the fateful day



by 月代奈哉様



〜1〜



「ふへぇー疲れたぁ」

放課後マヌケな声を出すのはここ帝丹学園の副生徒会長、黒羽快斗だ。そんな副会長に工藤新一生徒会長と言えば・・・

「ふぁぁぁぁー」

大きな欠伸。折角のイケ面が台無しである。まぁ、快斗と反応はあまり変わらないが。

「しっかりせいや。これから生徒会の仕事があるやろ?」

しっかりした事を言っているのは書記兼会計の服部平次だが、彼もかなり眠そうだ。

「あーそうだったなぁ。向かいの雪華と初顔合わせだったけ?」

雪華とは向かいに建つ女子高校、雪華学園の事。

「そうや。かわええ娘おるかなぁ?」
「居るだろ、そりゃ。現に生徒会は美人ばっからしいぜ。」

鼻の下を伸ばして話す(!?)

「ホンマか?うわぁ俺も行きとうなって来た。」
「えっ?平は行かないのか?新一、本当なのか?」
「何か行きたく無いらしいぜ。」
「せっこー。でも行くよなぁ?」

強制的だ。

「も、勿論やって。」



  ☆☆☆



雪華学園・・・


「初めまして。帝丹学園、生徒会長の工藤です。」
「副会長の黒羽です。宜しく。」
「書記兼会計の、服部や。よろしゅうな。」

3人が笑顔で挨拶。向こうも・・・

「あ、雪華学園の生徒会長の毛利蘭です。宜しくお願いします。」
「副生徒会長の中森青子です。宜しくお願いします。」
「書記の遠山和葉です。よろしゅう。」
「会計の鈴木園子です。宜しくお願いしまぁす。」

なんか、引っ掛かるがまぁ良しとしよう。

「じゃぁ本題に入りますね。来月の学園祭ですが、各クラスで模擬店をやるとして、他はどうしますか?何やりたいですか?」
「うちの吹奏楽部にコンサートをやらせたいのですが、うちの学校は体育館と講堂はクラスが使用するので場所をお借りしたいのですが・・・」

蘭が言った。

「なら、うちの講堂を使えば良いと思います。どうぞ。」

ったく生徒会長のフェミニストぶりは凄いねぇ。

「雪華に、数人派遣して手伝わせた方が良いですね。」
「あ、お願いします。いつも大変なんですよ。」
「劇とかを合同でやってみたらええんやない?」
「そうだな。クラスの数は?」
「全学年7クラスです。A〜Gで。」
「同じだな。これで一応終わりです。」
「明日は無いので、今度は、明後日に。」







翌日・・・



「なぁ、昨日引っ掛かってた事思い出したよ。」
「何だよ?」

少々機嫌の悪い新一に笑いながら、快斗は答えた。

「新一とあっちの生徒会長の蘭ちゃん、同じペンダントしてたよ。」
「なんや、そんな事かい。俺は、快と、中森ハンが同じブレスレットしとるなぁと思うたで。」
「それなら、服部と遠山さんは対のピアスしてたろ?」

どうやら何かを皆、見つけたようだ。

「ま、まずは工藤から説明してや。」
「あれは偶然だろ?いろんなトコで売ってるしよ。」

だが本当は違うのだ。新一のペンダントはこの世にたった2つしか無い特注品なのだ。先にエメラルドがちりばめられた、リングが付いている。
幼い頃、好きだった子に新一がプレゼントした物だ。(優作に出世払いでツケがあった。もう返したが。)先の彫刻(ハート型)は2つになっていて、合うのは1つだけ。。

「快はどうなん?」
「俺も偶然さ。別に同じブレスレットなんてよくある話だろ?」

だが快斗も本当は違う。元々器用だった快斗はチェーンとプレートを使い、ブレスレットを2つ作った。黒と青の対を。プレートはハート型だったのを2つに分け、それぞれ付けたのだった。ピッタリ合うのは1つ。多分あれは、本物だろう。。

「平はどうなんだ?」
「あ、あれは・・・俺があげたんや。幼なじみにな。」

フッと遠い目をした。

「じゃぁ、遠山さんが?幼なじみなのか?」
「そうや。」



to be countinued…….




 〜2〜に続く。