angel達の楽園
by 月代奈哉様
〜20〜
「招いた覚えないのですが・・・」
そう言われた本人は、さほど気にした様子もなく、中に入れてくれ、と気安く話しかけてきた。
『そんなかたい事良いじゃないの。私と工藤君の仲でしょう?』
「・・・どんな仲ですか。俺、貴方の事赤の他人としか思わないんですが」
と新一が言い放った時、
ガチャッ
「あら、開いてるじゃない。不用心よ?」
「勝手に入って来るなんて非常識にも程があるんじゃないんですか?」
新一が言葉を発するより早く本館のメイドが言う。もうスーツ姿であるが。
「あ・・・ゴメンなさい」
「会長、良いんですかー?」
社員達もやって来た。面倒臭くなったのか新一は、決断を任せて戻った。
「招待客じゃねぇから、お前等の好きにしろ」
「あの姉ちゃん美人なのに追い返す気だぜ」
「しょうがないですよ。招待されてないみたいですし・・・」
「新一お兄さんのタイプじゃないしねー」
「やかましいっ!」
歩美の一言は決して嘘では無い為、あまり強くは言えなかった。
「兄貴、図星だからって当たんなよ」
ギロッ
「・・・すみませんでした・・・」
一睨みであっさり引いてしまった朔也。ここで引いておかないと後々やっかいなのだ。
ピンポーン♪
カチャッ
『鈴木財閥でーす!!』
新一が取るのと同時に叫んだようである。無言で切って、門を開く。玄関扉を開くのは、勿論蘭だ。
「園子、皆さんいらっしゃい」
『遠慮なくお邪魔させて頂きまーす!』
社員達があがっていく。毎年の事だ。互いの家でのパーティー又は、打ち上げの時には本社員も招待する事になっているのだ。
「ようこそ。真兄久しぶり〜」
「お久しぶりです、優貴さん」
軽く挨拶をした後、中に入った。
「おー鈴木財閥御一行の到着かー。って鈴木さんの席ねぇ!!」
「ちょっと空けてー」
これで4カップルの席確保。
ピリリ・・・
「はい、工藤です」
『あ、私よ。これから伺わせてもらいたいんだけど、雨降ってきちゃって・・・悪いんだけど、来てくれないかしら?』
電話は、英理だった。
「分かりました。人数は・・・?」
『8人よ』
「あ、はい。では、少々お待ち下さい」
新一が電話を切ると東都メンバーが凝視していた。不審に思い問うと、
「お前が敬語で電話してんの初めて見たんだけど」
との事。工藤の社員なら気にする事なく指示をだすだけ。だから、初めてだったのだ。
「色々あるんだよ。服部、快斗。遠山さんと中森さんも多分来るぜ」
「「えぇ!?」」
新一の一言で2人は、慌てだす。義父に会うのだから、当然だが。
「ま、大丈夫じゃねぇ?石原、鍵。そういえば、お前引継ぎやったのか?」
「あ!!まだだった。帰るまでにやっとくよ」
引継ぎとは、会長付きの話。第一秘書(蘭)が休む時は、会長付き(石原)が第二秘書となるが、両方が来れないとなると第三秘書へ引継ぎとなるのである。
「分かった」
新一が石原から鍵を受け取って出て行くと蘭が追い掛ける。
「傘忘れないでよ?はい。これ持ってて」
「え?俺のじゃないんだけど」
蘭が差し出したのは、普通の紺色の傘。工藤ブランドでは無いようだ。
「私のよ。新一の傘なんて殆ど無いじゃない」
「ハハハ・・・有難う。借りてくぜ」
☆☆☆
米花町5丁目 とある事務所前
「あ、おにいちゃーん」
毛利漣が新一に向かって手を振っていた。漣は、現在6歳で次期毛利家当主だ。蘭が工藤(新一)にとられてしまうと2人が確信を持ってから生まれた子なので、年がかなり離れている。
「皆様、中へどうぞ」
いくら工藤財閥でも頭の上がらないところはある。
「有難う、工藤君」
「いえ、お気になさらずに。濡れないうちに車へ入って下さい」
車は勿論、人数の関係上リムジンになるのだが、町中となるとかなり目立つ。
「ボク、となりでもいーい?」
「あぁ。構わないよ」
小さな義弟には、優しいお兄ちゃんだが、実の妹と弟には全く優しくなく怖いお兄ちゃんである。
「ありがとう!」
☆☆☆
同刻工藤邸
「工藤さん、ずっと好きでした。俺と付き合って下さい」
新一が居なくなった途端に告白ラッシュとなった。
「えっと・・・ごめんなさい」
「何で?俺なんかじゃ駄目?」
しつこく男は迫ってくる。その時、図ったのだろう、安藤が現れた。
「あ、こちらにいらっしゃったのですね。蘭様、朔菜様が探されてましたよ」
「ありがとう。朔菜ちゃん何処にいるの?」
蘭は助かったとばかりに安藤の話にのる。勿論、朔菜が呼んでいると言うのは、嘘だ。
「中にいらっしゃいますよ。この方等放っておいて構いませんから」
新一以外の男が蘭に近付くなんて許されないのである。まぁ、間にはいっておかないとあとが怖いのだが。
to be countinued…….
|