回想、蘭を初めて抱いた日の夜…。
新一は蘭を初めて抱いた興奮で寝付けなくなっていた。
その傍らには、安らかな表情で眠りについている蘭の姿があった。
優しげな表情で蘭自慢の長くて黒い髪を弄る新一…。
その時、ふと何者かのけはいをさっして緊張した面持ちで振り向く新一。
そこには、真っ黒なフードを被った男とも女とも判らない人物が佇んでいた。
その人物を思いっきり睨みつけながら話しかける新一…。
「何所の誰か知らねーが、良い度胸してるじゃねーか…。こんなに堂々と覗きをしてる奴は始めて見たぜ。」
だが、その人物はその新一の睨みを全く無視して答えた。
「我はそんな事に興味は無い…。」
「ケッ!だったら何しに来たんだよ?盗みか?」
「違う…。我等のモノを取り戻しに来たのだ。」
「我等のモノ…?」
そう言って、その人物は蘭に近寄ろうとした。
だが、それよりも前に新一が右ストレートでその人物を殴り飛ばした。
そして、これ以上は無いと言いきれるぐらい凶悪な表情でその人物を睨みつけながら叫んだ。
「てめぇ!何が我等のモノだ?!蘭は俺のなんだよ!!」
だが、その人物は先ほどのパンチのダメージが全く無かったかの様に起きあがり、さらに蘭に近寄ろうとした。
その行為に新一はぶち切れ、その人物を下着姿のままボコボコにした。
その人物は最初こそダメージを受けて無いかの様に余裕の表情で(新一はそう思った)殴られ続けていたが、完全に頭に来た新一が蘭の練習で覚えた空手技を駆使してさらにボコボコにするとさすがに怯え始めた。
「き、貴様何者だ?人の子の分際で我をここまで追い込むとは…?!」
「工藤新一、只の探偵だよ。」
暗黒の破壊神でさえ恐れるぐらいの凶悪なオーラを噴出しながら答える新一…。
そして、新一はその人物の胸倉を掴むと尋問(拷問とも言う)を始めた。
「てめぇこそ、一体何所の誰だ?何で蘭を連れ去ろうとする?!」
「わ、我は定めによって動いているだけだ。」
「ふざけんじゃねーぞ…。俺は今猛烈に頭に来てんだからな…。マジでぶっ殺すぞ、テメー…。」
「ほ、本当だ。この娘は本来生きてこの世に産まれる事すら叶わぬ定めであったのだ。」
「何訳の判らねー事言ってんだ?だったら何で今蘭が生きているんだよ?」
「そ、それは貴様がその娘を助けたからだ。その代償として貴様が娘を手に入れるまで貴様にありとあらゆる死の匂いと試練を与えたのだ。」
「はぁ?!死の匂いと試練だぁ?!」
「そうだ。貴様も知っている筈だ…。一時期その姿を失い、無力な子供としてその娘を守った事がある事を…。」
「何…?!」
「そしてその時、行く先々で殺人事件に巻き込まれ、疫病神が憑いているとまで言われた事を…。」
「それで?」
「その試練を乗り越え、貴様はその娘を手にしたのだ。だからこそ我はその娘を迎えに来たのだ。」
その言葉に新一はやれやれと言った感じで頭を振った。
それをその人物は諦めと取って蘭に近寄ろうとした。
だが、それを新一が阻んだ。
「何でオメーがコナンの一件を知ってるのか知らねーが、そんな与太話を信じるとでも思ったか?」
「だ、だが事実なのだ。」
「ほーっ…。だったら、どうやってその産まれる前にオメーらに連れ去られそうになった蘭を助けられたんだ?」
「そ、それは…。」
その後、その人物からやり方を聞き出し、過去の世界の英理を助ける事になる…。
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