。

「坂田ハン、あの女から何か聞けたか?」
「あきませんわ平次君、あの女、知らんの一点張りですわ」

坂田ハンは両手を上げてお手上げのポーズをしとる。

「そやけど坂田、自分の名前ぐらいはしゃべったやろ?」
「ハァ、名前は七瀬尚子、東京在住で大阪には旅行で来たってゆうてますが、何か胡散臭いですね」
「なぁ坂田ハン、俺もその女に話し聞きたいんやけど」
「ええ、かまいませんが」

俺は坂田ハンと取調室に向った。




俺が取調室に入ると七瀬尚子は訝しげに俺を見た。

「ちょっと!どうしてこの高校生がここに入って来るのよ!」

尚子は俺を指差して文句ゆうとる・・・命の恩人に対して失礼なやっちゃ。

「彼は高校生探偵で有名な・・・」
「え?じゃあこの子が有名な・・・」

坂田ハンの話しを途中で遮った尚子は俺の方を見て目を輝かせてる。

ふっ俺も有名になったもんや♪

「・・・高校生探偵の工藤新一なの?」

ムカ!!

「アホゆうな!俺をあんな奴と一緒にすな!!俺は西の高校生探偵、服部平次や!!」

全く!どいつもこいつも工藤工藤って・・・こうなったらいつか工藤に会いに行ってどっちが優秀な探偵か白黒つけに行ったるで!!

「なんだ、違うのか・・・考えてみたら工藤新一は今頃、私の父と会ってる筈だもんね」

ん?工藤と会ってるやと・・・しゃーない、腹立つけどここは・・・

「いや、実は俺と工藤は西の服部、東の工藤とゆわれとって仲もええんやで」

俺がでまかせをゆうたら尚子は信頼したのか話しを始めた
・・・せやけど工藤新一のネームバリューの大きさには納得いかん!!



「あっ平次、どないやった?」

取調室から俺と坂田ハンが出たら和葉が状況を聞いてきよった。

「あっああ・・・まあ俺の弁舌に掛かれば、どないな奴でもしゃべってくれるに決まっとるやないか」

強がりをゆうてる俺の横で坂田ハンは笑いを堪えてる・・・坂田ハンには工藤の事は黙っといてもらうように頼んだ・・・屈辱や!

「それで平ちゃん、何か聞けたんか?」
「ああ、七瀬尚子は父親で東都大の教授、七瀬教授に頼まれて知り合いの人にある物を受け取る為に、あの現場で待ち合わせをしてたって話しや」
「知り合いの人やて?」
「知ってるのはその人がゲームのシステムエンジニアをしとるっちゅうだけで名前までは知らんそうや」
「それやったら東都大の七瀬教授に聞けばその人の事が分かりますね」
「よし!坂田、その教授を探して事情を聞くんや!一応、警視庁に連絡して身柄を確保してもらえ」

なんかおもろなってきたやないか。

俺はこの事件の裏に何か大きな陰謀があるのを感じていた。



to be continued…….



平次編・ACT1に戻る。  平次編・ACT3に続く。