黒の組織と最後の対決
〜Reality And Unrealistic In Labyrinth〜




By 架望様



第六章 銀の弾丸(前編)

「おかしい・・警備が薄すぎる・・中森警部と白馬の野郎何考えてんだ?」

怪盗キッド及び、黒羽快斗は警察官から逃げ切りながらずっと、その事を考えてた。

「ったく、工藤も工藤だよ。毛利探偵を眠らせて俺を捕まえる準備をしてくれりゃあいいのに、なんなんだよ。この味けのない仕事は!作者が青山剛昌じゃないからか?」

愚痴をこぼしながらかとはパラグライダーで逃げる準備をして飛び立った。
風向きも良好で逃げるのは簡単な道筋だった。
しかし・・

ババババババッ

ヘリコプターが出す大きな音と風で簡単な逃げ道がスリルにあふれる逃げ道に変わった。
だが、快斗は知らなかった。
警察とは違う他の組織が自分を抹殺しようとは・・

「やっと、面白くなってきやがったぜ!」

黒に光る警視庁のヘリコプターが出す空気の波に自分の操縦するパラグライダーが巻かれないように必死だった。
荒れ狂う大海原に立ち向かう漁師のごとく・・



  ☆☆☆



「なんだってー?!あの警視庁のヘリは偽物だとー!?」

警視庁のキッド対策本部では中森警部の絶叫がこだましていた。

「そうです。警視庁のヘリと型は同じ物ですが、色はパトカーと同じ白と黒、あるいは深緑であって、黒一色は有り得ないんですよ。」
「じゃあ・・キッドが逃げている警察のヘリは・・・」
「キッドの命を狙う・・組織の物でしょうね・・」

中森警部の後ろで白馬が言った。
しかし、表情はキッドを心配する様子もなく、むしろキッドを追いつめているヘリを獲物を狩る鷹のごとく見ていた。

「どうします?中森警部上からはあのヘリを自由に空を泳がせておきたまえ。と言われましたが」
「ぐぐぐっ・・上からの命令ならば逆らうわけには行かないだろう・・キッドお前は本当に大丈夫なんだろうな・・」

中森警部が言った最後の呟きは誰にも聞こえなかった。
その間に白馬は机に米花町の地図を広げて、誰かに電話し始めた。

「ヘリの進行方向と風向きから計算して、向かう場所は高層ビルが建ち並ぶ米花ホテルあたりかと思われます。そしてキッドの居る高さからビルの屋上へ若干の余裕をもってパラグライダーで移れる場所はたった一つ・・ラインバッハビルですね。」
「ああ、今俺はそのラインバッハビルのとなりのビルの屋上にいるぜ?白馬探偵」
「まったく、どうして貴方も彼も無茶なことをするのがお好きなんでしょうか?確かに貴方の作った計画はキッドを捕獲する確率が高いとおもわれますが、キッドが貴方に化けて我々の前に出たら、貴方が罪を被ることになるんですよ?(ただでさえ、見分けが着きにくいと言うのに・・)」

白馬はあきれ顔で携帯の先にいる相手に向かって話をしていた。
電話先ではクスクスッと笑いをかみしめた声が聞こえていた。

「キッドがもし俺に化けても、100%お前達が俺かキッドか見破ってくれるんだろう?そろそろフィナーレの時間が来たようだぜ、聞こえるか?この音」

ババババババッ

携帯先からは、けたたましいヘリの爆音が聞こえてきた。

「ええ、聞こえてますよ。せめてケガをしないように祈っておきますから」
「あれでケガしないって言う方が無理だと思うけどな・・切るぜ」

ブチッ

「さあ、黒羽君貴方に僕達探偵からのプレゼントです。受け取ってもらえますね?」

そう白馬は呟いた。



  ☆☆☆



「警察のヘリで思惑通り誘われてきたが・・これ以上行くとビルとビルの狭間に吹く上昇気流で俺様愛用のパラグライダーが破れちまう。それに時間が危ないしもうそろそろとんずらさせていただくぜ!」

バーンッ
「なに!?」

一発の銃弾が快斗の肩をかすめた、そして少しずつだがキッドの白いスーツがあふれた血を吸って真っ赤に染まっていった。

「Hi,Kid the Phantom thief・・・」
「お前はいったい誰なんだ?」

その女は強いヘリのスポットライトのせいで顔は見えなかったが、快斗は威嚇するように訪ねた。

「I'm sorry. this is top sicret・・(ごめんなさいね。これは重大な秘密なの・・)」
「Huu what's your name? a beautiful ruin goddess(よけい知りたくなったぜ、お前の名前を・・教えてくれないか?破滅の女神様)」
「Oh・・you are good pay a person a compliment.OK tell you but CN・・・(あら、お世辞を言うのが上手いのね。いいわ教えてあげる。ただしコードネームだけどね・・)」
「Thank you very much.Ruin goddess(感謝するぜ、破滅の女神)」
「Once time.My nami is Vermouth・・・OK?(一度しか言わないわ・・ベルモットよ。分かった?)」
「OK・・This is Japan.Let's speak Japanese(覚えたぜ、ここは日本だ。日本語で喋ろうぜ)」
「分かったわ、喋ってあげる。貴方の質問に一つだけ答えてあげるわ。なにがいい?」
「なぜ、俺の命を狙う?」
「あら、そんな簡単なことで良いの?それはね貴方が今持っている宝石が組織が必要とするパンドラだからよ・・その宝石を持っている貴方がじゃまなの・・」
「へぇ・・これが親父の探していたパンドラなんだな、それじゃあ余計に手放したくなくなったな。これは死んでも渡さないぜ!」

バキュンッ バキュンッ

「これでもかしら?Kid・・」

ベルモットが威嚇のために打った銃弾は快斗の腕と顔をかすめた。

「ああ、たとえ俺が死んでもだ。」
「はぁ・・・Cool-guyといいKidと言い・・日本の男は勢員あきらめが悪いのかしら?」

キッドはヘリのスポットライトが無くなったせいでベルモットの顔を初めて見た。
その顔の持ち主は以前快斗が幼いときに出会った顔だった。

「お前・・シャロン・ヴィンヤードなのか?以前親父の元に弟子として修行に来た・・」
「あら?あの人の息子が怪盗キッドの正体だったなんて驚きね。あの人には感謝してるわ・・そのおかげで私は組織の上の方まで上り詰められたのだから・・・」
「くそっ!」

快斗はトランプ銃を打ってその場から逃げようとした。しかし、懐にじゅうはなかった。

「なに?」
「私達が伊達にこんな目立つところに貴方をおびき寄せる訳がないでしょう?私達はヘリの放つ強風とビルの谷間からくる上昇気流を組織のテクロノジーを巧みに使って貴方が忍ばせてある手品のタネというタネを地面に蒔いてあげたの・・気付かなかったの?気付く分けないわよね。あの時貴方はパラグライダーの鍛冶を取るのに精一杯だったから。それにさっきの一発目の銃は言ってみれば囮・・組織暗殺用の警察の銃に込められる弾は6〜7発・・そして射程距離は30mその一発を放ったと同時に貴方の死角を狙ってサイレンサーをつけた銃でトランプ銃をたたき落としたの・・・」

クスリッ

ベルモットは不気味な笑みを浮かべた。

30m 25m 20m 15m 10m 5mとジリジリと二人の距離は縮まっていく・・

ベルモットはキッドの心臓の位置に銃を構えて銃をのトレカフを引いて引き金に指をかけた。

「そうそう、一つ教えてあげる。貴方のお父様の黒羽盗一を殺したのはこの私・・お父様の出てる番組にクリス・ヴィンヤードとして司会を務めていたから、貴方のお父様に近づくのは簡単だったわ・・そして彼が舞台に立っている時に脱出マジックに細工をしたの・・脱出できないようにね・・まさか思わなかったでしょうね・・自分の弟子に殺されるなんて。おしゃべりが過ぎたわ・・貴方を殺したらすぐに貴方のお母様も殺して家族勢員天国へおくってあげるわ。」
そう高々とベルモットは言って銀の弾丸が入った銃の引き金を、引いた。




to be countinued…….






座談会


黒羽「おいおい、俺このまま死ぬんじゃねーだろうな・・」
白馬「大丈夫ですよ。貴方は殺してもただじゃ死なないっていうタイプですから」
黒羽「ほめてんのか?それとも貶してるのか?」
白馬「誉めてあげてるんですよ。」
黒羽「ったく、作者は俺にケガさせるのが好きだな・・」
白馬「これでも、まだ軽い方ですよ。貴方ブラックスター事件で蘭さんを眠らせたでしょう?キッドとして・・」
黒羽「ぎくっ!」
白馬「僕が工藤君を捜すために帝丹高校に行ったときおもしろ半分で教えてもらったんです。もし、蘭さんに酷いことをする男が居たら彼はどうするか?と言ったら、一年の生徒はふるえて言いましたよ。失踪してもらうって」
黒羽「ぶっ殺す!じゃねぇのか?」



そのころ服部・工藤組

新一「クシュンッ」
服部「なんや?工藤風邪か?」
新一「いや・・誰かが俺の噂してるんだと思う・・多分白馬と黒羽あたりだな・・」
服部「そういえば「一年坊主に聞いたで・・蘭姉ちゃんが酷いことされたら工藤がどうするか?」
新一「お前らも人のこと言えないだろ?」
服部「まあな・・」



第五・五話「別れという犠牲」に戻る。  第六章 銀の弾丸(後編)に続く。