A HAPPY NEW YEAR!!



byドミ



東京都米花市。
200×年大晦日、午後8時30分――。



「おい、おめーら、明日は早いんだからな!3時過ぎには起きなくちゃならねーんだぞ、いい加減に寝ろよ!」

工藤邸のリビングで、現在の世帯主である工藤新一の怒鳴り声が響き渡った。

「それは新一お兄さんだって一緒じゃない。新一お兄さんが起きてるなら歩美も起きてるもん」

吉田歩美の言葉に新一は仏頂面になる。

「俺は良いの!睡眠時間が短いのなんか慣れっこなんだからよ。おめーらはこれから成長しなくちゃなんねえから、睡眠不足は大敵だぞ」

「母ちゃんが高校生だってまだ子供だって言ってたぞ。コナン、おめえ元の姿に戻って生意気になったんじゃねーか?」

10歳も年下の小学校2年生である小嶋元太にそう突っ込まれて、新一は思わず口の端が引きつる。

「あのなあ・・・」
「新一さん、日本人なら年越し蕎麦を食べながら紅白を見て、『行く年来る年』を見て除夜の鐘を聴いて遊園地でカウントダウンをして初詣、そして御来光(初日の出の事)を拝む。これが正しい年の越し方ですよ」

小学校2年生にしては妙に物知りな光彦の言葉に、新一は苦笑いする。

「それ全部やるのって徹夜しても無理だぞ。実際に徹夜する奴も多いけど、あれは後できつい思いするから止めといた方が良い(微妙に世代毎の年越しがミックスされてるな。それにしても本当に小学生かよ、こいつ)」
「でも、新一お兄さん。やっぱり新年になる時は起きていたいの」

歩美が新一を見上げておねだりする。
何のかのと言っても、新一はコナンだった時から歩美には弱い。

「わーった、じゃあ今から一眠りしろ。カウントダウンの前に起こしてやっから」

ようやっと和室へと向かった3人を、新一は苦笑して見送った。



蘭と志保は、お茶を飲みながら新一と少年探偵団のやり取りを見ていた。

「工藤くん、結構等身大で彼らと向き合ってるのよね」
「そうね。子供って敏感だから、ちゃんとわかってるんだと思う。新一が、最初はどうであれ、ちゃんと3人の事を友達だって思ってる事」
「私も彼のおかげで子供たちと等身大で付き合うことが出来たわ。それは本当に感謝してるのよ」
「ところで、阿笠博士は今回一緒に行かないの?」
「もう年だからね・・・って言うのは半分冗談だけど、また渡米しないといけないし、色々忙しいのよ」
「そっか・・・志保さんたち、もうすぐアメリカに・・・」
「ええ」



少年探偵団が寝室に向かったのを見届けた後、新一はソファーに座って少し冷めかけたコーヒーを口に含む。

「まったくあいつら、俺がコナンだった事知ったら途端に小生意気になりやがって」

新一がぶつくさと呟き、蘭と志保は顔を見合わせて笑い合った。



  ☆☆☆



大阪駅。
200×年大晦日の夜11時50分。



遠山和葉は、大阪駅の中央北口付近の噴水広場で、はらはらしながら腕時計を見ていた。

このような場所にも、カウントダウンのために集まった若者たちの姿がある。

「平次、おっそいなあ」

服部平次は大晦日の今日、事件に駆り出されていた。

「あのアホ、間に合うんかいな」

事件に向かう平次の姿が好きな和葉としては、あまりうるさい事を言うつもりはない。

しかし、今回のカウントダウンは特別だった。

晴れて恋人同士となった記念すべき年に別れを告げ、高校を卒業して新たな道に進む年に変わる――その瞬間を、是非とも平次と共に迎えたかった。



「大滝はん、おおきに」

平次は御堂筋口でパトカーを降りると、運転していた大滝警部に礼を言うのもそこそこに飛び出して走り出す。

もうすぐ日付が変わる。
新しい年になる。




「10、9、8、7、・・・」

カウントダウンが始まり、和葉は泣きそうになる。

「3、2、・・・」

和葉がいきなり後ろから抱きしめられるのと、カウントがゼロになるのはほぼ同時だった。

「明けましておめでとはん」

荒い息を吐きながら平次が耳元で告げた言葉に、和葉は涙を零した。

「もう、平次、おっそいわ!もう少しで遅刻やで!」
「間におうたんやからええやんかい。和葉、今年もよろしゅう頼むで」
「・・・平次のアホ!」

どうあっても新年の挨拶をしそうにない和葉に、平次は苦笑した。



  ☆☆☆



「10、9、8、7、・・・」

東京都米花市の工藤邸では、テレビを見ながら、少年探偵団の3人組が大声でカウントダウンをする。

「ゼロ!!新年明けましておめでとう!!」
「おめでとう!」
「今年もよろしく!!」

新一、蘭、志保は子供たちを交えた賑やかな年越しに、思わず顔をほころばせる。

「さあ、出発に備えてもう一眠りするぞ」

新一が促したが、興奮状態の子供たちはなかなか寝付けそうになかった。

「新一お兄さんが寝るなら、わたしも寝る!」

歩美の言葉で、結局6人で和室に雑魚寝する事になった。
蘭、新一、歩美、元太、光彦、志保の順で並んで横になる。
蘭のすぐ隣に陣取った新一は、寝息が悩ましくて仕方ない。
けれど反対側に少年探偵団たちが居るため、手を出す事は勿論、ただいちゃつく事だって出来そうに無い。
少年探偵団に「寝ろ」と言った新一自身が眠れそうになかった。
蘭は新一の煩悩に気付かず、さっさと寝息を立てている。
志保は新一が眠れないでいる気配に気付き、「たまのこんな日でも、我慢するのがそんなに辛いのかしら」と苦笑していた。



ちなみに工藤邸には他に2人泊まり客がいた。

鈴木園子と京極真である。

2人は――寝ているかどうかは別にして、カウントダウンにも加わらず早い時間から寝室に引き上げていた。



  ☆☆☆



「和葉、0時37分発のサンライズ号や、行くで!」

カウントダウンの後、平次と和葉は暫らく噴水広場で過ごしていたが、平次が思い出したように言って、和葉を促して改札から入って行く。

サンライズ瀬戸・出雲号――上りの寝台特急である。
全車両が個室の寝台なので、ゆったり過ごせ、目的地まで5時間近くは眠れる。

この時点では、和葉はそう思っていた。













元旦朝3時過ぎ。



出発に備えて工藤邸の面々は皆起き出していた。

さっきから欠伸ばかりしている新一に、蘭が問う。

「どうしたの新一、眠れなかったの?」
「ああ、・・・和室で寝たせいかな。いつもベッドだから」

眠れなかった本当の理由を言うわけには行かず、新一は適当に答えた。

「探偵たる者、どこででも眠れるんじゃなかったの?」

蘭の鋭い突っ込みに、新一は苦笑するしかない。

子供たちは、起こされた時は眠そうにしていたが、今は興奮状態のためか、ばっちり目を覚ましていた。
早くに寝室に引き上げた京極真と鈴木園子は、2人とも眠そうに欠伸をしていた。
それを見た元太が感心したように言う。

「母ちゃんが『高校生はまだ子供』って言ってたのはやっぱり本当だな。あんだけ寝たのに、俺たち以上に寝坊助じゃんか」
「うっさいわね。私は高校生だけど、真さんは大学生よ!」

園子がどこかピントのずれた反論をする。
真は顔を赤くして黙り込み、新一、蘭、志保は苦笑してそのやり取りを聞いていた。



  ☆☆☆



「さあ、そろそろ出かけるぞ。米花駅から東都環状線に乗って品川駅で乗換えだからな」
「おー!!」

新一の言葉に、乗り良く少年探偵団が応じる。


元旦の早朝は流石に空気が凍る程に寒い。
彼らは白い息を吐きながら米花駅へと向かって行った。



  ☆☆☆



朝5時42分、熱海駅。



サンライズ瀬戸・出雲号から、白い息を吐きながら大阪2人組が降り立った。

まだ空は暗い。

「蘭ちゃんたちはまだ来てヘんようやな」
「工藤たちの到着予定は6時13分やから、まだ30分位ある。ここは寒いよって、待合室で待っとくで」



  ☆☆☆



6時13分、同じく熱海駅。



品川発の列車の2階グリーン席に乗った一行が到着する。
夜なので勿論景色などが見えるわけではないが、グリーン席のためゆったりと過ごせ、短時間だが仮眠も取れて、一行はすっきりした顔で熱海駅に降り立った。


空は少しずつ白み始めている。







「蘭ちゃーん、園子ちゃーん!明けましておめでとお」
「和葉ちゃん!おめでとう!今年もよろしくね」

大阪組と東京組が出会い、再会を喜び合う。

「和葉ちゃん、眠そうね。寝台列車だから眠れなかったの?」

蘭が欠伸ばかりしている和葉に尋ねた。

「あたしは大体どこででも寝られるんやけどな・・・どこぞのどアホの所為で一睡もでけへんかったんやわ」

和葉はチラリと平次の方を睨むように見ながら言った。
平次は惚けて知らん顔をしている。
蘭の頭の中を?マークが飛び交った。



  ☆☆☆



「さ、行くぞ」

新一が促し、一行は駅を出て歩き出す。
一行は駅で買った温かい飲み物を手に握って暖を取りながら、海岸へと向かって歩いていった。


15分程かかって海岸に到着し、海の方を見てその時を待つ。
元旦の日の出前、強い潮風に吹かれる海辺は予想以上に寒かった。


ミニスカートで太腿剥き出しの園子は、歯の根も合わぬ程にガタガタ震えている。

「園子さん、大丈夫ですか?」

真が自分のコートを脱いで園子に掛けた。

「真さん、でもこれじゃあなたが寒いでしょ?」
「私は鍛えているから大丈夫です」

いちゃいちゃしだした2人の周りは、確実に5度ほど気温が上がっていそうだった。



「蘭、寒いだろ。これを着ろよ」

新一は、きちんと防寒具を着ており震えてもいない蘭に、自分のコートを着せ掛ける。

「え?で、でも、新一・・・」

新一は有無を言わせず蘭に自分のコートを着せると、しっかりと抱き寄せた。

「俺には湯たんぽがあるからそれで良いよ」
「・・・もう」

この2人の周りも、気温が上がっていそうである。


「さっむーい!」

歩美が言って、新一にしがみ付いて来た。
新一は、一方では蘭を抱き寄せ、もう片方の腰のあたりには歩美がしがみ付いているという、何とも奇妙な構図になってしまっていた。

蘭は複雑な眼差しで歩美を見遣る。
新一はふっと微笑み、自分のマフラーを歩美に着せ掛けるために首から外そうとして、元太と目が合う。
元太は自分のジャンバーを脱ぎかけていたが、その手が途中で止まり、敵愾心に満ちた目で新一を見上げている。
新一は溜息を吐いて言った。

「歩美ちゃん、元太が上着を貸そうとしているみたいだから、借りると良いよ。俺のコートはもう蘭に貸してしまったからね」

歩美は初めて元太の方を見る。

「・・・ありがとう」

真っ赤になった元太からジャンバーを受け取って羽織ったものの、歩美は変わらず新一にしがみ付いたままだった。



「志保さん、これをどうぞ」

光彦がマフラーを志保に渡す。

「円谷くん・・・私は寒くなんかないから、大丈夫よ」
「いえ!受け取って下さい!僕は男だから、ご婦人を守る義務があるんです!」

志保は柔らかく微笑むと、光彦の差し出したマフラーを受け取って首に巻いた。

「とっても温かいわ。ありがと」
「・・・本当は、他の方たちのように上着を貸せるのなら・・・でも僕はまだ子供で小さいから・・・それが今日はとても口惜しいです」
「円谷くん、とても男らしくて立派よ。そんな風に言わないで」

江戸川コナンも毛利蘭に対してこういった口惜しい気持ちを抱いていたのであろうか。
けれど彼の場合、子供の姿はあくまで仮初のものだった。
今の志保と光彦には、10歳以上の年の差が厳然と横たわっている。
志保は、光彦の隣に並んで上着を借りる事が出来る子供の姿に、許されるものならば再び戻りたい、と切に願ってしまう。

『でも、時を捻じ曲げようとする者には必ず罰が下る。もしも円谷くんと私とに縁があるのなら、年の差を越えていつか結び合える日が来るはず。だから私は待たなくてはいけないわ。彼が過ぎる年月の中、変わらずにいてくれたら、その時は・・・』



「なあ平次、あたし寒いねんけど。あっためてくれへん?」
「ドアホ!人前でそんな恥ずかしい事出来る訳あらへんやろ!」

和葉と平次のいつもの漫才が始まる。

「ほー、平次。人前ででけへんって、よう言うわ。公共の場所である列車の中で、あーんな事や、こーんな事をしたんは、どこの誰やったんかいな?」
「な、か、和葉!!」

平次が慌てて和葉の口を塞ごうとする。

「え?和葉ちゃん、あんな事やこんな事って?」

蘭がきょとんとした顔で尋ねてきた。
新一が呆れ顔で言う。

「服部。お前まさか・・・遠山刑事部長に知られたら簀巻きにして大阪湾に放り込まれそうな所業を、個室なのを良い事に、寝台特急の中で和葉ちゃんに対してやったのか?」
「ななな何もやってへんて!和葉、寒いやろ、もっとこっちに寄れや」

平次は冷や汗を流しながら、和葉に自分のジャンバーを着せて抱き寄せる。
和葉は仏頂面で平次を睨みつけ、その場には白々とした空気が流れた。



  ☆☆☆



「服部、もうすぐセンター試験だな」
「せやな・・・けど工藤、お前は推薦で帝丹大に進学決まってんのやろ?」
「ああ、けど一応東都大の試験だけは受ける」
「ほお。・・・察するところ、帝丹高校の教師に泣きつかれたんやな」
「そう。入学はしなくて良いから合格者実績だけは作ってくれとよ。服部、お前はどこ行くんだ?」
「国立平安京大学法学部」
「なるほど。東都大と張る名門旧帝大だよな」
「せやけど、改方学園の教師連中は何ちゅうたと思う?『服部くん、頼むから東都大受けてくれ』言うて泣き付くんやで。俺は『ドアホ!じゃかましい、関西人なら関西に誇りを持たんかい!!』言うて一蹴したけどな」
「教師相手に啖呵を切るとこがおめーらしいよ。お前の事だから、関西に留まるか、でなければ外国留学かどっちかと思ってたけど、平安京大か。寝屋川市からは近いし、しかも大阪府下じゃねーとこがみそだな」
「平次、大阪府じゃあかん理由って何やのん?」

新一と平次の会話に、和葉が割って入る。

「ああ、和葉、何でもあらへん」
「せやけどあたしの進学先も妙に京都の大学薦めてたやん。あたしかて平次の大学と近い方がええし、別に異存はないねんけど」
「和葉ちゃんはどこに行くの?」

蘭が口を挟んできた。

「京都の名門私立洛陽大学を狙うてる。余裕の平次とちごうてラストスパート頑張らなあかんけどな。そう言う蘭ちゃんは?」
「私は帝丹大学文学部を受けるの。一応安全圏内だけど、気は抜けないわ」
「学部は違うけど工藤君とおんなじとこか、ええなあ」
「まあね。それだけで決めたんじゃないけど。空手部の事とか、大学では中国古典の勉強をしたいとか、一応考えた上での事よ」
「せやけどあたしの頭ではどう引っ繰り返ったかて平安京大は無理やん」
「そうね、難関だものね。新一だって東都大に行ける頭はあるのに、探偵活動に支障をきたさないって理由で私立の帝丹大にしたんだもん。東都大だったら、私の頭じゃ引っ繰り返っても行けなかったよ。服部くんって、全国模試でいつも4位か5位だったよね?」
「せや。白馬警視総監の息子の白馬探さんと4位5位争いをいっつもやってんのや。工藤くんは不動の3位なんやろ?工藤くんの上にいっつも2人いるって言うのが信じられへんわ」
「不動の1、2位は確か2人とも江古田高校の人だよ。1人は女の子だったような・・・」

蘭と和葉のやり取りに、今度は新一が割って入る。

「黒羽快斗と中森青子。中森さんは、警視庁捜査2課の中森警部の娘さん。黒羽くんはその中森さんの幼馴染――って言うか、蘭、俺たちと同じで、幼馴染から先頃無事恋人同士に昇格したらしいぜ」
「へー、そうなんだ、素敵な話ね。新一、その人達と知り合いなの?」
「9月に俺が依頼を受けて誘拐された女子高校生を助けた事あったろ?その助けた相手が中森青子さんで、黒羽くんはその時必死になって彼女を助けようと奔走していたんだよ」
「新一。もしかして、私に何か隠し事してない?」
「え!?何で!?」
「その中森さんって、可愛い子だった?」
「だーかーらー、中森さんには黒羽って言う相手がちゃんと居るって!蘭、何で今日は突っ込むんだよ!?」
「だって・・・何となく、新一が中森さんの話をする時、他の女の人とちょっと違った風に感じたんだもん」
「やれやれ・・・今度写真を見せてやるよ。そしたらわかる。きっと蘭も驚くぜ。でも誓って言うが、蘭が心配するような事じゃねーんだからな」
「?・・・うん」
「工藤くん、その江古田高校の2人はやっぱり東都大やろか?」
「いや、黒羽くんがマジック修行のためアメリカに行って、中森さんはそれに付いてくらしいけど」
「え〜〜〜っ!!?」

園子の突然の大声に、一同は驚く。

「マジックの修行って・・・黒羽くんって、黒羽くんって、もしかして黒羽盗一の息子!?」
「ああ、そうだよ」
「あ〜〜ん、新一くん、何で紹介してくれなかったのよぉ」
「あのな・・・園子には京極さんが居るだろが」
「それとは別の話よ!将来の一流マジシャンとお近付きになりたかった〜〜」
「心配しなくても、今後いくらでも機会があるさ」
「ねえちょっと待って、新一。そうすると、全国模試上位5位までの常連で、今年東都大に進学するのって、もしかして白馬くんだけ?」
「・・・そうなるかな。でもわかんねーぜ。あいつだって『オックスフォード大に留学します』って言い出しかねないしよ」

大学受験組が進路の話で盛り上がっている間に、日の出の時刻が迫って来ていた。



  ☆☆☆



白み始めた空が、鮮やかな朱の色に染まっていく。
雲が紫から赤紫、赤、オレンジ色へと変わっていく。
空の色が少しずつ変化していく美しさに、一行は寒さを忘れて目を奪われる。

やがて水平線が一際明るくなり、今年最初の日の光の矢が届いた。


「綺麗ね・・・」
「まあ、暦の上で元旦の日の出だからってだけで、他の日の朝日と変わるわけじゃねーけどな」
「初日の出を、真さんと一緒に見られて嬉しいっ」
「園子さんに喜んでもらえて私も嬉しい。来て良かったです」
「水平線から昇る日の出はあたしの憧れやったんや。綺麗やなあ」
「まあ大阪湾の海側では日没しか見られへんからな」
「新しい年の幕開けですね」
「ええ。少しずつ時は流れて行って、年も取ってしまうけど、新しい明日を迎えるって言うのは、悪い事ばかりじゃないわ」
「うん、私早く蘭お姉さんのような大人になりたい」
「今年も、少年探偵団大活躍だぜ!」



一行10人、それぞれの思いは微妙に違っているようだが、それぞれに新しい年への希望を胸に昇り行く初日を見ていた。









A HAPPY NEW YEAR !!

今年もどうぞ宜しくお願いします。





Fin.



+++++++++++++++++++



<恒例になってしまった後書代りの東海帝皇会長とドミの対談>


会長「明けましておめでとうございます、ドミさん」
ドミ「おめでとうございます・・・って、会長さ〜ん、仕上がりが遅れた事への皮肉ですかあ?」
会長「そんな事ないですよ。このお話ではあくまでも今現在がお正月、いつ出来上がったかなんてどうでもいいのです。お話作りはあくまで本人のペースが大事ですからね。ささ、御屠蘇を一杯♪」
ドミ「あ、これはどうも(グビ)会長さん、今年も宜しくお願いします」
会長「こちらこそ宜しくお願いしますね」
ドミ「ところで会長さん。私今回からは以前の後書に戻そうかと思っていたのですが」
会長「ほう。で?」
ドミ「『ドミさんと会長さんの対談が楽しみです』なんてメールを頂くようになってしまったので、止めるに止められなくなってしまったんです〜〜」
会長「それはそれは・・・でも、読者の方からそういった感想をいただけるというのは、ありがたい事です」
ドミ「ええ、本当に。で、次回、何の話になるかは未定です。バレンタインネタは書きたいと思ってますけども」
会長「このシリーズも、確か、後もう少しで完結予定ですね。ドミさん、無理せずマイペースで頑張って下さいね」



注)例によって上記の会話はフィクションですが、一部、事実も混じっています(笑)



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