Side-C



By ドミ



大阪の探偵と、東京・毛利邸居候の子供との、携帯での会話。


『まあ、何にしろ良かったやんか。姉ちゃん達にばれんで済んで』

「ああ。服部にも世話になったな」

『ところで。ちっこい姉ちゃんから聞いたで、工藤』

「は?何の話だ?」

『お前、姉ちゃんの手を握ったまま離さんと着替える為に、服を切ってしまいよった、ちゅう事をや』

「(げ!忘れてた!)は、服部!すまん!」

『べ〜つに〜、怒ってへんで〜?工藤との旅行や思うて、せっかく新調した服を、全部ダメにされたから言うて、ちい〜〜とも、怒ってへんで?』

「(怒ってんじゃねえかよ)あ、あのさ、服部。切っちまった服の方はともかく、一部は、オレのせいじゃねえと思うんだけどな」

『せやな。血まみれになってもうた方は、ホンマもんの工藤や思うて、面倒見てもうたオレの責任やな。確かに、工藤の所為やあらへんな〜〜』

「だーっ!わーった、その内、埋め合わせはすっからっ!」

『そん言葉、工藤の事やからどうせ忘れてまうやろ思うけど、まあ一応受け取っとくで。おおきに』


   ☆☆☆


「あの坊主、風邪はもう良いのか?」
「うん。先に帰って博士のとこで休ませてもらって、治ったみたいだね」
「それにしても、ガキの癖に、誰と電話してんだ?」
「服部君とだよ。風邪で先に帰ったコナン君の事、心配して電話掛けてきたみたい。コナン君、何のかんの言って、服部君にも新一にも、可愛がってもらってるみたいだね」


コナンが、長電話している隣の茶の間では、この家の主である毛利小五郎と娘の蘭が、ほのぼのとした(?)会話を交わしていた。



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オマケ・蘭の疑惑


「それにしても、服部君って、わたしの知らない間に、新一と随分仲良くなったんだね」

「そ、そうだね。やっぱり、探偵同士、気が合うんじゃない?」

「ねえ、コナン君。服部君って、新一の事で、絶対隠してる事あるよね?」

「え?何で?(ぎくっ!フォローした筈なのに蘭のヤツ、また疑ってんのか?)」

「だって、新一が厄介な事件に拘わって姿を消した後、3回姿を表したんだけど。その度に、いつも必ず、服部君がいるのよ!
こんな偶然、絶対あり得ないわ!コナン君も、そう思わない!?」

「そ、そう言えば、確かにそうだね。あははは(げ!確かに言われてみれば!でも、本当に本当に偶然なんだけど・・・、う〜〜ん。何をどう言ったら、納得するかな、蘭のヤツ?)」



終わり





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