バレンタインなんか興味もなかった。
チョコをあげれば喜ぶから・・・
みんな私の虜・・・
でも・・・唯一私の虜にならなかった黒羽快斗。
チョコが欲しくば他のチョコを捨てない・・・私は彼にそういった。
でも彼は・・・ならいらないと言った。
私がどうしても彼を虜にしたくなった理由・・・
でも彼は決して私には振り向いてもくれなかった。
彼が好きなのは・・・中森青子・・・
どうしても気に入らない存在だった。
子供のくせに・・・
でも・・・そんな子供のような彼女に彼は必死だった。
喜ばせたり、怒らせたり・・・時には泣かせたりして・・・
彼女はそれでコロコロ表情を変える。
彼はきっとそんな彼女が好きなのかもしれない・・・
彼が振り向いてくれないとわかっていてもこの気持ちは止められない・・・
押さえることができないから・・・
でも私の中に進入してきた男の存在があった。
白馬探――――彼は探偵をしている。黒羽快斗から見れば敵同士の関係だ。
の彼が私に話しかけてくるようになった。
始めはうっとうしくて仕方がなかった。
でも最近・・・受け入れるようになってきた。
いつの間にか惹かれていたのかもしれない・・・
「はぁ・・・」
溜息をつきながら机の上のチョコの入った箱を見た。
今年は・・・一つしかない。
去年はクラスの男子に配っていたが・・・今年は止めた。
作ろうと思っていたのに・・・身体がそれを止めた。
自分自身もよくわからなかった。
このチョコは・・・
ふと考えて頭に浮かんだのは快斗ではなく・・・白馬だった。
いつも話しかけてくるせいか白馬の顔の方が思い浮かぶ・・・。
「なんで・・・彼が思い浮かぶのよ・・・」
私が好きなのは快斗のはずなのに・・・どうして・・・
自分に問いただす・・・
でも答えることができなかった。
「はぁ・・・」
もう一度溜息をついて・・・椅子から立ち上がり・・・ベットに入ることにした。
なにをさっきから考えているのだろう・・・
こんなこと考えたこともなかったのに・・・
布団を被り、ベットに潜り込んだ。
このまま朝が来て欲しくなかった。
明日という日がこなければいいのに・・・と何処か心の中で思っていた。
時間が過ぎ・・・日が昇る・・・
朝日がカーテンの隙間から漏れだす光。
それを見て、目を擦る。
紅子はあの後からずっと寝ていないのだ。
太陽の光が眩しすぎて・・・目がいたい・・・
ベットから身体を出し、着替え始めた。
長く綺麗な髪は日の光に当たって輝いていた・・・
いつもの様に学校に歩き始めた。
その時・・・
「紅子ちゃぁ〜ん!!」
元気よく手を振る少女の姿が見えた。
青子であった。
紅子はその姿をみて思わず目を細めてしまった。
太陽が当たっているせいで眩しいかもしれないが・・・それ以前に・・・眩しかった。
「あら、おはよう」
「あはよう、紅子ちゃんv」
青子は紅子に満面の笑みを浮かべた。
その姿をみて紅子は思わず苦笑してしまった。
この笑顔を知らないうちに振りまいている彼女・・・意識しているはずもない。
(だから・・・彼は困るのね・・・)
青子を見て笑う紅子に青子は首を傾げてしまった。
「紅子ちゃん・・・青子になにかついてる?それとも何処か変?」
不安そうに聞いてくる青子に笑って言った。
「いいえ、何処も変じゃないわよ。あたなたらしくて素敵よ」
「ホント!?わぁーーvv紅子ちゃんに素敵って言われちゃったv」
嬉しそうに笑う青子につられて紅子も笑ってしまった。
(快斗・・・私は今・・・彼女が好きよ・・・。あなたが好きになったのがわかるような気がするわ・・・)
学校に来てみるといつもと違う賑わいがあった。
まるで今日という日を待ちわびていたような感じだった。
「青子、おはよう〜」
「おはよう恵子」
青子は恵子や友人達に挨拶をしながら教室の中に入っていった。
紅子はそのままスタスタと中に入っていく。
席に着き、鞄から授業道具をだして机の中に入れる。
その時一人の男子生徒が話しかけて来た。
「紅子様v今年も是非チョコをv」
ニッコリ笑って紅子の方をみた。
紅子は困ってしまった・・・・
(今年は・・・チョコは・・・一つだけ・・・)
「ごめんなさい。今年はあげれないの」
「えっ?どうしてですか?」
この男子生徒だけではない・・・他の男子生徒まで集まってきた。
ますます困る紅子・・・。
「みなさん、そんなに言い寄ったら彼女がかわいそうじゃないですか?」y
男子の中を割って入ってきたのは白馬だった。
「あなた・・・」
「大丈夫ですか、紅子さん?」
紅子の机の前までき話しかける。
「え、ええ・・・」
「では・・・慌ただしくて申し訳ないのですが・・・これから僕と一緒に逃げませんか?」
「えっ!?」
紅子の許しもなく白馬は手を握り、廊下に出ていった。
「あ、紅子様〜〜〜〜!!!」
叫んでもすでに遅く、もうそこには紅子と白馬の姿はなかった。
その行動を見ていた青子は笑っていた。
「白馬くん凄いねvv」
クスクス笑っている青子を見ながらふぅーっと一息ついて快斗は言った。
「俺だったら担いで連れて行くけどね〜♪」
ニヤニヤ笑いながら青子の方を見た。
「・・・バ快斗・・・」
ふぅーっと膨れている青子の頬を指で突っついた。
「青子ちゃん可愛い〜〜vv」
いつの間にか二人は屋上に来ていた。
快斗のように授業は滅多にサボらない二人は慣れていないようだ・・・。
「・・・そろそろ・・・手を離してくれませんか?」
ずっと握っていた白馬は慌てて放す。
「す、すみません・・・」
「あなたは・・・いつも強引すぎます・・・」
フンッと言って後ろを向いてしまった。
なんでこんな行動しかとれないのだろう・・・
たまにそんな自分が嫌になる・・・
すると後ろから肩を掴まれ、引き寄せられ白馬の腕の中に収まってしまった。
「な、なにをするの!?」
「強引じゃいけませんか?」
「なにを言うの!!」
耳元で囁かれ、頬を真っ赤に染める。
「あなたは・・・こうでもしないと・・・振り向いてくれないでしょう・・・?」
「それは・・・・」下を向いたまま何もいえなくなった。
「好きです・・・紅子さん・・・」
腕をまわし、紅子を抱きしめた・・・
その言葉に・・・胸の高鳴りを覚えた・・・
一番好きな彼はこの言葉を決して言ってはくれなかった・・・でも今はそんな人がいる・・・
(暖かい・・・氷ついた心が溶けていく・・・)
でも・・・今は彼の気持ちに応えれないかもしれない・・・
それでも・・・好きという気持ちは変わらない・・・
「ありがとう・・・凄く嬉しいです・・・」
「紅子さん・・・」
「これは・・・私からの・・・気持ちです・・・」
そっとチョコを取り出した。
それを見た白馬は嬉しくて仕方がなかった。
紅子から貰えるなんて考えてもなかったから・・・
「あ、あかこさん・・・!!ぼ、ぼくっ・・・」
言おうとしたとき紅子白馬の腕の中で眠っていた・・・
寝不足が・・・きいたのだろう・・・
その寝顔はまるで安心仕切っているようにも見えた。
自分の腕の中に寝ている紅子に着ていた学ランをそっと掛けた。
風邪を引かないように・・・
そしてそっと抱きしめた。
「紅子さん・・・大好きです・・・」
この言葉は紅子に聞こえているだろうか・・・?
白馬は今日はご機嫌だった。
愛する人が傍にいれば・・・なにもいらない・・・
この言葉かぴったりに日だった。
Fin…….
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