(その3)




同日、警視庁捜査一課…。



「はぁ…。」

美和子もまた朝からため息ばかりついていた…。
それに気付いた高木が話し掛けた。

「佐藤さん、如何したんです?こんな朝っぱらからため息なんかついて…?」
「ため息もつきたくなるわよ、高木君。こんなイベントなのに私達は2課の応援で会場周辺の警備だったんだし…。」
「し、しかたありませんよ。あの日は怪盗キッドの予告日でもあったんだし…。」
「だけどねぇ、家の母さんが嘆いていたのよ…。“幾等刑事だからってイベントの相手すら見つけられないの?!”って…、その後延々と愚痴られたのよ?!」
「そ、それは大変でしたね…。」
「はぁ、やっぱ母さんが言ってた通り只のイベントなんだから適当な相手を見つけて取り敢えず体裁を繕っていたら良かったわ…。そう思わない?高木君。」

高木はそう言う美和子に対して乾いた笑いでしか答える事が出来なかった…。

彼女は知らない…、彼女のイベントの相手役を巡って捜査一課はもちろん、警視庁や近隣にある警察署の(もちろん独身男性の)署員による水面下での激しい攻防が繰り広げられていた事を…。
もちろん、高木もその凄まじい攻めぎ合いの渦中に巻き込まれ相当な圧力を受けていた事を…。

だが、あまりも互いに牽制しすぎた為に誰一人イベントの相手役を名乗り出る者が無くなり、結局捜査2課の応援要請を受ける形で美和子共々会場周辺の警備に駆り出されたのだ。


なお、その話を聞いた由美が、

「鈍感過ぎるのも、ある意味罪よね…。」

と言い、その由美から話を聞いた新一が、

「お前等、もっと力入れなきゃいけねー事が有るだろーが!!」

と愚痴った事を付け加えておこう…。