angel達の楽園
by 月代奈哉様
〜18〜
「解除カードがない!?あんた、どうする気?」
「誰も持ってねぇんだから、しゃーねぇだろ!!大体母さんだって持ってたんじゃねぇの!?」
売り言葉に買い言葉、である。有希子と新一の喧嘩は、よくある事だ。
「私は、もう関係ないじゃない。それより、5人も居て誰も持って無いのっておかしいんじゃない?」
「悪かったわね。お兄ちゃんが持ってるだろうと思ってたの。」
朔菜が応戦する。が、新一は・・・
「最終手段しかないから、どけ。」
「はい?最終手段って何?」
皆が疑問符を浮かべる中、蘭だけは理解していた。PCを持って新一から、離れたのだ。それだけで、全員が何をするか正しく理解した。そして、半径5m以内に居る人は、避難した。
ドカッッ
予め本社、学園と回線を切ってあったのですんなり壊す。
「全員集合。」
新一が、その場に居る社員達を集める。
「誰でもいいから、セキュリティ会社呼んで。警備部はそのまま続行。他は服装を整えて、正門前に並べ。客が来る。」
『ハッ』
「蘭、優貴、朔也、朔菜。お前等も着替えた方が良いぜ。客はシオン達、親子で来るってよ。」
その言葉で、4人は一斉に着替え始めた。だって彼等は、一応、一国の王族なのだから。指示を出してから、新一も着替える為に舞台裏へと引っ込んだ。朔也達は、ネクタイまでしっかりとしめていたが、新一は、ノーネクタイ。ちなみに、Yシャツの第一ボタンは外れている。
「ネクタイ位しめなさいよ。シャノンさん達も来るんでしょ?」
「シャノン達だから、良いんだよ。」
※シャノン・・・シオン達の父。国王でもある。妃は、ジュリである。
☆☆☆
正門前・・・
『お待ちしておりました。皆様。ようこそ、工藤学園へ!』
たくさんの出迎えに喜ぶシャノン一行。新一への挨拶は欠かさず行なった。
「久しぶりだな、シンイチ。」
「あぁ、久しぶりだな、シャノン。」
シャノンと握手をしてから、挨拶をした。立場は同じなので、あまり気を使うような事は、しない。
「なぁ、シンイチ。ユウサク達は居ないのか?」
「居るぜ。ゆっくり話したいなら、場所貸すけど。どうする?」
「あぁ。頼む。だが、シオンとカノンは・・・?」
心配しているのが、よく分かる。だって2人は、極度の方向音痴だから。
「連れてくから、気にすんなよ。じゃぁ、父さん達に案内させるから。待っててくれ。」
「あぁ。分かった。」
第一体育館・・・
「父さん、母さん。シャノン達が会いたがってる。まだ、正門前に居るから、後宜しく。」
「・・・分かった。」
とても短く簡潔な会話である。優作達は、納得してないようだが、まぁ仕方ないだろう。
「失礼しました。急な来客は止めて欲しいものです。」
マイクを通して言うと、皆笑っただけなのに、1人だけ怒る奴が居た。
「工藤財閥はどうなっているんだ!!こんなに客が居るというのに、たった4人の為に出て行くなんて、信じられん!」
業界では、トップの方に居る男だが、それは今をもって取り消しになるだろう。歴史が浅いとは言え、日本二大財閥の片割れとなった、工藤財閥の会長にそんな口を聞いてしまったら、もう日本の財界では生きていけない。それ程の力を持っているのである。
「会長、宜しいですか?」
警備部が念の為尋ねるが、新一から返答はない。好きにして良いらしい。
「私の言う事は、間違っていないだろう。それでも文句あるか?」
「大ありだよ。テメェ1人の我儘にゃ誰も付き合えねぇよ。」
返事を返してきたのは、工藤学園の生徒の佐々木。新一の高等部までの同級生だった奴で、国内最大のセキュリティ会社の跡取りである。
「お、お前、私がどんなポストに居るか知らないのか?工藤より上だぞ!?」
地位的には上だったかもしれないが、今はもう違う。新一にあんな口を聞いてしまったら、もう本当に駄目なのである。
「違うな。あんたは、財界の人間では無くなった。もう終わりだよ。」
「くっ・・・」
「では、お引き取り願えますか?」
新一が静かに問う。答えは、分かりきっている。勿論『Yes』だ。
「・・・わ、分かりました。失礼します、工藤会長。」
日本で働ける場所は、無いだろう。この学園祭には日本各地の財界トップに君臨する人間が、揃っているからだ。そして、シャノン達がどれ程の身分の人間かも理解した上で、話を聞いていたのだ。
「本当、貴方駄目ね。工藤財閥にそんな口きける処なんて何億社とある中のほんの一握りよ。」
「そ。どんなに会長と仲が良くても、身分が違いすぎるからな。」
園子と佐々木が止めをさした。外に出たところで、話しているので、新一と蘭には、聞こえてはいない。
「多少の邪魔が入りましたし、だらだら続けても意味無いんで、ラストに移りたいと思います。」
新一が言い放った瞬間、大量のチケットが舞う。これがラストチャンスなので、まだ持っていない者は必死だ。
☆☆☆
10分後・・・
すべてのチケットが無くなると、歓喜の笑みを浮かべる者とひどく落ち込む者にわかれた。
「あ、言い忘れてましたが、本物に見えても使えないチケットが殆どです。」
大量に配って全部が使えたら、凄い人数が集まる事になってしまう為、運の良い奴のみ参加が可能だ。まぁ、50人程でペアは全て使用可能だ。
to be countinued…….
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