the fateful day



by 月代奈哉様



〜3〜



「それじゃぁ、何かご用の時は電話又はメールして下さい。」

嬉しさを堪えながら、新一が言った。

「あ、ハイッ」
「どっちに連絡しても、必ず来るので、安心して下さい。」
快斗が言った。幼なじみなのに、何故敬語を使う?
「今日は確認だけですが、他に何かありますか?」
「特には・・・」

やったとばかりに新一と快斗は目をこっそり合わせる。やっと2人になれるかもしれないのだ。

「じゃぁ手伝って欲しい事があるので毛利さんは、僕に。」
「中森さんは、俺に、ついて来て下さい。」

新一は、会長室へ快斗は、副会長室へと入って行く。その後を、慌てて蘭と青子はついて行った。(この生徒会室は広く、会議室を中心に、3部屋に別れている。会長室、副会長室、会計室だ。)



  ☆☆☆



会長室・・・


「ペンダントを見せてくれるかな。」
「あ、はい。」

蘭が外して渡す。新一は自分のと見比べながら、考えた。

「(見た目も同じ、ハートの彫刻もピッタリだな。ん?内側に何か・・・)」

“SからRへ
 I need you.”

読んだとたん、耳まで真っ赤にし座り込んでしまった。

「(な、何考えてんだよ、あのクソ親父っ)」

と言う事は、新一のにも何か・・・

“I love R.
 Shinichi”

「どうしたんですか?」
「あのさぁ、俺のコト覚えてるよな?蘭」

まだ、顔が少し赤いが真顔で言った。

「うん。覚えてるよ、新一・・・」

久しぶりに聞く響き。愛するヒトの呼ぶ声。
ニッコリと言う蘭をギュッと抱き締めて言った。

「良かった。敬語使って来るから、忘れたかと思った。」
「さ、最初は分かんなかったけど、ペンダントで分かったよ。でも、コレいくらするの?」

蘭の顔は、隠れて見えないが、耳は赤かった。

「そんなの気にしなくて良いから。ずっと持っててくれたなら、それで良いんだ、俺。」
「新一・・・」

ラヴラヴモード全開だ。

「後さ、今初めて気付いたんだけど。これ。」

リングの内側を見せた。

「えっ・・・(///)」
「多分、父さんか、母さんの悪戯だと思う。でも、俺はお前の事・・・」

行けッ告れッ

♪〜 ♪〜 ♪〜

間の悪いことに新一の携帯が鳴りだした。

「はい、工藤です。」
『あー目暮だが。』

やっぱり・・・

「あ、あの警部。これから、1ヵ月間は学園祭で大変なので、お手伝い出来ないのですが・・・」
『そうか、すまんなぁ。ではな。』
「警部って目暮警部?」
「そうだけど、何で知ってるんだ?」
「お父さんが刑事でね、目暮警部の部下なんだ。」
「へぇ〜。」
「それで?何?」
「えっ?」
とぼけるな、新一ッ
「今言い掛けたでしょ?俺はお前の事、何?」
「えーっと、・・・」

さっきまではムードがあったのたが、今はムードの欠片もありゃしない。し、か、し、

ギュッ

「蘭・・・俺はこの12年間お前の事、忘れた事無かったぜ。初めて会った時から、ずっと好きだった。その気持ちは今も変わらないぜ。」

Chu

長い長いキスだった。実に17秒間。

「わ、私もねずっと好きだったよ。(////)」
「俺と付き合ってくれるか?」
「うん。」

そう言って微笑んだ。



  ☆☆☆



副会長室・・・


「青子、忘れた?俺のコト。」
「覚えてるよ、忘れる訳無いもん。快斗。」

新一と同様に久しぶりに聞く響き。愛するヒトの呼ぶ声だ。

「ブレスレット出して。」

青子が出すと、

カチッ

プレートがくっついた。

「‘黒と青が混ざる時、永遠の藍が生まれるだろう’青子、ずっと好きだった。付き合ってくれ。」
「うん。青子も好きだよ。快斗・・・」

Chu

こっちも長く、15秒だった。




to be countinued…….




〜2〜に戻る。  〜4〜に続く。