蘭の携帯に一本の電話がかかってきた。
蘭は慌てて見に行ってみると和葉からだった。
どうしたんだろう〜と思いなが電話を取った。
「もしもし?」
「蘭ちゃんっっ!!!あたし死にたいわ!!」
「えっ!?と、とつぜんどうしたの!!!和葉ちゃん!?」
いきなり死にたいという言葉を聞いて吃驚して慌てて聞き出す。
今日はバレンタインの前日・・・。
いきなりどうしたというのだろうか・・・・?



和葉の話によるとどうやら平次と喧嘩をしてしまったらしい・・・。
些細なことでの言い合いが次第にエスカレートし、最後には大喧嘩・・・。
和葉はそのまま平次の家を飛び出してしまったらしい。
だが、ふと考えてみると別に言い合うようなことでもなかった。
今考えると恥ずかしい・・・



そのことで和葉は蘭に電話をかけたのだ。
「どないしよぉ〜・・・蘭ちゃん〜!!!」
「落ち着いて和葉ちゃん!絶対仲直りできるよぉー!」
「ホンマ・・・?」
「絶対出来るって!!だから死にたいなって言わないでよぉ・・・・」
「でも・・・あたし・・・平次に嫌われてしもうたら生きて行くことできへん・・・」
「そんなに服部くん怒ってないと思うよ?」
「でもな・・・」
電話の声を聞くと自信のない声が聞こえてきた。
蘭もいつもの和葉らしくなくて悩んでしまった。
和葉が平次を好きなことは見ればすぐわかる。
好きで、好きで仕方がないのだ。
だから和葉にとって平次に嫌われることは・・・生きていけないことになる・・・。
でも蘭はそうは思っていない。
和葉は愚痴も言うが平次の良いことを沢山話してくれる。
それと同じように平次も和葉のいないところでは自慢ばかりしている。
いつもその話を聞くのが新一なので蘭はそれをよく知っている。
言ってしまえば、平次は和葉以上に好きだとういう気持ちも大きいのだ。
そんな場面を何回も見ている。
本当は可愛くて仕方がないのだ。



「ねぇー和葉ちゃん?」
「なに・・・蘭ちゃん?」
今にも泣きそうな声で応える。
「いつもは喧嘩したときどんな風に仲直りしてるの?」
「どんな風にやろ・・・いつの間にか仲直りしとるよ?」
「なら、私と一緒だねv」
「蘭ちゃんも?」
「うん。何かの弾みで話していると喧嘩してることも忘れてた。
でも・・・今はなかなか素直になれなくて・・・」
「その気持ち・・・わかるわ・・・。ホントは仲直りしたいはず
が・・・上手く言えなくて・・・」
「だから・・・いつも通りに接してみたら?」
「いつも通りに・・・?」
「うん。学校で会うんじゃないの?」
「あかんわ・・・蘭ちゃん」
「えっ?どうして?」
いきなりダメだと言われ蘭は吃驚し、思わず聞き返す。
「平次きっと学校に来ないと思うわ・・・」
「ま、まさか・・・事件とか・・・?」
「当たりや!流石蘭ちゃんv」
和葉の話を聞くとやっぱりと思ってしまう。
探偵を彼に持つとこうなるのだ。
その彼が・・・有名すぎて・・・。



その時電話からクスッと笑い声が聞こえた。
「和葉ちゃん・・・?」
「蘭ちゃん、あたし平次のこと待っとるわvだって・・・キラキラした平次の顔が大好きやもんvv探偵の時の平次が一番好きやvv」
思わず和葉に惚気られてしまった。
その意見に同感だった。
蘭も探偵をしているときの新一の顔が大好きだった。
どんな時よりも真剣で・・・真っ直ぐな瞳。
そこの惚れたと言うこともあった。
「私も推理しているときの新一が大好きだよv」
そして二人は思わず笑ってしまった。
好きなものに夢中になっている彼が好きだった。
いつも以上にカッコよくみえてしまうから・・・。
「蘭ちゃんvありがとなvvすっきりしたわv」
「良かったv明日、頑張ってねv」
「勿論やv蘭ちゃんもなv」
そして電話を切った。



そして次の日。
和葉が思った通り、平次は学校に来なかった。
ふ〜っと溜息をつく。
周りを見てみると・・・がっかりしている女子生徒達を発見した。
思わずクスッと笑ってしまった。



和葉は学校が終わると早速平次の家に向かった。
白い雪がふわふわと舞っていた。
寒かったが・・・綺麗だった。
平次の家の前に来ると、背中を壁に付けて待ち始めた。
(平次・・・いつ帰ってくるんやろう・・・)
小さな不安が過ぎった。
事故になっていないか・・・事件に巻き込まれていないか・・・。
考えるだけで不安だった。
(大丈夫や!今日はちゃんとお守り持っていったから平気や!)
大丈夫だと言い聞かせながら待つことにした。
メールをしても良かったが・・・今はただ・・・平次を待っていたかった・・・。



なにも知らない平次はそのまま家に帰る所だった。
昨日喧嘩してしまい・・・どう仲直りしていいか考えていた。
推理よりも難しい課題だった。
う〜・・・っと悩む。
なにかを買って喜ばせる・・・
それとも・・・いつも通りに話しかける・・・。
考えれば考えるほど頭の整理がつかなくなっていく。
「あかんっっ!!!どないしたらええんやっ!」
頭を抱えながら悩む。
考えているうちに家の近くまできて・・・門の前で立っている人影を見つけて走り出した。
(和葉や・・・)
近くといってもはっきり見える距離にはいなかったが、見たときわかったのである。
「和葉っ!!」
「あ、平次!今帰ったん?」
平次に駆け寄ろうとしたとき平次に両頬を捕まえられた。
「アホ・・・こんなに冷たくなるまでなにしてたんや?」
「・・・・」
心配してくれてた。
そう思ったら涙が零れた。
喧嘩のことなんかどうでもよくなった。
ただこうして・・・温もりに触れられるだけで嬉しかった。
「平次のこと待っとたんよ・・・」
「なしてや・・・?」
「これを渡したかったんやv」
ひょこっと綺麗な箱を目の前にだした。
「まさか・・・これだけを渡すためにか・・・?」
「これが渡したかったんや・・・平次v」
「和葉・・・」
笑う和葉を思わず見とれてしまった。
雪が舞うせいで・・いつも以上に綺麗に見えた。
和葉が白い息を吐き出すと平次はコートを広げた。
「入るか・・・?」
真っ赤になりながら顔を別な方に向けて言う・・・。
「うんっvv」
嬉しくて和葉は平次に抱きついた。
コートの中は温かくて・・・。
「平次・・・あたし・・・チョコみたく・・・溶けてしまいそうや・・・」
「溶けるんなら・・・わいの中だけにせーや・・・」
その言葉が嬉しくて・・・嬉しくて・・・顔を押しつけても涙が零れ落ちてくる。
このままこの時間が永遠に続いたらいいのにと思ってしまう。
好きで好きで・・・どうにもならないくらい好き・・・。



「平次・・・大好きや・・・・」


平次は言葉を返して来なかったが・・・それに応えるように・・・和葉をギュッと抱きしめた。




Fin…….







新蘭編も見る 快青編も見る 白紅編も見る おまけも見る


戻る