the fateful day



by 月代奈哉様



〜2〜



「え、えぇぇぇー」

快斗の叫び声が学園中に響き渡った。

「うるさい。静かにしてろ。そんなに驚くことじゃねーだろ。」

新一は冷静に突っ込みをいれた。
帝丹学園はこんな事になっていたが、雪華学園はどうなっているのか?
話し合った翌日・・・

「昨日さ、蘭ちゃんと工藤君、同じペンダントしてたよねー。」

急に青子が言い出した。

「それなら、青子ちゃんと黒羽君、同じブレスレットしてたでしょ?和葉ちゃんと服部君は対のピアスしてたわね。」

一気に園子が言った。相変わらず凄い観察眼だ。

「えっ・・・青子ちゃん、本当?」
「うん。何でなのかなぁって思ったんだ。」

蘭は少しずつ話し始めた。

「このペンダントはね、小さい頃に男の子に貰ったものなの。」







12年前、6歳の時だ。


『ほんとにいっちゃうの?』

泣きながら尋ねる蘭に男の子は答えた。

『いつかきっと、戻って来るさ。』
『いつかっていつ?』
『それは、分からない。けど、これ・・・』
例のペンダントだ。
『えっ、これ・・・』
『また会った時の目印。いつも付けとけよな。』

そう言って彼は両親と共にアメリカへと旅立った。







「へぇー。見せて。」
「良いよ。」

はいと渡されたペンダント。

「な、何これ・・・エメラルド・・・?」
「うん。本物なんだって。」
「え、えぇぇぇー」

そりゃ、驚くだろう。なんてったって、本物のエメラルドなんだから。

「こ、これって6歳の時でしょ?お金は?」
「それが問題なのよねぇ。分からないのよ。」
「分からないって蘭。大事な事でしょーが。」

当たり前だ。エメラルドって言ったらかなり高価だもんねぇ。

「私だって思ったよ?凄く高価な物だなぁって。でその子の親に言ったの。」

『私には貰えません。』
『良いのよ。蘭ちゃんが持っててね。うちの馬鹿息子にまた会えた時の目印よ。』

「普通はそうならないでしょ。」
「うーん。そうだよねー。」
「でも、工藤君がさぁ、ペンダントを付けてるなら、その時の男の子が工藤君ってコトよねぇ。」
あ・・・
「だ、だね。」

しばらく悩んでいたが、次だ。

「青子ちゃんは?」
「あ、青子はねぇ・・・。」







やはり、12年前、6歳の時である。


『〇〇〇(名前)だけでも、のこれないの?』
『あぁ。ゴメンな。代わりにさ、コレやるからさ。』

片割れ、青の方だ。

『俺がもう片方の黒を持ってる。本当は藍色が良かったんだけど、無くて。』
『ありがとう。だいじにするね。』

ニッコリと笑顔で言った。

『このプレートは、2つになっていて、合うのはたった1つなんだ。それが会った時の目印な。』

そして彼は両親と共にフランスへと旅立った。







「なんか、2人の聞いてると、ドラマ見てるみたいだわ。」
「そう?」
「青子ちゃんの方が、現実味あるわね。」
「せやね。エメラルドは無いもんね。てか、なんでエメラルドなん?」

和葉の疑問だ。

「誕生石だからかな?5月の。」
「なるほどね。」
「青子ちゃんは大体分かったから、和葉ちゃんは?」
「うちのは、平次にもろうたんよ。」
「平次って服部君!?」
「そうや。うちら、幼なじみやねん。昨日は気付かんフリしてたん。」
「そ、そうなんだ。」

どちらも、やっと説明が終わった。

会議の日・・・つまり、翌日。場所は、帝丹学園の生徒会室。
園子と、和葉、平次は校内で色々指示を出すため、欠席。

「うちの方では雪華に行く人が10人、決まりました。今日から、学園祭前日まではずっと学園祭の用意になりますので、呼んでくだされば向かわせます。」
「えっと、どちらに連絡すれば・・・?」

チャンス到来。

「あ、なら・・・」

2人は、さらさらと紙に携番とメアドを書き出した。そして、新一は蘭に、快斗は青子に渡した。

「あ、じゃぁ。」

蘭と青子もそれぞれ書き出し、渡す。

「(ラッキー♪)」新&快



to be countinued…….




〜1〜に戻る。  〜3〜に続く。