angel達の楽園



by 月代奈哉様



〜12〜



「皆様、いってらっしゃいませ。」

文化祭初日の朝、新一達は、いつもの様に送り出された。去年の文化祭と違う点は、新一と蘭の服装である。去年までは、学園の制服だったが、今年は2人共スーツである。

「じゃぁ、また後で。時間になったら、連れていくし、連れてきてね。」

3校には、文化祭の開会式がある。1学部ずつ交換出席となったのだ。東都は、1、2年の法学部が移動(1年が工藤、2年が帝丹)し、帝丹は、2、3年の医学部(2年が工藤、3年が帝丹)が移動。工藤は、高等部3年A、B組(A組が東都、B組が帝丹)が向かった。



  ☆☆☆



東都大法学部・・・

「あれ?工藤、スーツ着てる。なんで?」
「いちいち着替えんのが面倒なんだよ。挨拶やらなんやらあるし。」

会長は大変なのだ。

「新一、時間良いのか?もう10時になるぞ?」

自分でも確認したが、本当に時間である。

「じゃぁ、行くか。」

法学部1、2年に声を掛け、出発だ。

「近くから見ても、でっけー。」

近くで、工藤学園を見た彼等の感想だ。全員が門を通る。すると、

「ようこそ、工藤学園に。」

教師達が、頭を下げていた。新一の後ろに、かなり引く東都メンバー。

「誰がこんな事しろって言ったんだよ?」
「優貴様が、丁寧にお迎えする様にと・・・いけませんでしたか?」

新一の剣幕にビビっていたが、きちんと返答した。

「帝丹の時には、絶対にやるな。お前等、さっさと自分の持ち場に戻れ。」
「は、はい。」

教師達は、後ろに、帝丹大メンバーを引き連れていた蘭を見て、急いで持ち場に戻った。

「石原、コイツ等案内しとけ。」
「はい。分かりました。席は、空いている所で、宜しいですか?」

軽く頷いて、後ろに。快斗と平次も付いてきた。

「安藤、お前も先に案内しとけ。」

安藤は、一礼して全体に声を掛け行ってしまう。園子達の学部は、関係ないが手伝いの為、来ていた。

「んじゃぁ、手伝ってもらおうかな。」
「何すれば良いのよ?」

園子は、半ばキレ気味で新一に問う。実は、新一にジャンケンで勝ったら、パシリをやらず、負けたら、パシリをやると約束してしまい、負けたのだ。

「3人で、受け付けをやってもらおうか?」

和葉と青子も一緒に負けたのである。

「「「はい・・・」」」

快斗と平次には、開会式で、警備をやらせる。

「皆様、おはようございます。本年より、名前が変わった我が校の文化祭『新蘭祭』へようこそ。これから3日間、我が校と東都、帝丹大学の文化祭を思う存分お楽しみ下さい。」

普段の新一からは、想像出来無いような笑顔で挨拶をした。勿論この顔は、営業スマイルである。

「次、部活動発表会。会長が、クジを引くので当たった部は、パフォーマンスをしましょう。」

文化祭なのに初めにこれとは、びっくりである。
・・・

「サッカー部。」
「会長が引いたのは、サッカー部です!大学部1年のサッカー部は、舞台に上がりましょう。」

サッカー部が、マイクを持って舞台に上がった。

「指名して戴いた、サッカー部です。今日は、『オーバーヘッドキック』を披露させて戴きたいのですが、一番上手いサッカー部1年は、帝丹大学の方に出席しています。」

会場から、えーっと声があがった。

「大丈夫です。サッカー部ではありませんが、サッカーやらせたら、世界一の人間が居ますので。小中高と彼と一緒でしたが、彼のオーバーヘッドを止められたキーパーは、居ませんでした。」

淡々と話す。

「その人物は、我等が理事長の工藤新一です!」

わあぁぁぁと歓声があがった。新一は、嫌な顔をし、同級生のサッカー部員を睨んだ。

「理事長?早く来てくれます?」

仕方なく、上着を脱いで舞台に上がった。

「では、理事長にオーバーヘッドで的当てをして戴きましょう。」

後ろに小さな的があった。直径10cm程の的である。

「小さッッ」
「理事長には、無理ですか?」

嫌味たっぷりに言われ少々悔しかった。

「出来るに決まってんだろ?本気で蹴っていいのか?」
「本気で蹴んなきゃ的もってる奴の肋骨砕けるだろーが。」

つい本音が出る。新一のキックを知らない奴等は、?を浮かべていたが。

「では参ります。」

ボールが新一に渡ると軽くリフティングをして思いっきり蹴った。

パフ

「今、威力が足らなくて軽く当たったんじゃ?と思う方、大間違いですよ。取れない理由は、キャッチの寸前に減速するからなのです。」

へぇ〜と感心するような声が聞こえた。

「減速せずに蹴ったりしたら、普通の人間ならば肋骨砕けるでしょう。」

この一言で東都と帝丹メンバーは顔色が変わった。そんなたわいもない話が続いている中、ガラッと扉が開き、生徒が3人倒れこんできた。

「おい、お前等。どうしたんだ?」

駆け付けた教師が聞く。

「て、帝丹で俺等をちゃかした奴が居たんです。」
「キレやすかったうちの方の奴等キレちゃって。」
「今、帝丹と殴り合いの喧嘩になって、止めたんですけど、駄目でした。」

代わる代わる話した。

「それで、工藤先輩に来てもらいたくって。工藤先輩の話なら、聞くと思うんです。」

近くに来ていた新一が、

「石原、安藤、奈美、和成。行くぞ。」

※奈美→森田奈美。朔菜のお付き。和成→森田和成。朔也のお付き。奈美の双子の弟。

「「「「ハイッ」」」」

召集をかけ、工藤家一同の出動である。



to be countinued…….





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