探偵戦隊ディテクティブ・アイズ



Byドミ



第2章



(3)蹴撃(しゅうげき)の貴公子、見参!



WMOメンバーの祈りが通じたのか。
それとも、探偵戦隊隊員達を天の神が哀れと思ったか。

暫くの間、平和な日々が続いた。


そんなある日。
帝丹高校空手部で、杯戸高校空手部を招いての練習試合が行われる事になった。

「ら〜ん!!そこだ、行けえ!!」

練習試合とはいえ、体育館は大賑わいで、帝丹・杯戸双方の学生達の応援が盛り上がっていた。

蘭は応援席を振り仰ぐ。
そこには、蘭の幼馴染が二人、揃っていた。

一人は、蘭の大親友である鈴木園子。
いま一人は、今のところ「ただの幼馴染」だけれど、いつの間にか蘭にとっては、特別な異性になってしまった工藤新一。

園子は声を限りに、新一は声こそ出さないものの真剣な眼差しで、それぞれ応援してくれている。

このところ探偵戦隊の出動が立て続けで、冷や冷やしたものだが、今日は無事に試合に出られ、本当に良かったと蘭は思う。

スポーツでの戦いは、探偵戦隊のような血生臭い戦いとは全く違う。
たとえ練習試合でも、大切にして、精一杯戦おうと心に誓った。


杯戸高校の空手部員は強豪ぞろいだが、流石に都大会優勝者の蘭の敵ではなかった。
蘭は、団体戦・個人戦・共に圧勝を飾る。

試合終了後、蘭は幼馴染二人のもとに駆け寄った。
二人共に心から、蘭の健闘を讃えてくれた。

「ん?蘭、どうした?」

不意に蘭が周りをキョロキョロと見回したので、新一が尋ねてきた。

「何か・・・視線を感じたような気がして・・・」
「視線・・・?まあ多分、変な意味合いのものではねえと思うけど・・・」
「変な意味合いって?」
「あ、いや、仕事柄、悪意や殺意を持った視線には敏感になってんだけど、少なくともそんな感じは受けなかったからさ」
「へえ。どうせ杯戸高校の男子生徒の誰かが、どっかの朴念仁が気付かない蘭の魅力に一目惚れして見詰めてた視線でしょ?」

園子が新一に突っかかるように、そう言った。

最近の園子は、新一に対して妙に攻撃的である。
今日も蘭にべったりで、新一に対し敵意のある眼差しを向ける。

元々園子は、新一には妙にある意味の親しみを感じていたようで、蘭と一緒に居るといつもからかってばかりいた。
それが最近では、まるで毛を逆立てた猫のように、すっかり敵意剥き出しであった。

新一と蘭が口を開きかけたが、言葉を発するより前に、突然体育館のスピーカーから例の念仏が流れ出した。

「あ、俺ちょっとトイレ」
「あ、わ、私も」

新一と蘭は、呼び止めようとする園子を尻目に、慌てて校舎のトイレまで駆け出して行った。

「何で二人揃って、体育館のトイレじゃなくて校舎のトイレまで駆けてく訳?」

後に残された園子が、呆然として呟いた。
そして、物陰から園子をジッと見詰める視線がある事に、この時、園子は気付いていなかった。


   ☆☆☆


「オリジナル。久々の出動だな。頑張って来いよ」
「おう。オメーも、留守を頼むぜ」

「オリジ蘭ちゃん。女子の試合が終わってて良かったね」
「ありがと、コピー蘭ちゃん。後は頼むわね」
「行ってらっしゃい」

それぞれに、自分のコピーロボットと短い会話を交わして。
新一と蘭は変身装置で変身し、次元トンネルへと飛び込んで行った。


次元トンネルを新一の操縦する車で移動中に、新一は、最近気になっている事を口にした。

「なあ、蘭。俺、園子に何かしたか?」
「・・・もしかして、あの時の事、かも」
「あの時?」
「ホラ、コピー蘭ちゃんが階段から落ちた・・・」
「ああ。あれか。なら、誤解を解くのは当分無理そうだな」
「・・・だけど、冷静に考えるなら、たとえ新一が私を助けなくても、園子が怒る義理はないのよね」
「うん、まあ・・・園子としてみれば、咄嗟に助けられなかった事じゃなくて、むしろその後のフォローがなかった事の方が問題なんだろうさ。まあ仕方がねえ。当分風当たりは強いだろうけど」
「うん、そだね」

蘭としては、園子が自分を思ってくれて、それ故に新一に対し風当たりが強いのが理解出来、しかもその誤解を解く事は許されていない為に、色々とジレンマであった。
新一はこういう時、疑問に思う事はあっても気にはしない。
他人からどう見られようと、誤解されようと、どうでも良いと腹括っている節がある。

『多分・・・園子は、私が新一をどう思っているか、分かっていて・・・だから余計に、新一に対して風当たりが強いんだけど・・・でもでも、たとえ新一が私の事何とも思ってなくたって、責める筋合いないんだから・・・どうしたら良いんだろう?』

蘭が黙り込んで物思いに耽っていると、新一の左手が伸びて来て、蘭の頭をポンポンと軽く叩いた。

「オメーが気にすんなって。ま、いずれ分かって貰えるさ」

どうしていつも新一は自分の考えている事が分かってしまうのだろうと、蘭は戸惑いながらも嬉しく思う。

蘭は知らない。
新一が、肝心の部分で蘭の気持ちを推し量る事が出来ずに、悶々としている事も。
いつもクールに構えているように見える工藤新一が、幼馴染への熱い想いで、いっぱいいっぱいになっている事も。

蘭の悩みは、この後思いがけない形で解決する事になるのだが。
この時点では、蘭も新一も、それを予測すら出来ていなかった。


   ☆☆☆


「皆、揃ったようじゃの」
「このスクリーンを見てくれる?」

阿笠司令と灰原哀が、揃った六人の隊員を見回して言った。
六人は目をスクリーンの方へと転じる。

「うわわ、何やこりゃ!?」

平次が素っ頓狂な声を上げた。
スクリーンに映っているのは、Black Organizationに攫われ洗脳された人々で、相も変らぬ全身タイツ集団だが、今回のタイツは、何故か黒ではなくて迷彩色なのである。

「コホン。迷彩色の利点は何だね、諸君」
「・・・まさか、彼らはジャングルに放り込まれるのか?」
「ジャングルとはちと違うが。彼らが向かっている、と言うか、向かわされているのは、富士の樹海じゃ」
「樹海!?」
「そりゃ、えらいこっちゃ!」
「早く助けねえと!」

男性隊員がいきり立つのを見て、女性隊員達はきょとんとしていた。

「ああ、富士の樹海というのはな」
「迷い込んだら出られへん、日本のジャングルなんや」
「噂では、さ迷い歩いた末行き倒れた人の白骨死体があちこちに・・・」

快斗の言葉に、女性陣は皆悲鳴を上げた。

「おいおいおい、女の子を脅かすんじゃねえよ。オメーって結構フェミニストだって思ってたけど、意外とそんな面あるのな」

新一が呆れて言った。
快斗がむうと押し黙る。

女性一般にはフェミニストで、でも、肝心の憎からず思っている幼馴染相手には不器用で、つい意地悪してしまう、そこら辺は新一と快斗とに共通している点で、探偵戦隊の活動をしていく中で、お互いにそれを理解するようになっていた。

しかし、無論違う点もある。
新一は蘭が怖がりなのを知っていたので、その手の脅しはたとえ冗談でもやらないのだが、快斗は青子が怖がるのを見てついつい楽しんでしまう節があるのだ。
勿論、本当に青子が危ない時には、体を張ってでも助けるのだけれど。

「あそこは、地磁気が狂っているらしく、コンパスも使えねえし、無線通信も使えねえし、人間の方向感覚も狂わせちまうんだ。けどまあ・・・博士、探偵戦隊の装備には、当然GPSもあるよな?」
「あんまり装備を過信されても困るが。まあ確かに、GPS搭載されているから、お前達まで迷ってしまう心配はない。ただ、何故奴等が、タイツ集団を樹海に向かわせてるのかが分からん。集団行き倒れ死を狙うなら、こんな手の込んだ事をせんでも、他に方法がありそうなもんじゃ」
「せやな。今迄の奴らの行動見てたら、時に殺す事はあったかて、基本的に支配が目的や。何を狙っとるんか・・・」

「とにかく、探偵戦隊諸君。出動じゃ!富士の樹海に向かっているタイツ軍団を救出せよ!」

阿笠司令の一声で、それぞれ飛行艇に乗り込み、発進した。


   ☆☆☆


「クックック。例の飛行艇が三台・・・奴等、こちらの読み通り、勢揃いで樹海に向かってますぜ」

黒いスーツに黒いハット、黒眼鏡・・・全身黒尽くめの大男が、双眼鏡を覗き込みながら、傍らの男に、そう伝えた。
そちらも全身黒尽くめだが、黒眼鏡はなく長い銀髪をなびかせている。
帽子と銀髪の隙間から覗く目が、見る者をゾッと震え上がらせる冷たい光を帯びていた。

先の大男はウォッカ、冷たく鋭い眼をした長い銀髪の男はジン、双方ともBlack Organizationのメンバーである。

「フン。狙い通りだな。奴等も、もうちょっと知恵があるかと思ったが、まあ良い。計画を遂行するまでだ」
「今回の狙いは・・・東京都米花町にある、私立帝丹高校ですな」


   ☆☆☆


帝丹高校体育館にて。
男子空手部の練習試合が行われているのを、コピー蘭は園子と並んで応援席から見ていた。
コピー新一は、どこかに雲隠れしているようだ。

「ねえ、園子。最近、新一への風当たり、妙に強いけど、何で?」

コピー蘭は、試合を見ながら、園子に話を振ってみる。

「だって!蘭は、平気なの!?あいつに純情を踏み躙られて!」
「あのね園子。気持ちはとてもありがたいんだけど・・・新一と私は元々ただの幼馴染なんだし・・・もしも、もしもよ。私が新一に特別な感情を持っていたとしても、新一にはそれに応える義理はないのよ」

コピー蘭は、園子に対してそう言いながら、切ない想いで目を閉じた。

オリジナル蘭が知らない事実を、コピー蘭は知っている。
探偵戦隊の男性隊員たる条件の大きな柱の一つが、「命懸けで愛する女性がいて、その女性と共に隊員となる事」なのだ。

これには、本人の自覚は関係ない。
自覚していなくてもそのような存在がいれば良いのだ。

オリジナルには決して知らせる事のない、コピーロボット独自の情報網によると、新一と快斗は幼馴染への恋心の自覚あり、平次は自覚なしという事だった。
また、それぞれの女性隊員も男性隊員への恋心を秘めており、つまるところ、三組のカップルは、形としては恋人同士にはなっていないが、紛れもなく相思相愛なのである。

そして、コピーロボット達は、オリジナルの思考性格を忠実にコピーしてしまう。
その、恋心ですら。
そしてロボット達は、擬似人格を持つ。

『ああ。何故、私達の造物主は、ここまで忠実にコピーしてしまうように、私達をお造りになったのですか?』

オリジナルの恋心が、あくまで本人に向けてのものであるごとく、コピー達の恋心も、ひたすらオリジナルに向けられる。
だから・・・コピーロボット同士では、オリジナル同士の場合に見られるような、他者が入っていけない二人だけの世界を作る事は、土台不可能なのである。

園子が最近、新一と蘭に感じている違和感の正体もそれであろうと、コピー蘭には察しがついていた。
だからと言って、どうする事も出来ないのも、また事実なのであった。

突然、体育館の入り口で、大音響と悲鳴が響き、コピー蘭と園子は慌ててそちらを見た。

「なっ・・・!?Black Organization・・・っ!?」

そこに居たのは、黒タイツ軍団と、全身緑色の怪人。
コピー蘭は園子を後ろ手に庇うように立ちはだかった。

コピーロボットでも、オリジナルと同等の戦闘能力は持っている。
それは、人間相手ではロボット三原則がある為に使えないが、怪人相手には使える筈であった。

けれど・・・怪人の姿を見て、コピー蘭は戦慄する。
何故なら怪人は、全身緑色で手足に水掻きがついている他は、ほぼ人間型だったからだ。

理性では、あれは人間ではないと告げているのに、コピーロボットの本能は、「傷付けるのはご法度である人間」と判断してしまっている。

とにかく、攻撃があれば我が身で受け止めて、園子や他の生徒達を一人でも多く守らなければ。
そう決意して、コピー蘭は決死の覚悟で構えをとった。

「蘭!!」

突然、叫び声が聞こえた。
コピー蘭と園子の方に駆け寄って来たのは、コピー新一である。

「新一・・・アンタ・・・」

コピー蘭は、そう言ったきり言葉が続かない。

コピー新一にしても、恋心が向かう先はオリジナル蘭で。
しかもこの場合、「ロボットよりも人間を守る」任務が最優先である。

コピー新一がコピー蘭の所に駆けて来たのは、共同で戦うのに効率が良いからであろう。
それが分かっていてなお、コピー蘭の目からは、人間を装う為に流す事の出来る涙が零れ落ちた。

「バーロ。泣いてんじゃねえよ」

コピー新一はそうぶっきら棒に言って、コピー蘭の額を小突いた。
彼とて、おそらくは怪人への攻撃が出来ない事を感じ取り、「とにかく人間を守る為に」動くしかないのである。

「うん。分かってる。分かってるよ。(園子に何かあったら、オリジナルの蘭が嘆き悲しんで傷付いてしまう。だから、アンタが来たんだって事も、アンタが本物の新一じゃない事も、重々分かってるよ。それでも、何だか嬉しいの)」

園子は、二人の影で震えながらも、新一が蘭の身を案じて(と園子には見えた)駆けて来た事に、安堵の思いだった。

「蘭。園子や他の生徒達を、用具室の方に誘導しろ!」

コピー蘭は、コピー新一の意図を理解し、頷いた。

「うん、分かった!新一、気を付けて!」

こういう場合でもどういう場合でも。自身や回りの人を守る最良の方法とは――。
三十六計、逃げるに如かず。

つまり、逃げる事である。
戦うのは、逃げる事が叶わない場合や、逃げても追って来られた場合にのみ有効だ。

体育館の入り口付近は、タイツ軍団と怪人に固められている。
彼らに気付かれずに逃げ出すルートで最良のものは、用具室の窓であった。

但し、大勢の人間が逃げ出す為には、怪人を引き付けておく者も必要だ。
コピー新一は、その囮となる積りなのである。

コピー蘭は、園子や周囲の生徒達を先導し、出来る限り静かに用具室へと向かった。
他の生徒達も順次それに従って移動するよう、密かに伝達を回す。

体育館中の生徒達が、パニックの中でもその指示を受けて冷静さを取り戻し、出来る限り速やかに静かに移動を開始した。
これは普段の新一と蘭の人望の賜物である。

「園子。出来るだけ早く、遠くに逃げて」

園子が用具室の窓から出ると、コピー蘭は中に留まったままでそう言った。

「ええ!?蘭は!?」
「私は・・・戻って他の生徒や新一を助けなきゃ」
「なら、私も!」

そう言って戻ろうとする園子を、コピー蘭は厳しい顔で制した。

「駄目!足手まといだから!」

園子は涙ぐんで唇を噛んだ。
コピー蘭の言葉に傷付いたのではなく、自分が残っても本当に足手まといでしかないと分かったからだ。

コピー蘭は、園子を守る為とは言え、敢えて傷付けるような言い方をしてしまった事に胸を痛める。
けれどとにかく、ここは一人でも多くを救う為に、全力を尽くすしかなかった。


   ☆☆☆


「た、大変じゃ!」

探偵戦隊司令部のスクリーンに映し出された、コピーロボットのカメラアイを通した画像を見て、阿笠博士と灰原哀は、顔色を変えた。

「・・・迂闊だったわ。樹海に向かったのはタイツ軍団だけで、怪人の姿はなかった。つまり、陽動作戦だったという訳ね」
「とにかく・・・ああしかし、樹海に向かったタイツ軍団も助けねばならんし・・・」
「博士、落ち着いて。幸い帝丹高校にはコピーロボットが居る。時間稼ぎ位はしてくれてる筈よ。六人全員は無理としても、工藤君と蘭さんだけでも呼び戻しましょう!」
「お、おう!」


   ☆☆☆


「何とか大半は、樹海に入り込む前に救い出せたぜ。後は、迷い込んでしまった一部の者達だが・・・幸い、今の気候は凍死する程ではねえから、地道に助けて行くしかねえか」
『ああ、そうだな。くど・・・ブラック、この際地道に、端から順に探すしかねえ』
「ああ、分かってるさ、ホワイト。じゃあまず・・・」

『新一、大変じゃ!』

新一と快斗が、探偵戦隊のリーダーと副リーダーらしく、ごく真面目に通信していると、突然割り込み通信があった。
阿笠司令は、新一をコードネームで呼ぶのも忘れるほどに切羽詰っている。

「司令?一体・・・」
『新一たちの高校に、怪人が現れた!』
「何っ!?」

新一は顔色を変え、蘭も青くなって息を呑んだ。

『まだタイツ軍団の救出は済んどらんのじゃろ?そちらは黒羽君達に任せて、新一と蘭君は、帝丹高校に向かってくれ!』
「了解!行くぞ、蘭!!」
「分かった!!」

新一と蘭が乗った飛行艇は、方向転換して東京へと向かった。
それを遠くから見ていたジンは、ニヤリと笑う。

「ほほう。どうやら連絡が入ったか。けれど、間に合うかな・・・?」


   ☆☆☆


コピー蘭が踵を返して体育館の中に向かおうとした時、悲鳴が聞こえて再び園子の方を振り向いた。

「そ・・・園子・・・っ!!」

怪人は、一人ではなかったのだ。
同じような緑色の怪人が、園子を含めた数人の帝丹高校生に襲い掛かっている。

コピー蘭は窓から飛び降りて駆け寄るが、その距離に絶望的になった。

逃げなければと思いながら、手足はいう事を聞いてくれない。
園子は見開いた目に涙を溜めて、水掻きのある大きな手を振り下ろそうとする緑色の怪人を見ていた。

次の瞬間。
突然園子の視界を白と黒の影が遮り、予想した衝撃が園子に与えられる事はなかった。

「えっ・・・?京極さん?」

コピー蘭は園子の方に駆け寄りながら、安堵の思いでその光景を見詰めていた。

園子の前に立ちはだかり、怪人の攻撃を全身で受け止めているのは、杯戸高校空手部前主将の、蹴撃(しゅうげき)の貴公子とあだ名される、京極真、その人であった。
コピー蘭は、勿論オリジナル蘭の記憶でも京極真の事を知っているのだが・・・実は、コピーロボット達は別の意味で、彼の存在を良く知っていたのである。

「大丈夫ですか?」

真は怪人の攻撃を受け止めながら、園子の方を振り向いて声をかけた。

「は、はい・・・」

園子は呆然としながらも、言葉を返した。


   ☆☆☆


コピー蘭のカメラアイを通した映像を見ていた阿笠司令は、興奮して立ち上がった。

「おお!京極君が・・・ついに『花』と出会ったぞい!」

京極真は、WMOが探し当てた、探偵戦隊男性隊員候補五人の内一人だったのだ。



探偵戦隊ディテクティブアイズ第2章(4)に続く





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