C-K Generations Alpha
to Ωmega
特別版 ベイカー街(ストリート)の亡霊(スペクター)
By東海帝皇(製作協力:ドミ)
Vol.5 Angel retire!オールドタイム・ロンドン大激震!!
オールドタイム・ロンドンステージにて……。
「こらっ、ここから先は関係者以外、立ち入り禁止だ!!」
モリアーティ教授の指示通り、オペラ座を訪れたコナン達は、スタッフに咎められる。
これに対し、
「あ、私達、アイリーン・アドラーさんの知り合いなんです。本番前に激励を……。」
蘭が説明する。
するとスタッフは、アイリーンの控え室の場所を教えた。
「ここね。」
「どんな人だろう?ワクワクしちゃう!!」
「まあ、かなり綺麗なのは間違い無さそうよね。」
蘭同様、期待する園子。
が、コナンは、
(父さんが作ったキャラクターで、ホームズが愛した女性と来りゃ…。)
心中で既に看破していた。
コンコン。
「どうぞ。」
ドアの向こうから声が聞こえ、それに応じてコナン達は入室する。
すると、
「!!!」
「新一のお母さん!!」
(やっぱり……。)
コナンこと新一の母の工藤有希子にそっくりな、アイリーン・アドラーが姿を現した。
☆☆☆
「ハハハハ、まんま工藤のオカンやな……。」
「このステージの監修って、工藤君のお父さんがやったんですよね……。」
「自分の趣味丸出しじゃねえか……。」
エントランスホールから様子を見ていた男性陣は、呆れたような目をした。
その一方で、
「なんかごっつ綺麗やなあ……。」
「ベースキャラの美しさがそのまま反映されてますわね……。」
「青子もああいう風になりたいなー……。」
女性陣は羨望のまなざしでアイリーンを見ていた。
☆☆☆
小ホールでは……。
「そら、パララケルス伝説の勇者やからなあ。そんじょそこらの女性とはちゃうがな。」
「そう言えば、そうだったでござるな。綺麗でスタイルが良くて実力派、ちと妬けるでござるよ。」
「工藤君って、お父さんにも似てるけど、お母さんにも似てるのよね。男にしては綺麗な顔してるし。」
アイリーンを絶賛する一同。
そこへ。
「まあ、それはありがとう。嬉しいわ。」
突然、割り込んで来た声に、一同、別に後ろめたい訳でもないのに、思わずギクリとなって振り返る。
「な!ゆ、有希子はん!何でここに!?」
「確か、同窓会に参加してるとか……。」
さすがの初音と晴香も、目を丸くしていた。
「あのね。息子の一大事に、同窓会どころじゃないでしょ!?」
「飛んで来たんですね。でも、厳戒体制の筈なのに、よく入れましたね。」
「そりゃあ。優作の妻で、新ちゃんの母ですもの、顔パスに決まってるでしょ?ま、いざとなったら、マジカルテレポートって手もあるけど、久しく使ってないから疲れそうだし。」
舞の問いに答えながら、有希子はモニター画面を見る。
「新ちゃん、ゲーム世界でも縮んでるのね……元の姿なら、まだ色々やりようがあるでしょうに。」
「身体をトレースしてそのままゲーム世界で再現されるようですからね。そこは仕方がないかと。」
探が解説する。
「それにしても。新ちゃん達が、アイリーンを守ってくれるのね♪嬉しいわ!」
「あの〜。ゲーム世界の住人なんですけど……。」
呆れる晴香。
「だって、私の分身みたいなもんなんだも〜ん。他人事とは思えないわ。」
「あなた、歳は一体いくつでござるか……。」
有希子の、キャラキャラした発言に、思わず紅葉が突っ込みを入れた。
直後、
「あらん。レディに年齢を聞いてはいけないのよ♪」
ニッコリ笑いながら、有希子は紅葉の喉元に、フォースワルサーを突きつけた。
「な゛……っ!拙者に気配を感じさせないとは……やるでござるな!」
「き、金属探知機があった筈なのに、一体どうやって!?」
驚く葉槻。
「ふっふっふ。簡単な事よ。武器だけなら、マジカルテレポートも大して疲れないし〜♪」
有希子のこの言葉に、確かにこの人は伝説の勇者だと、一同妙に納得した。
と、そこへ。
「むむっ!?魔法陣が……!?」
「ま、まさか、新たな侵入者が!?」
「シャドウエンパイアが、この騒ぎに乗じて!?」
魔法陣の出現に、一同、真剣な表情で身構えた。
そこへ。
「ヤッホー♪」
現れたのは、探偵団と同じ年頃の少女――サリーの義妹のラミエル・ミラン・ヒューベリオン、愛称レミィである。
「れ、レミィ!?どうしてここに!?」
「あなた、休養中だった筈では?」
「お友達の一大事と聞いたら、ほっとけないでしょ?病気もどこかに飛んで行ったわ!」
驚く舞や紅子をよそに、どっしりと構えるレミィ。
「やれやれ。結局、総力戦になりそうですね……。」
「お。そろそろ、アイリーンの舞台やな。」
初音の言葉に、皆の注目はモニターに戻る。
『〜〜♪』
オペラ座の舞台で熱唱するアイリーン。
それを小ホールから見つめる初音達。
「まるで有希子はん本人が舞台で歌うとるみたいやな。」
「でも、さすがに歌声は違う筈でござるよ。有希子殿はオペラ歌手ではなかったでござろう?」
「確かにそうやな、有希子はんが歌が上手かどうかは知らへんけど、オペラの歌い方は独特やからな。」
「そうね。アイリーンの喋り声は私の声がベースになってるけど、歌声は確か、秋庭怜子さんという歌手の声を使っていると聞いたわ。」
「ああ、あの、堂本アカデミー出身のソプラノ歌手ですね。」
探が博学なところを見せた。
後にこの秋庭怜子が、コナン達C-Kジェネレーションズと深く関わる事になろうとは、この時点では誰にも想像は付かなかった。
☆☆☆
その頃、オールドタイム・ロンドンステージでは……。
ドッカーーーーーンンッッ!!
オペラ座の物置き場が突然爆発した。
その衝撃で劇場全体が揺れ始める。
「なっ、何、今の!?」
「!モリアーティ教授、こう来たか!!」
舌打ちするコナン。
その時、
「あっ!」
武琉がステージ上部のスポットライトが落ちそうになるのを発見する。
「助けなきゃ!」
武琉が駆け出そうとした時、
「「危ないっ!!」」
それより早く、江守と滝沢が駆け出し、アイリーンを突き飛ばした。
直後、
ドオーーーーン!!
江守と滝沢はスポットライトの下敷きになってしまった。
「晃!進也!!」
血相を変えて駆け寄る武琉達。
が、
「あっ!江守、オマエ!!」
「滝沢くんも!!」
二人の体が消滅し始めた。
「なっ、何で!?僕がいるのにどうして!?」
「おいおい、俺達だって男なんだぜ。」
「女性の危機に黙ってるなんて出来ませんよ。」
「滝沢、江守……。」
「ありがとう、おかげで助かったわ…。」
二人に感謝するアイリーン。
「人に感謝されたのって初めてだな……。」
「い、いいもんだね……。」
照れる二人。
「諸星、後は頼んだぜ!!」
「武琉君、諸星君達を守ってくれ!!」
「任せとけ!!」
「ああ、わかったよ……!!」
直後、滝沢と江守は強制送還された。
「……くっ……!!」
武琉は二人を守れなかった事で、歯噛みをして悔しがる。
だが、
ドガーーーーーンッッ!!
オペラ座が再び爆発し、観客が逃げ惑う。
危機を察知し、コナン達がアイリーンを連れて脱出を図る。
コナン達が回廊を通っているその時、
「きゃあっ!!」
天井の石が蘭に降ってきた。
「「蘭!!」」
助けようと振り返るコナンと園子。
そこへ、
「危ないっ!!」
哀が蘭を突き飛ばした。
直後、
ガシャーーーーン!!
哀が瓦礫でダメージを負ってしまう。
「哀ちゃん!!」
「灰原!!」
駆け寄るコナンと蘭達。
「哀ちゃん、しっかりして!!」
「灰原、大丈夫か!?」
「哀ちゃん、私を庇って……!」
悲痛な表情の蘭。
「蘭さん、あなたがここでリタイアしたら、彼が使い物にならなくなるでしょ。」
「あ、哀ちゃん……!」
「灰原……。」
「ダメよ、工藤君、蘭さん、そしてみんな。絶対に諦めちゃ。」
「灰原さん……。」
「工藤君、あなたがみんなのホームズなんだから、解けない事件はないんでしょ?」
そう言い残し、哀も強制送還されていった。
「……。」
一瞬沈む一同だが、再びアイリーンをつれて、出口へと向かう。
そして屋外へと首尾よく脱出した。
が、その時。
「あっ、後ろへ!!」
何かを察知した蘭が、アイリーン達を留めた上で、その影に回し蹴りを食らわせようとした。
だが、その影は俊敏な動きでかわし、そのまま走り去った。
「待ちなさい!」
「待てえ!!」
影を追う蘭と園子、武琉に秀樹。
「警官と一緒にいればもう安全だから!!」
アイリーンと別れ、後を追おうとするコナンに対し、
「あっ、坊や!!まだ名前を聞いてなかったわ!!」
彼女が呼びかける。
「僕は江戸川コナン!!あなた達の生みの親と同じ名さ!!」
そう言い残し、コナンも後を追った。
☆☆☆
エントランスホールにて……。
「なんてこった……!」
正規プレイヤーが一気に3人もリタイアした事に舌打ちする快斗。
「あそこは、今迄正規プレイヤーが沢山残ってたから、余裕だと思ってたのに!」
「他のステージでは、序盤にキツイ戦いがあって振り落とされたのが多かったが、あのオールドタイム・ロンドンステージは、むしろ最初は緩く、終盤で更にきつい戦いになりそうだな。」
サリーが冷静に分析する。
「何他人事みたいに言ってんのよ!!」
青子がサリーに対し抗議する。
「愚か者め!ここでワタシが激高したところで、事態が解決するとでもおもってるのか!?」
「う゛……!た、確かにそうなんだけど……!!」
「何も出来ないから苛立つのは、このワタシにもわかるぞ。なればこそ、現場の者達を信じてやるのが一番だろうが。」
「姉上……。」
「サリやん、結構まともな事言うんやな……。」
「そうね。サリーさんの言う通りだわ。ごめんなさい。」
サリーの言に一同感心する。
青子も、大きく頷いた。
☆☆☆
オールドタイム・ロンドンステージでは……。
「ちっ、ジャック・ザ・リッパーのヤツ、どこにいったのよ!?」
「この駅に入ったのは間違いないんですが……。」
ジャック・ザ・リッパーを探す園子と武琉。
コナン達は二手に分かれ、チャリング・クロス駅を探索していた。
その時、
「いたぞ!!」
コナンの声が響いた。
「新一君!」
「行きましょう!!」
園子と武琉はコナン達の下に向かった。
ボーーーーッッ!!
見ると、列車がホームから離れ走り始めていた。
列車には既にコナンと蘭、秀樹達が乗り込んでいる。
「急げ、園子!!」
「武琉君、早く!!」
列車からコナンと蘭が呼びかける。
「急ぐわよ、武琉君!!」
「ハイ!!」
二人は大急ぎで駆け出し、列車に飛び乗ろうとした。
だがそこへ、
ヒュンッ!!
「きゃあっ!!」
「うわあっ!!」
列車から二人目掛けてナイフが投げられ、二人は一瞬立ち止まってこれを避けた。
直後、列車はスピードを上げて更に離れていく。
「園子ーーーっっ!!」
「武琉ーーーっっ!!」
列車上で絶叫するコナンと秀樹だったが、列車は駅から完全に遠ざかっていった。
一方、駅では。
「らあーーーーん!!」
「秀樹ーーーーー!!」
取り残された園子と武琉が、地団太を踏む。
「これも、切り裂きジャックの仕業なの!?」
「いや。というより、ゲームシステムでしょう。どこまでが、ノアズアークの介入なのか、分かりませんけど。」
「そうか、邪魔が入ってるって訳ね。上等じゃない!何としてでも、蘭達を追うわよ!」
「勿論です!」
武琉は力強く頷いたものの、何ら方策がある訳でもなかった。
その時。
ボオオオオオオオッ!
力強い汽笛が、二人の耳に聞こえて来た……。
☆☆☆
コントロールルームでは……。
「一番マズイ展開じゃな……。」
憂慮する阿笠博士。
「くっそー、ジャック・ザ・リッパーの野郎、助っ人達を蘭から引き離しやがったな!!」
憤る小五郎。
これに対し、
「いや、これはノアズ・アークの仕業でしょう。」
「どう言う事ですか、工藤先生!?」
尋ねる白鳥警部。
「助っ人達は元々ノアズ・アークからすればバグみたいなモノですから、ゲーム中の敵キャラであるジャック・ザ・リッパーがそのような事を画策するとは思えないのです。」
「な、なるほど。」
「しかし、チャリング・クロス駅最終列車……とびっきり危険なクライマックスです……。」
憂慮する優作。
「先生?」
「ゲームの進行には、いくつかのルートがありますが。実は、このチャリング・クロス駅でジャックを追って列車に乗るパターンが、一番クリアーが難しく、ゲームオーバーの可能性が高い危険なコースなのですよ。」
「そ、そんなっ!!工藤先生、どうにかならないんですか!?」
悲痛な声を上げる小五郎。
「勿論、このコースだって、クリアーが不可能という訳では、ないのですが……彼らは、蘭君を除き、殆どが小さな子供の体……かなり、拙いかも……。」
「工藤先生!!」
「でも。子供達を信じましょう。彼らは、どんな危険な場面だってくぐり抜ける、勇気と知恵を持っている!」
優作は、確信を持って画面を見た。
「ひ、他人事だと思って……。」
小五郎は少し不満顔だった。
彼は、コナンが優作の実の息子である事を知らなかったので、無理もない事ではあった。
☆☆☆
ボオオオオオオオッ!
「えっ!?」
「こ、これは!?」
園子や武琉がいるプラットホームに、漆黒の大型のSLが入線してきた。
「これ……SLだよね。この頃のイギリスって、全部SLなのかしら?」
「あのね、園子さん、この頃はまだ電車はありません……って、そうじゃなくって!これ、C62ですよ!!」
「へっ!?何、それ?」
「ご存じないんですか!?C62って、日本のSLじゃないですか!」
「そうなの?」
「て言うか、なんで日本のSLが、ロンドンの駅に!?」
「……四の五の言わずに!これに乗って、蘭達を追うわよ!」
「ええっ!?大丈夫でしょうか!?」
「他に方法はないでしょ、そら、行くわよ!」
園子が武琉を引きずるようにして、C62に乗り込む。
「この運転台、本物とは丸っきりの別物のようね。」
「……無人の運転台ですか。こういう辺りを見ると、確かにゲーム世界なんだって、思いますね。」
その運転台は、本物のように石炭を釜にくべる方式ではなく、電車のそれとほとんど同じだった。
さすがの機械音痴の園子でも、その位の事は分かったのである。
その時、
『ハロー、園子に武琉。』
「「初音さん!!」」
目の前のモニターに、初音が現れた。
「このC62、初音さんが送ったヤツですか?」
『そやで。園子、偉い。見破った訳でもあらへんのに、その行動力はさすがやな。』
「場合によっては無謀とも言いますけどね。」
武琉のぼやきは、初音と園子にきれいに無視され、武琉は少しいじける。
「でもよくノアズ・アークの干渉を撥ね退けられたわね。」
『ノアズ・アークの干渉は、正規プレイヤーがいる区域だけに働いて、それ以外はフリーのようなんや。』
「つまりは、新一君達がこの駅を離れた事で、ノアズ・アークが干渉しなくなったって事なの?」
「それでこのC62を送る事が出来たんですね。」
『その通りや。ほな、早よコナン達のトコに行ったりや。』
「「了解!!」」
ブゥゥゥオオオーーーーーッッ!!
豪快な汽笛と共に、園子や武琉を乗せたC62は、チャリング・クロス駅を後にし、一路コナン達の列車を追いかけに向かった。
☆☆☆
小ホールでは……。
「えっ、こ、これは!?」
快斗達が拾ってきた石版形のファイルを解析していた探は、その内容に驚きの声を上げる。
「どうしましたの、探さん?」
「いやいや、これはとんでもないファイルですよ。」
『どれどれ?』
ファイルを見る一同。
すると、
「ちょ、ちょっと何よこれ!?」
「こ、これはホントでござるか!?」
舞と紅葉が信じられないモノを見たかのような顔つきになる。
「どうやら本当のようですわね……!!」
「つ、つまりは、これの為にヒロキ君や樫村さんがあんな目にあったって事ですか!?」
「ひどい話よね……!!」
憤る紅子と葉槻、レミィ。
「厳しい事を言いますが。今、あなた達の中に、これによる偏見が生まれませんでしたか?」
探が、真剣な表情で言った。
一同、顔を見合わせる。
「あなた達は、そういう偏見とは無縁の方々だと思うからこそ、個人情報であるこのファイルを見せたのですが。」
「た、確かに……偏見を持った気がするでござるよ。」
「正直言うと、この僕もなんですよ。一瞬だが、偏見を持った。世間一般の人になると、どの位偏見を持たれるものか、想像もつかない。彼の動機も、まさしくそこです。これが世間に知られてしまえば、どうなるか。」
『……。』
「勿論、だからって、ヒロキ君を追い詰めて良い訳でも、樫村さんを殺して良い訳でも、ない。彼に、その権利はない。同情は禁物です。が……。」
「が?」
「DNA探査プログラムは。たとえば、絶滅種を再現させるなどの為には非常に有用だと思いますが、人間相手にそれを行うのは、ある意味、悪魔の所業でもあると言えるでしょう。頭が良くても幼い子供であるヒロキ君には、それが理解出来ていなかった……。」
一同、また顔を見合わせる。
「彼には、きっちり罪を償って貰わねば、なりません。けれど。ノアズアークの思い違いを正す為にも、ここは、彼らに頑張って貰わねばなりませんね。」
そこへ、
『何や、大変な事実が分かってもうたようやな?』
小ホールのやり取りを見ていた平次が、エントランスホールから声をかけてきた。
「あなた達も、見ていましたか。」
『ああ。晴香さんがそれを提示したら、こっちの方も大騒ぎになってな。で、これを犯人に突きつけるつもりなのか?』
ファイルを拾った当事者の快斗が尋ねる。
「当たり前やろ。これは決定的な証拠になるんや。勿論、世間に公表する積りはあらへんけどな。本人に罪を認めさせるには、手心加えてはおられへんやろ。」
『せやな。その所為で殺人未遂の罪をおかしたんやから、仕方あらへんと思うで。』
初音はすでに、各ファイルの解析結果をDVD-Rに焼き付けている。
その傍らでは有希子が、
「……ええ、そうなのよ。だから……。」
誰かとケータイで何事かを話していた。
「さて、ウチ等がやれる事はここまでや。」
「後は彼等に任せましょう。」
初音達は、オールドタイム・ロンドンステージのコナン達の動向に目を移した。
☆☆☆
「……わかった。君もそこで彼らの様子を見守ってくれ。では。」
ピッ!
有希子からのケータイでの連絡を受け、コントロールルームから離れて会話をしていた優作は、
「やはりそう言う事だったか……。」
との思いをめぐらす。
そこへ、
「工藤先生!」
高木警部補と佐藤警部、そして千葉刑事が優作に呼びかけてきた。
「おや、君達か。」
「もしかして、初音から何か連絡が?」
「いや、初音君自身ではなく、同室者からの連絡でね。」
「で、一体何と?」
「初音君や白馬君達がデータを解析した結果について、今連絡が入ってね……。」
「それは?」
「……その詳しい事については、また後で。ただ、凶器について参考となるかもしれない情報があった。そこで君達に頼みたい事が……。」
「…………わかりました。高木君に千葉君、行くわよ!」
「「はっ、ハイ!!」」
優作の依頼を受けた三人は、ホテル内へと散っていき、優作もコントロールルームへと戻って行った。
☆☆☆
オールドタイム・ロンドンステージでは……。
「ええっ、切り裂きジャックが変装して乗客に紛れ込んでる!?」
列車内でジャック・ザ・リッパーの捜索を行っていたコナン達からその話を聞き、驚く車掌。
「乗客を一つの車両に集めて下さい!」
「わ、わかりました!!」
車掌は蘭の以来を受け、すぐに駆け出していった。
「さて、コナンの奴どうするかな?」
「お手並み拝見といこうやないか。」
エントランスホールの一同も注視する。
「それでは皆さん、両手を上げて下さい。凶器を持っていないかどうか、確かめさせて頂きます。」
車掌の指示通り、両手を上げる乗客達。
コナンはそれらをじっくりと観察する。
(じっくり聞かせてもらうぞ、お前の推理を……。)
優作もコントロールルームから注視する。
「コナンさん、うまくジャック・ザ・リッパーを見つけられるでしょうか?」
小ホールからコナン達を見守っていた葉槻が不安げに尋ねる。
「それについては心配無用でしょう。彼からすれば、初級クラスの推理でしょうよ。」
「そういう探さんには、誰がジャックか、分かりましたの?」
「いや。でも、コナン君がどういう方法で犯人を見つける積りかは、分かりました。」
ずっとコナン達をモニターで追い続けていた探は、紅子の問いに対して自信満々で頷いた。
「ではこれから、ミスター・ホームズの資料に書かれてあった事を説明します。」
乗客を前に推理を始めるコナン。
「ジャック・ザ・リッパーの二人目の犠牲者、ハニー・チャールストンは、ウィンザーと言う街で結婚していましたが、彼女は夢多き女性で、十年前に夫と息子を捨てて、ロンドンに出てきました。」
そういった後、コナンは大小二つの指輪が写っているモノクロ写真を提示する。
「この二つの指輪は、ハニー・チャールストン殺害現場の遺留品です。一つはハニーの物、もう一つは同じデザインだけど、ハニーのどの指にも合いませんでした。」
『……。』
息を呑んでコナンの推理を見守るエントランスホールと小ホールの一同。
「それをミスター・ホームズはこう推理しています。『この二つの指輪は、被害者ハニー・チャールストンとジャック・ザ・リッパーの母子の絆を象徴しているのではないか』と……。』」
「じゃあ、その小さな指輪は、ジャック・ザ・リッパーの物って事か?」
「そう、ハニーは同じデザインの指輪を息子の指にはめて家を出たんだ。」
秀樹の問いに答えるコナン。
「えっ!?すると、ジャック・ザ・リッパーは自分の母親を殺害したって事?」
「う、うん……。資料によると、ハニー・チャールストンが殺害された五月八日、この土曜日はホワイト・チャペル地区の教会で、月に一度、親子で作った物を持ち寄るバザーが開かれる日だったんだ。それをジャック・ザ・リッパーも知ってたんじゃないかって。」
「へー、そんな事まで書いてあったんだ。」
「つまり、ジャック・ザ・リッパーは、母親とバザーに参加したかったって言う気持ちを込めて指輪を二つ置いてったっつう事か?」
「うん、そう言う意味だって。」
「じゃあ、殺人の動機は、自分を捨てた母親への恨み……。悲しいわね……。」
「蘭……。」
「……。」
C62で必死にコナン達を追跡している園子と武琉も、運転台のモニターに映し出された推理を切なげに見守る。
「でも、犠牲者は三人目、四人目って……。」
「モリアーティ教授の英才教育が、ジャック・ザ・リッパーを異常性格犯罪者に育て上げてしまい、母親への恨みを晴らしても、母親と同じような女性を次々と襲うようになってしまったんだ。」
「それで、どいつだ!?」
「子供の頃から同じサイズの指輪をはめ続けていたら、その指はどうなると思う?多分、十本の指の中で、その指だけ細いはずだよ!」
ざわめく乗客達。
その様子を見るコナン。
そして、
「ジャック・ザ・リッパーは、お前だ!!!」
一人の栗毛の女性を力強く指差した。
「あの人は女性よ!」
疑問を呈する蘭。
だが、女性は悠然と右手を見せる。
「あっ……右手の薬指が細い!!」
女性は席から立ち上がり、ドレスを破り捨てる。
そして、本当の姿、凶刃殺人鬼ジャック・ザ・リッパーになった。
「うわあーーっ!!」
逃げ出す乗客達。
「任せて!」
蘭がジャック・ザ・リッパーを捕らえようと駆け出す。
「ダメだ、蘭!!」
制止しようとするコナン。
その時、
ボワッ!!
ジャック・ザ・リッパーが何かを床に叩きつけた。
途端に車内に煙が充満する。
「くそっ、煙幕!!窓を開けて!!」
指示を受け、窓を開ける秀樹。
そして煙が晴れた時、
「い、いない!?」
ジャック・ザ・リッパーや蘭の姿はどこにも無かった。
しかも。
「お、おい……!」
(!!乗客が全員消えている……どう言う事だ!?)
☆☆☆
「初音!」
佐藤警部が小ホールに入室してきた。
「おー、美和子か。」
「工藤先生に頼まれたんだけど……。」
「あ、これですね。」
探が三枚のDVD-Rを美和子に渡した。
「……何かまるで私が来るのを予期してたみたいね。」
「いや、佐藤警部とまでは予期してませんでしたが。」
「探偵同士の阿吽の呼吸ってヤツ?」
「ま、そういうこっちゃ。それより早よ、それを優作センセの下に持ってったりや。」
「ええ、分かったわ!!」
美和子はきびすを返して、小ホールを後にした。
☆☆☆
コントロールルームでは……。
「さて、我々も樫村殺害の犯人を突き止める事にしましょう。」
「ええっ、犯人が分かったのかね?」
優作に尋ねる目暮警部。
「問題は、犯人がどうやって凶器を用意したのか?この米花シティホールの入り口には、金属探知機が設置してあります。考えられるのは、凶器は最初からこの会場に用意してあった物を使ったと言う事です。」
「しかし、そんな物がどこに?」
「パーティ会場にあったブロンズ像です!!あの中の一体は短剣を握っています!!」
「会場には大勢の客がいたんだ!!あんな物を抜いたら誰かに見られるぞ!?」
「会場の照明が落ちた時に抜いたんです。予めタイムテーブルで決まっていましたからね。」
「……。」
息を呑むシンドラー会長。
「しかし、短剣が無くなれば、誰かが気づくんじゃないですか?」
疑問を呈する白鳥警部。
「偽物を置いたんです。ダンボールにアルミホイルか何かを巻いて作った短剣を。」
「じゃあ、今ブロンズ像が持っているのは、犯行に使われた短剣かね?」
「ええ。その短剣には、刃の武分に樫村の血痕が、柄の部分には実際に持った者の指紋が付いてる筈です。そうですよね、シンドラー会長!!」
「「「「!!!?」」」」
驚く小五郎に阿笠博士、目暮・白鳥両警部。
「血痕はともかく、柄の部分に私の指紋が付いてるのは当然だろう。私の物であり、何度も触ってるのだから。」
反論するシンドラー会長。
これに対し、
「これは犯行時刻前後にパーティー会場の監視カメラが記録した映像です。」
優作がビデオテープを提示し、阿笠博士に渡す。
「幸い、監視カメラは会場の至る所に取り付けられており、自由なアングルをダビングできました。」
阿笠博士は、コントロールルームのビデオデッキにテープを挿入する。
「諸星少年が蹴ったボールは、ブロンズ像に当たり、短剣を弾き飛ばします。それを彼が拾い、ブロンズ像の手に戻しました。」
映像には、その様子が克明に映し出されていた。
「そうか!!今映った短剣が本物ならば、少年の指紋も検出される筈!!しかし、短剣にあったのはシンドラー会長の指紋だけ!!」
「フン!!少年の後に私も触ったから、彼の指紋が消えただけだ!!」
あくまでも否定するシンドラー会長。
その時、
「工藤先生っ!!見つけました!!」
千葉刑事と高木警部補がコントロールルームに入って来た。
「ダンボールとアルミで作った偽の短剣が地下のゴミ集積所に!!」
「!!」
千葉刑事が提示した、ビニール袋に入れられた偽の短剣を見て驚くシンドラー会長。
「その偽物の短剣を調べたら、まず間違いなく諸星少年の指紋がある筈です。そして、そこに別の人物の指紋もあったとしたら、それは犯人以外には考えられません!!」
「でっち上げだ!!日本政府に抗議するぞ!!そもそも私には樫村を殺害する動機が無い!!」
なおも否定を続けるシンドラー会長。
「もし調べてみて、あなたと諸星少年の指紋が検出されなかったら、その時はいくらでも抗議して下さい。」
泰然とする優作。
そこへ、
「工藤先生!初音からこれを預かりました!!」
入室してきた佐藤警部が、三枚のDVD-Rを優作に渡す。
「ご苦労様、佐藤警部。」
「工藤先生、それは?」
尋ねる小五郎。
「これは、コクーンをクリアしたプレイヤー達が集めてきた、今回の事件の証拠品の一つです。」
「それには何が?」
「DNA探査プログラムと、それを消し去ったHDD消去ソフト、そして、ヒロキ君が探査プログラムを使って知ってしまった、あなたとある人物との関係が克明に記されている調査結果です。」
「!!!そ、そんなものでっち上げだ!!」
「おや、どうしました、シンドラー会長?私はまだ何も言ってませんが。」
「!」
しまったという表情を浮かべるシンドラー会長。
☆☆☆
エントランスホールでは……。
『ジャック・ザ・リッパーは一体、どこ行ったのよ!?』
メインモニターには、蘭がジャック・ザ・リッパーを探す姿が映し出されていた。
「この様子って、メイン会場の方には映し出されてるんですかね?」
「いや、これが見れるのはこのエントランスや小ホールだけみたいやな。」
瑛祐の問いに答える平次。
「つまりは、私達だけが裏面を見れるって訳ね。」
「何か得した気分やね。」
ちょっぴり満足げな恵子と菫。
その時、
『きゃあっ!?』
『!!!?』
一同は、蘭が何処から現れたロープに縛られる場面を見て、一斉に驚く。
「な、何だアレは!?」
「ら、蘭ちゃん!?」
「ちょっと、何やのん、アレ!?」
「蘭さんがフルオートで縛られてますが!?」
ざわめく一同。
「どうやら蘭ちゃん、列車内に仕掛けられていたオートトラップに引っ掛かったみてーだな。」
分析する快斗。
「オ、オートトラップって、何でそんなものがあるのよ!?」
「ノアズ・アーク、一体何を考えているのか……!!」
「っていうか、どこまで元々のゲームシステムで、どこからがノアズ・アークの介入なんだ?」
混乱し、不安げに見守る一同。
「園子さん、武琉君、コナン君達を早く……!!」
真も祈るような気分でモニターを見つめていた。
☆☆☆
コナン達は、列車の屋根の上で、ようやく、蘭とジャック・ザ・リッパーを見つけた。
「蘭!!」
「姉ちゃん!」
コナンと秀樹が叫ぶ。
「駄目〜〜っ!!来ちゃあ!」
蘭が、コナン達に向かって叫んだ。
蘭がロープで縛られている姿を見て、コナン達は足を止める。
『このお嬢さんとは、ロープで繋がっている。俺が落ちたら彼女も一緒に落ちるという訳だ。さあ、どう戦う!?』
「くそ〜〜〜っ!!」
歯噛みするコナン。
『おおっと。動くなよ。お前が少しでも動けば、このお嬢さんに俺のナイフがグサリだ。俺としては、お前とお嬢さんとどっちを先に殺しても構わねえんだからなあ!!ああっはははは!!』
「ゲーム世界の住人とは言え……ここまで凶悪な人格を持つものなのか……!!」
☆☆☆
「お〜い、どうすんだあ!工藤先生、アンタまた何で、こんな凶悪なキャラを設定したんですか!?」
コントロールルームのモニターに映し出されている、オールドタイム・ロンドンステージでの蘭の危機を見て、血相を変える小五郎。
「……ああ、いや、実在の人物や小説の中の人物を、なるべく忠実に再現しただけで……しかし、私の予想をはるかに超えた人格を、彼らは持っている……本当に生きているのかと錯覚するほどに……。」
「これこれ、毛利君。元々このゲームは、あくまで、安全に戻れるという前提の上で作られておるのじゃ。優作君に食ってかかるのは、間違いじゃろう。」
「そ、それは、分かっているんですが……蘭……。」
「見ているだけで、何も出来ない悔しさは、我らも同じです。」
優作は、ゲーム画面の我が子を見つめて、言った。
「ところで、ブロンズ像の短剣は、シンドラー一族の先祖から伝わる由緒正しい物だそうですね。」
再びシンドラー会長に目を向ける優作。
「いかにも……その通りだ!!」
「そんな短剣を、あなたはどうして凶器に使ったんです?凶器はどうしてもあの短剣でなければならなかった。とすれば……。」
優作は、モニターに映し出されているオールドタイム・ロンドンステージの場面にもう一度目を移した。
『お前の望みは何だ?ジャック・ザ・リッパー!!』
『望みだと?』
『母親を殺害して、長年の恨みを晴らした今、何を望む!?』
『生き続ける事だ!!俺に流れている凶悪な血を、ノアの箱舟に乗せて次の世代へとな!!ハーッハッハッハ!!』
「これが樫村殺害の動機ですね。」
「……。ジャック・ザ・リッパーの血は、まるでノアの箱舟に乗せられたかのように、現在まで生き続けて来た。……あなたはジャック・ザ・リッパーの子孫ですね?」
「!!」
決定打を突きつけられ、顔面蒼白になるシンドラー会長。
「ジャ、ジャック・ザ・リッパーの……。」
「子孫!?」
驚く両警部。
「恐らくヒロキ君は、DNA探査プログラムでそれを知った。IT産業界の帝王が百年前の連続殺人鬼の子孫等と知られたら身の破滅……だから、口封じの為にヒロキ君を自殺に追い込み、更に樫村を殺害した。」
「……あれは……ヒロキが私のコレクションを見に来た時の事だ……。」
シンドラー会長は、観念したかのように述懐を始めた。
それらを聞き終えた優作は、
「短剣から検出されたハニー・チャールストンのDNAが、あなたのDNAと合致した。あなたは恐れた。いつかヒロキ君がジャック・ザ・リッパーはハニーの息子だと知る事を。あなたの事をジャック・ザ・リッパーの末裔だと分かるのは時間の問題だと……。」
と指摘する。
「私は怖かったんだ!!先祖に殺人者がいる事が分かってしまう事が!!」
シンドラー会長は頭を抱える。
これに対し、
「何を言ってるんですか!!世間の目が何です!!どうして戦おうとしなかったんです!!今のコナン君達のように!!それに、例えヒロキ君がその事実を突き止めたとしても、それを公表などしたでしょうか?」
優作が厳しく一喝する。
「ヒロキは子供だったが、研究者だった。突き止めた真実を公表しない訳にはいかないだろう……。」
「いや、ヒロキ君は、傷つき易い心を持った少年です。思いやりの心だって持っています。世話になっている上に、尊敬するあなたを苦しめる事になるのなら、真実だからと言って、それだけで公表などするとは限りません。なぜヒロキ君を信じてあげられなかったのですか!?」
「!」
シンドラー会長は、ハッとした様な表情になった。
「私は世間に知られたくないあまり、逆に殺人鬼の祖先と同じ事を……!!」
「……トマス・シンドラーさん、樫村忠彬さん殺害未遂容疑で逮捕する!!」
「!殺害<未遂>容疑……って一体!?私は樫村を殺したはずだが!?」
白鳥警部に手錠をはめられながら驚くシンドラー会長。
「ほ、ホントですか、工藤先生!?」
「本当です、毛利さん。刺された場所が急所を外れてた上に、服部警視長がすぐに応急処置を取ったお陰で、どうにか命をとりとめ、今は病院の集中治療室にいます。」
「ほう、初音君がのう。」
「し、しかし、何で今まで黙ってたんですか?」
「服部警視長の指示で、樫村の身の安全を図る為です。」
小五郎の問いに答える優作。
「……そうか、生きてたのか、良かった……。」
安堵の表情を見せるシンドラー会長。
が、
「……だが私は、ヒロキを死に追いやってしまった。この責任を免れる事は……。」
またも悲痛な表情を浮かべる。
これを見た優作が、ある事を話す。
「……シンドラー会長、実はあなたにもう一つ伝えておく事があります。」
「?」
「実は、ヒロキ君も生きていますよ。」
「……な゛っ!?そ、そんなバカな!?」
驚愕するシンドラー会長。
「実は私もつい先ほど知ったのですが、二年前にアメリカに留学していました服部警視長が、ボストンのマサチューセッツ工科大学からの帰りに、偶然ビルから飛び降りようとしていたヒロキ君を見つけ、間一髪で助け出したのですよ。」
「し、しかし、私はヒロキの遺体に立ち会って……。」
「実はアレは、式神を使った偽物だったのです。服部警視長は、少年のヒロキ君がビルから飛び降りるのはただ事ではないと判断して、ヒロキ君の身の安全を図る為に、そういう処置を取らせてもらったのです。」
「……。」
「服部警視長は、このコクーンのイベントが終了したら、ヒロキ君を樫村の元に返す事を考えてましたが、今回の事件が起こったのを受け、もっと早く引き合わせてたらと大変悔やんでましたよ。」
「初音……。」
心配顔の佐藤警部。
「……そうか、ヒロキも生きてたのか、良かった……。」
更に安堵の表情を浮かべるシンドラー会長。
「それでは、失礼します。」
シンドラー会長は、白鳥警部に連れられて、コントロールルームを後にした。
「……さて、こちらの方は解決しおったけど、あちらはまだまたかかりそうじゃのう。」
モニターに目を向ける阿笠博士。
「いったいどうすればいいんですか、工藤先生!?」
「……信じましょう、毛利さん。まだ希望は潰えた訳ではありません。」
優作は、サブモニターに映し出されているある場面に目を向けた。
「んっ、あっ、アレは!?」
「なるほど、そう言う事かね?」
「ええ。」
優作は頷きながら、再びメインモニターに目を向けた。
☆☆☆
「ちいっ!あの野郎、凶悪にも程があるぜ!」
「かの切り裂きジャックなのだから、仕方があるまい。」
「そりゃ、分かってんだけどよ、ホント、サリーさんは身も蓋もねえ事言うな。」
「仕方あるまい、それがワタシだ。」
エントランスホールで、見ているだけの状況に耐えられず、快斗が憤り、サリーがたしなめる。
「くっそおおおお!また別のステージに行けるんやったら、俺が真っ先に工藤を助けに行くんに!」
平次が叫んだ。
『でも。この程度の事、彼らなら切り抜けられる筈。』
小ホールにいる探が、語りかけて来た。
「白馬、他人事や思うてよくまあそないな事言えるな!」
『服部君。君は時に熱くなり過ぎだ。まあ、それが悪いとは言いませんが、この際、熱くなっても何かしてあげられる訳でもない。』
「けど、白馬君!蘭ちゃん達があないな目に遭うてるのに、黙って見てなんか、いられへんで!」
「和葉ちゃんの言う通りやで!あんた……冷たいな!」
菫が抗議する。
『……熱くなったら彼らを助けられるのなら、いくらでも熱くなって見せますよ。』
探の言葉に、一同はハッとした。
冷静なように見えて、この男も深く静かに怒りを溜めているのだと、気付いたのだった。
その時、
「皆さん!オールドタイムロンドンに送り込んだ助っ人の存在を忘れていませんか!?今、彼らは猛然と正規プレイヤーを追っています!」
真の言葉に、皆、改めて別画面を見た。
『もっとスピードを出して!早く追いつくのよ!』
『こ、これで精一杯ですううう!!ほら、見えて来ましたよ!あともう少しで追いつきます!』
『らあああん!!今行くからねえ!』
そこには、C62に乗って、今まさに、コナン達に追いつこうとする、園子と武琉の姿が映っていた……。
☆☆☆
(こ、このままでは……どうする?どうしたら良い?)
冷や汗を流して考えるコナン。
その姿を見ていた蘭は。
(君を確実に破滅させる事が出来れば、公共の利益の為に僕は喜んで死を受け入れよう。)
新一がよく話していた、ホームズの言葉を思い出す。
(……誰かが、残らなきゃいけないのに、このままでは全滅するわ!だったら……ロープは繋がっている。私が落ちたら、ジャック・ザ・リッパーも……。)
「新一!」
蘭が、立ちあがる。
「蘭!?」
「信じてるからね!」
「オメー、何する気だ!?」
「最後まで、一緒にいられなくて、ごめんね……。」
「蘭!?バカな事を考えるな!!」
「後は、お願い……。」
「蘭!止めろ!らあああああん!!」
コナンが必死で手を伸ばす。
『お前、何する気だ!?おい、止めろ!』
ジャック・ザ・リッパーも、驚愕の表情になった。
蘭は、そのまま屋根を蹴って、飛び降りようとした。
その瞬間。
『ちょっと待ったあ!!』
ステージに蘭を静止させる大きな掛け声が響き渡った。
「えっ!?」
『むっ!?』
「あっ、アレは!?」
ブゥオーーーーーーーッッ!!
コナン達がいる汽車の後ろから、豪快な汽笛と共に、巨大な漆黒のSL――園子と武琉を乗せたC62が猛然と追い上げてきた。
そして、
がちゃーーーん!!
C62がコナン達の汽車に強制的に連結し、更に、
「武琉君!」
「はいっっ!!」
キキィーーーッッ!!
強制的にブレーキをかけた。
列車は橋の上で停止する。
『おわあっっ!!』
その衝撃で、ジャック・ザ・リッパーはバランスを崩してしまう。
「今だ!」
コナンは一瞬の隙を突き、
「とりゃーーっっ!!」
げしっっ!!
『ぐあっっ!』
ジャック・ザ・リッパーの脛を蹴り、横転させる。
『くっ、待てえ!!』
ジャック・ザ・リッパーがコナンにナイフを投げようとした時、
「てやあーーーっっ!!」
C62から武琉が飛び出し、
バコッッ!!
『ごふっっ!!』
ジャック・ザ・リッパーの懐に飛び込み、鳩尾にアッパーカットを食らわす。
「大丈夫、蘭!?」
続けてC62から出てきた園子が、蘭の縄を解いた。
「あ、ありがとう、園子!」
「サンキュー、園子!!」
礼を言う蘭とコナン。
『ええい、なめるなあ!!』
激高したジャック・ザ・リッパーが、武琉に向かって5本連続でナイフを投げた。
「おっと!」
武琉はその軽い身のこなしで、ナイフを次々と避けていく。
そこへ、
「えーーーーいっっ!!」
バキッツ!!
『があっっ……!』
園子がホーリーラケットで、ジャック・ザ・リッパーの顔面に、強烈なスマッシュをぶちかました。
「よーし、いけえ!!」
「そのままいてもうたれ!!」
「園子さん、凄い!!」
応援に熱が入るエントランスホールの一同。
「園子殿、異様に熱が入ってるでござるなあ。」
「蘭ちゃんにコクーンのバッジを押し付けた事への責任をずっと感じてたからね。」
小ホールの一同も、コナンや園子達の活躍を見守る。
『きっ、貴様等あーーーーーっっ!!』
更に激高したジャック・ザ・リッパーは、両手にダガーを持ち、コナン達に飛び掛った。
が、そこへ、
「はああああああ……。」
蘭が深呼吸をしながら身構える。
そして、
「てやあーーーっっ!!」
バキッッッ!!
『がふっっ……!』
蘭の鉄拳がジャック・ザ・リッパーにヒットし、
『うわああーーーーーーっっっ!!』
石橋の下の谷底へ真っ逆さまに落ちていった。
「ああっ!?こ、殺してしまったの!?」
真っ青になる蘭。
「おい、蘭!しっかりするんだ!相手はゲームの登場人物、ただのプログラム!シャドウドールを倒したのと一緒で、別に人殺しをした訳じゃねえ!」
「そうよ、蘭!それに、ヤツを倒さなきゃ、こっちがやられてた。仕方ないのよ!」
「頭では、分かってるけど……でも……!」
このゲーム内では、血肉の通った人間を蹴った時のようなリアルな感触がある。
まんま機械と同様のシャドウドールと違い、その感触を持っていたジャック・ザ・リッパーを倒した蘭は、割り切れ無い気分にいた。
心配そうに見やるコナンと園子。
しかし直後、
「You Win,Game
Clear!Congratulation!!」
の大文字が表示され、
「「や……やったあ!」」
「ゲームクリアーよ、蘭!!」
「これでみんな助かるぜ、蘭!!」
「そ、そうね……!」
コナンや園子、武琉と秀樹は今のモヤモヤを忘れ、抱き合って喜んだ。
蘭も迷いを振り切るかのように頭を振って、微笑んだ。
「おお、やったあーーー!!」
「これで子供達が帰ってくる!!」
「殿下も無事に戻られるぞ!!」
歓喜に沸き立つメイン会場の父兄や関係者達。
「や……やったあーーーーっっ!!」
「姉ちゃん、やるやんか!!」
「さすがだぜ、蘭ちゃん!!」
「これで僕等も帰れますね!!」
「よく頑張りましたね、園子さん……!!」
エントランスホールで応援しながら待機していた一同も大喜びだ。
「やれやれ、これで一段落つきましたね。」
「後は皆の衆が戻ってくるだけでござるな。」
「ハア〜、今日はホンマに疲れたわ〜。」
小ホールの一同もホッと一息入れる。
「よっしゃあ!いいぞ、蘭!!さすが俺の娘だあ!!」
シンドラー会長が連行された後も、コントロールルームで見守っていた小五郎が、娘の大活躍に歓喜する。
「蘭君もなかなかやるのう。」
阿笠博士も感心する。
「これでコナン君達も無事に戻って来れそうですね、工藤先生。」
安堵する佐藤警部。
「そうですな。(……だが、この割り切れないような予感は一体?)」
ゲームが終了したにもかかわらず、優作は言い知れぬ不安を感じていた。
「あ、そう言えば、ゲーム終了したんだから、エントランスホールに戻される筈だよな。」
「何だか、時間がかかってますね……。」」
無事、クリアーした筈なのに、いつまでもエントランスホールに戻らない現状に、皆の心に不安がきざし始めた。
その時!
『うおおおおーーーーーっっっ!!!』
何と、谷底に落ちたはずのジャック・ザ・リッパーが飛び上がってきた。
「なっ!?あ、アイツ生きてたのか!?」
「しかも、浮遊してるぞ!!」
「そっ、それにあの黒いオーラは一体!?」
驚くコナンと秀樹、武琉。
「ああ、よかった、生きてたのね。」
「いや、そういう問題じゃないでしょ!」
安堵する蘭にツッ込む園子。
「ゲーム終了の表示が出た筈なのに……何故だ!?ノアズ・アーク、卑怯な……!!」
「そ、そんなバカな!ノアズ・アークは何も……!」
「!?」
コナンが激高し、秀樹は青くなって慌てていた。
が、様子がおかしい秀樹を見て、コナンは何事かを感じ取ったような表情になる。
「……介入者は、ノアズ・アークだけではなかったって事か……。」
「新一?それって一体……?」
「四の五の言ってる余裕はねえ!来るぞ!」
『ハア、ハア、ハア……貴様等……許さあーーーーんっっ!!』
怒れるジャック・ザ・リッパーは、全身にまとう黒いオーラを全開にした。
そして、
「なっ、何だアイツ!?」
「へっ、変身……!?」
ジャック・ザ・リッパーは、頭にヤギのような長いねじれた角、炎のように真っ赤な目、吸血鬼のような長いキバ、トラのような爪を生やした巨大な手、ドラゴンのような長い尻尾、コウモリのような翼、カモシカのようなかかとの長い足をもつ異形の怪物、暗黒凶刃電脳悪霊ジャック・ザ・スペクターへと変貌した。
『グゥウオオオオーーーーーーーーッッ!!』
変身を終えたジャック・ザ・スペクターは、漆黒の夜空に向かって吼える。
『なっ、何だあの化けモンは!?』
『アレがジャック・ザ・リッパーなんか!?』
『これ、反則じゃない!!』
『ノアズ・アーク、ここまでやるか……!?』
エントランスホールで応援していた一同がまさかの展開にざわめく。
「こ、これは、どういう事でござるか!?」
「まさか、これもノアズ・アークが!?」
「……ヒロキ君が作った人工知能ノアズ・アークが、このような卑怯な手を使うなんて思えないのだけど。」
「有希子さん、でも、現に、あの状況ですよ!」
「……いや。あれは、ノアズ・アークの仕業ではありませんね。」
探の言葉に、一同一斉に探を見る。
『な゛……!?ど、どういう事なんだ(なの)、白馬(白馬君)!!』
エントランスホールにいる面々も、一斉に探を注視した。
☆☆☆
「これは……!」
「くっそおおおお!ノアズ・アーク!大人が汚いような事ぬかしておきながら、オメーが一番汚ねえじゃねえか!!」
「いや。毛利さん。どうやら……。」
「さよう。これは、バグですな。」
「バグ!?」
「おそらくは。シンドラー会長が使ったデータ消去プログラムが、ノアズ・アークと非正規メンバーの介入の際の影響によって変異して、ジャック・ザ・リッパーのプログラムと結合して出来た、プログラム・バグだと、思われます。」
「……!!って事は。」
「そう。おそらく、ノアズ・アークにも、元々のゲームプログラムにも、どうする事も出来ない。」
「そ、そんな……!!せっかく、ゲームクリアーしたのに!」
「……多分、ですが。ノアズ・アークの出した最初の条件は、既にクリアーしている。だから、ノアズ・アークが、子供達の脳に電磁波を流す事は、もうしないでしょう。」
優作の言葉に、一同はホッとする。
「ただ。このプログラムバグを何とかしないと、子供達は、目覚める事が出来ないかもしれません。」
「じゃ、じゃあ!コナン君達があの化け物を倒さないと駄目だって事なんですか!?」
「そういう事に、なりますね。」
佐藤警部の問いに答える優作だが、さすがの彼の表情にも、憂いの色が強くなっていた。
(新一……頑張れ。)
☆☆☆
オールドタイム・ロンドンステージでは……。
『グルルルルルルルル……。』
殺意に満ちた眼差しでコナン達を威嚇するジャック・ザ・スペクター。
「ど、どうしよう、新一……。」
不安げになる蘭。
「まずい……奴の戦闘能力はハンパじゃ無さそうだから、俺や蘭、諸星は一撃でアウトになっちまう……!!」
苦慮するコナン。
だが、
「ええい、こうなったら、奴を倒して一気にケリをつけてやるわ!!」
園子が勇ましくホーリーラケットを身構える。
「なっ、そ、園子!?」
「おい、奴はタダの怪物じゃねーぞ!いくらお前でも……。」
静止しようとするコナンに対し、
「新一君、私はこう見えても、C-Kジェネレーションズの一員なのよ。光の勇者として、黙って見てる訳には行かないわ!」
と、力強く応える。
更に、
「僕もアルファトゥオメガの一員として、負けてはられません!!」
武琉も園子に反応するかのように、ストライクナックルを装着し、ジャック・ザ・スペクターに対して身構えた。
「園子、武琉君……。」
「新一君、蘭や諸星君を頼むわよ。」
「……ああ、わかった。絶対に勝てよ。」
「ふっ、任せといてよ。じゃあ、武琉君、行くわよ!!」
「ハイ、園子さん!!」
園子と武琉は、一斉にジャック・ザ・スペクターに対し攻撃を仕掛けた。
「てやあーーーっっ!!」
「たあーーーっっ!!」
『ぬうんっ!!』
ガシッッッ!!
「えっ!?」
「なっ!?」
ジャック・ザ・スペクターは、二人の攻撃を巨大な両手で受け止め、
『ぐあああーーーーーっっ!!』
「きゃあーーーっっ!!」
「うわあーーーっっ!!」
そのまま前方に投げ飛ばした。
「園子!!」
「「危ない!!」」
蘭が園子を、コナンと秀樹が武琉をそれぞれ受け止めた。
「サ、サンキュー、蘭!」
「ありがとう、コナンさん、秀樹……!!」
感謝する二人。
するとそこへ、
『ぐぅおーーーーっっ!!』
ジャック・ザ・スペクターが迫ってきた。
「こいつ、正規プレイヤーを優先的に殺る気ね!」
「そうはさせない!!」
「「とりゃあーーーーっっ!!」」
バキッッ!!
『ぐうぉうっ!!』
二人の攻撃が、ジャック・ザ・スペクターにヒット!
「よし、いいぞ園子!!」
「頑張って、武琉君!!」
二人への応援に熱が入るコナンと蘭。
だが、攻撃を受けた事でジャック・ザ・スペクターは更にいきり立ち、
『ぬうんっ!!』
右手に巨大な魔剣デッドソードを装備して振り回した。
「おおっと!!」
間一髪避ける園子。
が、
『とああーーーーっっ!!』
ブゥウォン!!
「きゃあーーーっっ!!」
「うわあーーーーっっ!!」
デッドソードの衝撃波を食らった園子と武琉は、C62の方へ飛ばされてしまう。
「「園子!!」」
「武琉!!」
血相を変える三人。
そこへ、
『ぐるるるるるる……!!』
ジャック・ザ・スペクターが三人の方を向いた。
「!」
「おい、まずいぜ、これ!!」
「くっ、こうなったら!」
蘭が覚悟を決めて、ジャック・ザ・スペクターに向けて突進する。
「な゛っ、ま、待て、蘭!!」
「む、無謀な!!」
血相を変えるコナンと秀樹。
「蘭、だめぇ!!」
「蘭さん、何の装備も無しに!!」
園子や武琉も青ざめる。
「ていやあーーーっっ!!」
蘭はジャック・ザ・スペクターにストレートを食らわそうとした。
だが、
「えっ!?」
ジャック・ザ・スペクターは、すばやく飛翔して、これを避ける。
そして、コナン達の方へと回りこんだ。
「しまった!新一!!」
「くっ!!」
『ぐぅおおおーーーーーっっ!!』
ジャック・ザ・スペクターがデッドソードを手に、コナンに対し凄い勢いで突っ込んできた。
「新一君!」
「コナンさん!」
叫ぶ園子と武琉。
『!』
ジャック・ザ・スペクターの素早い動きに、さすがのコナンも反応する暇が無く、全員がコナンがやられる事を覚悟していた。
ただ一人を除いて……。
ぐさっ……!
「……え?」
自分が刺されたと思ったコナンだったが、その感触が無いのを感じ、ふと前を見た。
すると。
「……!」
コナンの顔が見る見るうちに真っ青になった。
いや、コナンだけではない。
『……!』
園子や武琉、秀樹、そしてエントランスホールや小ホールで応援していた一同も、時が止まったかのように、一様に顔面蒼白になる。
なぜなら、
「ら…………らぁーーーーーんっっ!!!」
蘭がコナンの前に立ちはだかり、自らが盾になって、ジャック・ザ・スペクターのデッドソードに刺されたからだ。
思わず絶叫するコナン。
「い……いやあーーーーっっっ!!」
園子もたまらず絶叫する。
だが、
「く……。」
『ぬうっ!?』
蘭はジャック・ザ・スペクターの腕を掴み、そのまま剣を引き抜き、
「てやあーーーーっっ!!」
どがっっ!!
『ごふあっっ!!』
渾身の右ストレートをジャック・ザ・スペクターにぶちかまし、列車の屋根から遠く叩き出した。
そして、列車の屋根に倒れ伏した。
「ら、蘭!!」
「蘭!!」
「蘭さん!!」
蘭に駆け寄るコナン達。
だが、蘭の体は既に虹色の光に包まれていた。
「蘭、しっかりしろ、蘭!!」
「し、新一……みんな……。」
コナンが蘭を抱き起こす。
「馬鹿よ、アンタ本当に馬鹿よ!!」
「しっかりして下さい、蘭さん!!」
「おい、しっかりしろよ!!」
「大丈夫よ、痛みも全然無いし、単にステージから退場するだけだから……。」
「蘭!!」
そこで蘭は微笑み、
「新一……信じてるからね……。」
そういい残し、蘭の姿が掻き消えていった。
「……!」
コナンは空を抱く。
「ら……らあーーーーーーーーーーーんんっっっ!!!」
彼の絶叫がステージに響き渡った。
To be countinued…….
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