angel達の楽園



by 月代奈哉様



〜15〜



朔也との会話途中に割り入った電話(快斗から)は物凄い事を新一に、告げた・・・

『実は、階段で、お前がやる、ベースを落としちまってな。真っ二つになちゃって・・・』
「はぁ?」

やはり怒っているのだろう。怒気を含んだ声で聞き返す。

『あのな、新一。黙って最後まで聞けよ?』
「分かったからさっさと言えよ。」
『はい。実は、平が俺を突き落としたんだって。それで、ベースが運悪く飛んじゃって・・・』
「んで?お前等がすべき事は何だ?」
『2人で弁償します。』
『値段は?』

平次も、隣で聞いていたらしく、聞いてきた。

「アレ60万すんだよ。30万ずつ払うか?」
『えぇっ?んなすんのかよ!?』

話を黙って聞いていた蘭が、新一から携帯を奪い取ると、

「快斗君、服部君。気にしないで?弁償なんかする必要ないよ。新一の給料から引いとくから。」

おい。と文句を言い掛けていたが、蘭に睨まれたので黙り込む。

『ホンマか?有難う。でも、ベースどないするん?出来ひんやろ?』
「大丈夫よ。本館の物置に5台位あるから。今誰が取りに行くかで、ジャンケンしてるわ。」
『さよか。ほなまた後でな。』

電話を切ると、丁度負けが決まったところだった。

「・・・兄貴に普通取りに行かすか?」
「ジャンケンに弱い兄貴が悪いんだよ。そもそも兄貴ベース弾けんの?」

朔也の放った一言に皆が、固まる。そう新一は、超楽器音痴なのだ。(歌も駄目)暫しの沈黙ののち、新一がやっと口を開く。

「リコーダーとかの吹く楽器は無理だけど。弾く楽器は出来んだよ。」

※こう言う事にしておいて下さい。作者より

「マジで?俺、兄貴が楽器やんの見んの初めて。去年までロスだったし。」
「始めたのが、一昨年だから知らなくて当然じゃない?」

そう、有希子がやろう!と言いだしたのが一昨年・・・優貴達も帰国予定だったが、用事があって来れなかったのだ。









翌日・・・


新蘭祭の最終日。午後1時に開始である。メンバー紹介を先に。

ヴォーカル  園子&青子(ソプラノ)和葉&優貴(アルト)
ピアノ 蘭
エレキギター 快斗&平次
ベース    新一
ドラム    朔也
トランペット 朔菜&尚也

この11人で演奏を行なう。最初の2曲の間にマジックショーが入っている。後はのちのち説明しよう。



  ☆☆☆



帝丹大学・・・


「衣裳、間に合うかなぁ?」
「大丈夫よ、青子ちゃん。工藤の事だから間に合わせるわよ。」

青子の呟きに園子が答える。蘭も新一を信用しているので、間に合うと信じている。

「義姉貴。兄貴からの伝言。『困った事になったから、安藤と一緒に今すぐ来い』ってさ。兄貴は本館に居るよ。」
「分かった。有難う。安藤さん、行きましょう。」
「はい。」

本館とは自宅の事。何なんだろう?と、?を飛ばしながら、自宅へ向かった。



  ☆☆☆



「あ、新一。何があったの?」

質問には答えず、黙ってソファーを指す。そこには・・・

「拓海!?あんた何やったのよ?」

石原拓海が足にギブスを付けた状態で座っていた。

「このバカ階段から、落ちたんだよ。3階から下まで。病院に行ったら、案の定骨折。落ちた理由は、降ってきた書類の山を避けようとしたから。」

新一の説明に石原は苦笑い。本当の事なのだ。

「そこで、だ。安藤に2ヵ月休暇をやるから、その間このバカの面倒を見てくれよ。」
「はぁ!?何言ってんだよ!?」
「バカの面倒を見るのは構いませんが、蘭様は・・・?」

石原の発言を無視して話は続く。

「私はそんなにやわじゃないわよ?忘れちゃったの、安藤さん?」
「蘭様が空手で全国一になったのは知っておりますが、以前の話ですよね?」
「平日は、毎朝稽古やってるのよ?安藤さんの出勤前に。」

実は、そうなのだ。毎朝、工藤学園の空手部と一緒に朝練を行なっている。

「そうだったんですか。すみません。」
「安藤。石原の事、頼んだぞ。」

それだけ言うと、蘭を連れて文化祭へ戻った。



  ☆☆☆



「新一君。何か来たみたいよ?」

帝丹で手伝いをしていたら、工藤財閥のヘリが飛んでいるのが、目に入った。

「やーっと届いたか。」

新一は、そのヘリに乗っているであろう業者の人間との値段交渉&受け取りに向かう。

「こればかりは譲れません!!」
「3日前には出来てたんじゃないのかよ?」
「それとは話が違います!!」

見事な光景である。工藤財閥会長に食って掛かれる人間は少ない。

「違わねぇだろ?倍って言ったのは間に合ったらの話であって、期限過ぎてんだよ!」
「ですが、本番には間に合いますでしょう?」

確かに間に合うので、何も言えない。

「・・・じゃぁ、せめて25引けよ。3日過ぎてんだから。」
「25・・・〜ッッ分かりましたよ。75で話をつけましょう。」

やっと折れた。その場で現金払い・・・計450万なのだが。

「・・・これ結構重いんですけど。」
「文句言わないの。」

新一は1人で(手伝ってはくれなかった)6着の衣裳を運んできた。蘭達は工藤学園の方で着替える。優貴達の関係と恥ずかしいからでだ。

「わぁッ可愛い!」
「ホンマや。工藤君、センスええなぁ。」

新一がデザインした衣裳にご満悦のようだ。

「お義姉のってさ。かなり力入れてデザインしたでしょ?」



to be countinued…….





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