angel達の楽園



by 月代奈哉様



〜9〜



「悪かったな。馬鹿な兄貴でよ。」

この一言を聞き、3人は、固まった。

「あ、そのー・・・」
「もう遅ぇよ。じゃぁ、始めるか。」

妹達に、弁解の余地は無かった。

「あ、あのー。自己紹介とか無い?」

尚也が遠慮がちに言ってきた。

「・・・あ!顔見知りばかりだから、忘れてた。」

じゃぁ、優貴から。と自己紹介だ。

「工藤学園生徒会長の工藤優貴です。」
「会計の朔也です。」
「書記の朔菜です。宜しくお願いします。」

他の副会長達は、外されている。

「工藤の妹と弟?」
「はい。」

次は、帝丹組・・・

「あたしは、服部和葉です。よろしゅう。」
「黒羽青子です。宜しくね。」

彼等の間に、まだ子供は居ない。

「えっ?苗字同じ?」
「色々とあんだよ。新一、何を決める為に俺等を集めた訳?」

面倒臭そうに快斗が、尋ねる。

「まずは、合同で何をやるか、でしょ?」
「あぁ。何がやりたい?金とかは気にしなくて良いから。」

この点は、さすが金持ちと言うか。

「じゃぁ、恒例のアレにあたし等の参加でええんとちゃう?」
「小関くん、だったかしら?貴方何か楽器出来るかしら?」

尚也の答え次第では、和葉の案は却下になりかねない案のようだ。

「俺?えっとトランペットなら・・・」
「トランペット、か。大丈夫よね?」
「多分な。」

恒例のアレとは、工藤一家が生徒会を巻き込み、楽器を演奏したり、踊ったりする行事の事だ。

「じゃぁ、近いうちに楽譜を興しとく。踊りは基本的に去年と同じな。小関は、レッスンだ。」

一時フリーズしたが、まぁ、無視?



しばらくして、案がまとまったので、彼等が応接室(その奥が理事長室)から、出ようとすると、誰かの声が聞こえてきた。

『ねぇ、蘭様ってさー。大して可愛くも無いのに、新一様と結婚しちゃったわよねー。』
『そうねぇ。何かやったんじゃないの?』

応接室の中に、沈黙がはしる。

『全くよねー。玉の輿狙ってたんじゃないの?』

ここまで聞いたら、2つあった電話を、新一と園子が同時にとる。

「青果輸入の久我とレストラン経営の前川ね。私は、久我で良い?」
「あぁ。」

そして、掛け始めた。



〜新一の場合〜


「あ、工藤財閥ですが、社長はいます?」
『工藤様ですね。少々お待ち下さい。』

前川は1分程で出た。

『はい。どうかなさいました?』
「いえ、うちと鈴木財閥との契約の打ち切りのご連絡をしたまでです。本日付けで、契約切りしますので。」

あっさりと言った。

『はい?何があったんですか?』
「お嬢様がちょっと・・・あ、お嬢様は退学処分とさせていただきます。」

それだけ言って電話を切った。園子は・・・

「あ、鈴木財閥です。社長居ます?代わって欲しいのですが。」
『分かりました。少々お待ち下さい。』

出てくるまで2分弱。

『はい、代わりました。御用は・・・?』
「うちと工藤財閥としている、契約の打ち切りの連絡です。本日付けで、切りますので。」
『えっ?な、何がおありで?』
「お嬢様に聞いて下さい。あ、お嬢様は、工藤学園を退学処分となるそうですよ。」

これで、電話を切る。

「し、新一。もう帰っていい?」

沈黙が恐くて、恐る恐る声を掛けた。

「あぁ。俺、このまま仕事してくから。」
「了解。じゃぁな。」

他メンバーも去り、残るは優貴達(新一、優貴、朔也、朔菜、園子)のみ。

「兄貴、在学証明書切ってくる。」

真っ先に朔也が言った。義姉を侮辱されて、キレていたのだ。



  ☆☆☆



工藤邸東館(新一達の家)・・・



「ただいま。」
「お帰り〜。」

愛する妻(笑)の出迎え・・・おっと、子供達も居たようだ。

「新一。私ね、そろそろ大学に出ようと思うの。」
「もう大丈夫なのか?」

かなり、心配そうだ。

「うん。子供達は、預かってくれるって言ってたし。明日から行くわ。」
「そっか。駄目だったら、直ぐ休んだりしろよ?」
「もう子供じゃないのよ?」

心配する旦那にちょっと呆れながら、返答した。

「分かってるよ。」
「あ、合同文化祭だけど、役員やるわ。新一がやってるのに、妻は何やってるんだ?って言われたくないし。」

新一が恐いので、誰も言わないと思うが。

「んな事言われねぇよ。ま、やるなって訳じゃねぇし。園子が、代表決めてっから、言えよ。」
「うん。分かった。」









翌日・・・



東都大でやっと合同文化祭をやるという報告が、臨時の朝会であった。

「今日は、工藤学園の生徒会が来ていますので、挨拶をして戴きます。」

4人の生徒が壇上に、あがった。

「私は、生徒会長の工藤優貴です。私達が挨拶をしようと思っておりましたが、我が兄、工藤学園の理事長がこの東都大に通っていますので、兄に挨拶をしてもらいたいと思います。」
「えぇっ!?ここに通ってる!?」

東都メンバーは驚き、新一は固まった。
※副会長は、役員会議に出席していなかったが、今日は来ている。

「工藤君、早くしてもらいたいのですが・・・?」

そう、副会長とは、白馬探だったのだ!探の呼び掛けをシカトしていた新一だが、周りの視線が痛い。

「しゃぁねぇな・・・石原も用意できたようだから、やるか。」

小声で呟くと、手を挙げ指を鳴らす。この行為が、何を示しているのか分かる優貴達は、青ざめた。

「ヤバッッそこまでするかぁ!?」



to be countinued…….





〜8〜に戻る。  〜10〜に続く。