黒の組織と最後の対決
〜Reality And Unrealistic In Labyrinth〜




By 架望様



第五章 トラップ仕掛け



「キッドが組織に狙われる理由はただ一つ・・組織と同じパンドラをと言う宝石を狙っているから。組織は彼にパンドラを取られるのが嫌なんでしょうね、欲しいものがあれば、どんな手だてを使っても手に入れる。それが組織のやり方よ・・」

灰原はそう冷たく言った。
その言葉で、まだ組織の恐ろしさを分かってない人たちはさっきの言葉で改めて組織の恐ろしさを知った。

「組織のパソコンにハッキングして分かったことよ、どうやら組織は自分の手は汚さずキッドの手で盗ませてからそれを横取りする気でしょうね・・彼らの事だから・・」
「なあ、ちっこい姉ちゃん。なんでそんな詳しいことまで書いてんねん?普通パソコンに書けへんと思うんやけど・・」
「組織には、有能な人材もいれば無能な人材もいるわ。その人のパソコンにハッキングしたからね。」
「やけど・・それはデマじゃないんか?」
「Ruin・Angel〈破滅への天使〉これが私が彼に付けた標的名。組織は彼を無能な人材と思ってると思うけど、彼のハッキングと情報収集立は凄腕よ?そう・・中には組織を破滅へと導くぐらいにね・・これを見て・・」
そういって、フロッピーを取り出して大きいモニター画面へと内容を映し出した。
中に写っていたのは組織一人一人が持っている銃の種類、暗殺予定日・・そして・・怪盗キッドの正体の候補・・中身をみて一言平次が言った。

「しっかし、ようこんなに調べれたな〜ルイン・エンジェルさんは」

フロッピーを見た後から、コナンはなにやら考えているようだった。

「銃の種類が警察と同じタイプの銃か・・と言うことは至近距離でしか打てないって言う事だよな・・それに込められる銃の弾の数はせいぜい6〜7個、キッドが所有するトランプ中は、一ミリのプラスチック製・・当然キッドと奴らが同時に発砲しても途中で相打ちになるだけ・・見ただけでトランプ銃の込められる弾(カード)の数は6枚ぐらいが山か・・」
「なあ、工藤さっきから何ぶつぶつ呟いとんのや?」
「灰原、キッドが殺される日は何時だ?」
灰原は困った顔をして言った。
「分からないわ、組織はキッドが「光と闇の協奏曲」っていうビックジュエリーを狙わない限りまだ安心ね。」
「光と闇の協奏曲って言ったら、ビックジュエリーの中でも、一番黒ずんでて唯の石っころみたいなあれか?」
「ええ・・パンドラを隠した人も考えたわね。あのビックジュエリーはね、百年に一度光と闇・・つまり白と黒の光を一時間起きに放つんだけど白と黒が交代する瞬間、パンドラは光と闇に愛された乙女二人でパンドラを取り出すことができる。そう書いてあるわ」
その言葉を聞いてコナンは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「灰原・・おまえに頼みがある。APTXの解毒剤ができるのは時間はどれくらい必要だ?」
「そうね、警察の力もあるから二週間ってところかしら?それがどうしたの。」
「奇術師に魔法をかけてやるんだよ。鏡の魔法をな・・」

そう言ってコナン達は、ある大がかりなトラップを仕掛けることにした。
キッドの正体だと思われる人物に二週間いないにに「光と闇の協奏曲」を盗ませないために・・









〈まじっく快斗の世界・作戦を立ててから一週間後〉



俺が朝、登下校している時に前方から西の高校生探偵、服部平次がやってくるのが分かった。となりには彼女の遠山和葉を連れて・・

(ひゅ〜朝から見せつけてくれるね〜、探偵さん?)

彼らの声は普段から馬鹿でかくて良く、耳にはいるが今日はパンフレットらしき物を持って歩いていた。

「なあ、知っとる?平次、このテイムズ美術館にな置かれるピジョン・ブラッド(鳩の血)ってな、満月の夜に写真に写すとなんか中心に赤いもんがあんねん!」
「和葉・・それは、光の反射と違うか?それに赤い物の中に赤い物入れても分からんやろ?」
「ちっちっち!甘いな〜平次は、それがな中心の赤い物は他のと違って透明に磨きがかかっとんのや!」

そう言って、パンフレッドを平次の近くに持っていく

「この形・・赤い物体パンドラみたいやな。」
「パンドラってなんやの?平次」
「中国料理でならす、馬鹿でかい楽器や!」
「パ〜ン・銅鑼?」

あきれたように遠山さんが言った。

「相変わらず、ギャグに磨きがかかってんな〜。ピジョン・ブラッドか・・確かめてみる価値はあるな」

そういって、紙とペンを取り出すと予告状を書いて警視庁に宛てポストの中に入れた。
鞄から阿笠博士の発明「ミラー型拡大機」を取り出し、快斗がポストへ入れるのをチェックした。

「平次、第一作戦成功や。キッドはピジョン・ブラッドを狙うみたいや。」

しかし、本当に盗んでみると写真は合成だと判明し結局無駄骨を掘ってしまったキッド(黒羽快斗)だった。
その後第二・第三の作戦に引っかかり期限の二週間がとっくに過ぎていた。









江古田の屋上青子は昨日白馬に呼び出されていた。
話の内容は「キッド捕獲に協力して欲しい」という物だった。
白馬の話によると、この江古田にもキッドの盗聴器が埋め込まれていて、それを利用にてキッドに先に罠を張ろうという物だった。
(このでっち上げ話はすべて工藤新一が作った物)青子は、その作戦の巧妙さに惹かれて即OKを出し作戦に手を貸したのであった。
しかし、ここで彼女が作品に手を貸したことで大きな二人に大きな悲しみが襲ってくるとは、このときは誰も知らなかった。



  ☆☆☆



休み時間・教室にて



「青子キッド様から、お父さん所に予告状とか来てない?」
「来てないけど・・青子ね、キッドにもし宝石を見る目があるのなら盗んで欲しい物があるんだ。キッドが「光と闇の協奏曲」を盗んだら、キッドを好きになっても良いかな〜っておもって。」

ピクッ

その青子の話は快斗の耳に入ったのだった。
しかも、その話をしている青子がいつもよりも愕然とキラキラと輝いたので、盗んでみようと思ったのだった。

そっと、教室を抜け出すと屋上へ向かい愛鳩ぐるっぽーを呼んだ。
予告状を鳩に結ぶと警視庁に宛てて送った。(時間がないので)


  警視庁・中森警部様
  満月の今日 長気と短気の二人が天をあおいだ夜 希望と絶望という謎に包まれたな石を頂に  上がります  怪盗キッド




ピピピピピッ

白馬の携帯がなった。

「はい分かりました、すぐに現場に向かいます。先生、早退させていただきますがよろしいでしょうか?」

そう言って、席を立った。
そして青子に「作戦成功」の意味を込めてウィンクを送った。
それを見た黒羽は

(なんだよ白馬の奴、青子にウィンクなんか送ってさ、今日はいつもよりも派手にやってやるぜ白馬さん?)

しかし、この白馬が送ったウィンクも、唯単に作戦成功の意味を込めた物ではなかった。
黒羽に嫉妬を抱かせ仕事の時に冷静な考えを少しでも妨げようとした。
初歩的な心理トリックだった。

「黒羽君、今日する仕事で一つだけ言って置くわ・・あなた今日は長年待ち続けていた物を手に入れることができるわ。だけど、それを誰かに横取りされた時、あなたの近くにいる謎の死を遂げた者、あなたの命を助けださん。」
「はあ・・なんだよそれ?俺は何度も言ってるけどキッドじゃ、ねーぞ!」



  ☆☆☆



しかし、紅子の言った言葉が気になっていた。

謎の死を遂げた者?俺の周りだったら親父だよな・・まさか、親父が生きてるとは思えねーし・・

そんな、考えを仕事の時ぎりぎりまで持ち続けていた。
そんな考えをうち払うように、夜空に向かって言い放った。

「Lady And Gentlemen!さぁ・・ショーの始まりだ」

黒羽快斗からもう一人の顔の、かいとうキッドへと変わる言葉・・
そして、また遠くで一人の少年が呟いた。

「てめーの命を助けるのは気にくわないが、お前に一度借りがあるんでな・・どれだけ、俺の演技が通用するか・・やってみよーじゃねーか。」




to be countinued…….






あとがき

青子「ねえ、最後に出てきた人ってだ〜れ?キッドって本当に捕まるの?」
快斗「さあねぇ・・だけど、この人がいなくちゃ物語は続かないって言うほど重要人物ってことは確かだぜ?」
青子「ふーん、そうなんだ。」
快斗「作者は四話で出した講和条約は守ったし、これ以上大幅なことを書いてキャラ達にボコボコにされるのが怖いから詳しい事はいってなかったぜ?取りあえず、次回の予告やっておくか・・青子やってくれ・・」
青子「えっと、次は第五話のメインだったまじ快ワールドの裏でコナンワールドと警視庁で行われていた事をメインに書いてます。あれっ?って言う事は次は第6話じゃなくて、第五・五話なの?」
快斗「そうみたいだな・・(そう言ってアシさんが、カンペを渡す)なになに、第6話のちょびっと予告、負傷した怪盗キッドの前に現れたのは、なんと怪盗キッド?なに意味不明なことかいてんだか・・」
快斗・青子「それでは、第6話でお会いしましょう!」
                                                           第五話 終了



第四章「組織の目的」に戻る。  第五・五話「別れという犠牲」に続く。